INTERVIEW
MARMOZETS
2015.07.09UPDATE
2015年07月号掲載
Member:Becca MacIntyre(Vo)
Interviewer:米沢 彰
-はじめまして!激ロックです。まずは自己紹介をお願いできますか?
結成して8年になるわ。すごく若いころに始めたから、私はまだ23歳だけどね。今度日本に行くのを楽しみにしているわ。何しろ初めてだからね!
-フェスティバルを転々と回ってツアーをしているようですね。今日はベルギーですよね?
そうなの。ロック・フェス(Rock Werchter 2015)のメイン・ステージに出るのよ。
-かなり長期間ツアーを回っているようですが、今のツアーはいつごろから始まってどういった地域を回ってきましたか?
今回のツアーではオーストラリアにも行くのよ。今までかなり世界中を回ったわ。アメリカにも何回か行ったし、イギリスでもロック・フェスには大概出たの。"Reading & Leeds Festivals"、"Download Festival"......。今年は"Download Festival"に出られて感激だったわ。8月には"Reading and Leeds Festivals"でBABYMETALとも共演するのよ。
-これまでツアーを回ってきた中で最も印象的だった公演はどちらですか?
えーーっ!うーん......。今はまだ新しいことばかりなのよね。ただのサポート・アクトじゃなくて、メイン・ステージに出るようになり始めたところなの。やっとそういうところに足跡を残せるようになったから、これからがMARMOZETSというバンドがどんなものかを見せるときだと思ってるわ。私たちはただの若者の集まりだけど、ファミリーでもあるの。私は弟2人と一緒にやっていて、残りの2人も兄弟なのよ。2組の兄弟がやっているってことね。愛情たっぷりの生活を送っているわ。お互い一緒にいられることを楽しんでいるし、毎日どんどんいい状態になっているの。
-バンドのメンバーはあなたを含む、Maclntyre 3兄弟と、Bottomley兄弟による5人組となっていますが、兄弟で活動をすることで意思疎通の面や制作の面でやりやすいこともあればやりにくいこともあるかと思いますが、実際はいかがでしょうか?
お互いを知りすぎているというのはネガティヴでもありポジティヴでもあるかもね。知りすぎているから、許されないことも多いし(笑)。親にはお互い信頼しあうこと、思いやりあうことを教えられてきたから、それを実践しているわ。さすがに毎日じゃないけど、たまには離れてみたいなと思うこともあって。でもこれが私たちの選んだ人生だし、お互い助け合うように育てられてきたから、ツアー中もそうしているのよ。
-兄弟だとツアー中も寂しくなくていいですよね。ツアー生活だと家から離れている時間が長すぎるから家族が恋しい、と言っているバンドは多いですよ。
たしかに家から離れているのはとてもつらいことだと思うわ。家族は私たちにとってとても大切だから家から離れているのはつらいけど、一緒にツアーできる家族もいるから、そういう意味ではずっと心強いわ。たまに煩わしいときもあるけどね(笑)。
-音楽性としてはかなり幅が広く、ポスト・ハードコアからパンク、オルタナ、エモ、プログレッシヴ・ロックなどさまざまな側面を見せるのがMARMOZETSらしさと言っても良いように感じます。この音楽的な幅広さはどこから来ていると思いますか?
私たちのパーソナリティからだと思うわ。みんなでいるときに、思いのままに曲を書いているからね。私たち自身がエネルギッシュだから、曲を書くときもスピード感があると思うわ。あと、みんなハード・ワーカーでいることが好きなの。ミュージシャンのあるべき姿って、特にクリエイティヴ面では本当にいろいろあると思うから難しいけど、私たちは音楽で人々の支えになりたいという気持ちがあるのよ。本を書いて人々の支えになる人もいるけど、私たちはそれを音楽でやろうとしているの。ステージに上がって嬉しくなるために音楽をやっているわけじゃないわ。操り人形じゃないからやることに制約があるわけでもないし、私たちのリアルでオーセンティックなところが出ているのよ。私たちはリアルだってところは強調しておきたいわ。
-激しさとUKロック的な繊細さが絶妙なバランスで同居しているのが非常に印象的です。サウンドやパフォーマンスを含めたご自身の二面性はどこにその起源があるのでしょうか? 例えば今こうして話していても、あなたのステージ上のアグレッシヴさは到底想像できません。むしろ物静かといいますか。
(笑)そうね、たしかに普段は物静かで落ち着いているタイプだと思うわ。ステージ上の自分は、あれは自己表現のひとつなの。全部解き放っちゃってる感じ(笑)。自分を解放する方法って世界中でいろんなことをいろんな人がやっているけど、私たちのやり方は少しずつ自分のカケラを手放している感じね。美しく謙虚なやり方で。
-最新作『The Weird And Wonderful Marmozets』での日本デビュー、おめでとうございます。本作はすでに本国でリリース済みですが、これまでの反応はいかがでしたか?
昨年の9月にアルバムが出て、それ以来ツアーをしているの。特にアメリカはいろいろ回ったわ。初めての国に行くとまた一番下から出直しみたいなところがあるけど、今のところ反応は最高よ。どんな小さなチャンスも掴んで演奏しているわ。バンドはみんなそうすべきだと思う。ひとつの国でビッグになったとしても、他の国では駆け出しから始めるのがいいと思うの。徐々にファン層を拡大していく感じね。今はオーディエンスが一緒に歌ってくれるようになったのよ。アルバムを出すのはファンへのプレゼントのようなものよね。このアルバムはプレゼントだと思うわ。そう思えるのは、みんなの反応や、アルバムが話題に出たときの内容がとてもポジティヴだから。仕事に向かう車の中で聴いて、目覚ましにしてるって言う人もいるし(笑)。みんなの役に立てているみたいなの。とてもスペシャルなことだと思うわ、と言いつつ、人がどう思おうとあまり気にしていない部分もあるわ。私たち自身がこれに対してとてもハッピーだから、気に入らないって言う人がいても気にならないの。これが私たちだし、他の誰にもできないことだし、私たちのベイビーだからね(笑)。ファースト・ベイビー、ファースト・アルバムよ!とても気に入っているわ。