INTERVIEW
WE ARE THE CHAMPION$
2015.04.21UPDATE
2015年04月号掲載
Member:Yuto (Vo) Yuta (Gt/Vo) Keisuke (Gt/Cho)
Interviewer:荒金 良介
-早速なんですが、今作はすごくいいアルバムですね。非の打ち所がないくらいポップに突き抜けてるし、全編サビみたいにキャッチーなメロディが詰め込まれてますね。
Yuto:ありがとうございます。素直に嬉しいです。今回はいろいろ詰めて、みんなで意見を出し合いました。
Yuta:一昨年EPを出して、今作の前に限定シングルを出したのですが、そのシングルから歌に力を入れるようになりました。最初のEPはサウンドをメインにして、がっつりブレイクダウンを入れたり、音の攻撃力が高かったのですが、自分たちのルーツにあるハードコアも入れつつ、今回はいろいろな方に聴いてもらえるように歌を大事にしました。「SHINING BRIGHT」「BE PROUD OF YOURSELF」はデモで発表した曲の再録です。
Keisuke:今回は激しさとスピードはもちろん、静と動だったり、ミディアム・テンポにどうメロディを乗せるかを考えました。
Yuta:最初は"ポップ・パンク+ハードコア"というイージーコアのスタイルを掲げて、そこに特化してました。でも、もっとポップ・パンクを押し出したくなって。なぜ自分たちがポップ・パンクを聴いていたかと言うと、キャッチーなメロディや、聴いたら明るく元気になれる音に惹かれたからです。今回は自分たちにしかできないポップ・パンク・アルバムを作ろうと思い、自然とその流れでメロディに力が入ったんだと思います。
Yuto:そういったこともあり、疾走感、ブレイクダウンはそんなに意識せず、メロディを軸に曲作りを進めました。それが自分たちなりにできたと思います。
Yuta:以前は絶対2ステップ・パートやブレイクダウンを入れなきゃいけないと思ってました(笑)。
-無意識に作り上げていた自分たちのルールも取っ払えたと。
Keisuke:吹っ切ることができましたね。メンバーひとりひとりルーツが違うし、それを今回入れようと。
Yuta:みんなが共通して好きなのはNEW FOUND GLORYです。
-そのニオイはプンプンしますね(笑)。
Yuta:みんな大好きです。2000年初頭のドライブ・スルー系のバンドを聴いてました。THE STARTING LINE、FINCHなどをひと通り聴いてました。
-若手メロディック勢で全編英語詞、しかもここまでコテコテの洋楽パンクに寄った音は最近少ない気がして、懐かしくも新鮮でした。
Yuto:それは狙っていたことなので嬉しいです(笑)。
Yuta:1stアルバムなので、自分たちが影響を受けたものを全部出したくて。自分が音楽をやる中で何が好きで、何に熱くなって、やり始めたのか。そう考えると、音楽を1番熱心に聴いたのがその辺りの音楽なんです。初めて海外の音楽に触れたのがNEW FOUND GLORYで、正直に自分たちが影響を受けたものを消化してやったら面白いんじゃないかと。"今やりたい!"という気持ちが強かったです。
Yuto:日本の音楽シーンの中でポップ・パンクという言葉が広がってるし、広がっていくと、"それポップ・パンクなの?"と思うものもあって。僕らは自分たちのルーツにあるポップ・パンクを軸にやりたくなったんです。ほんとに今回は素で好きなものをやりました。
Yuta:そうだね(笑)。ヘンに意識せず、自分たちのやりたいことをやりたいように詰めました。なので、曲によってはツーバスやブレイクダウンもあるけど、その中でも聴きやすいメロディを意識しようと。すごくかっこつけた言い方をすると、"その年代があったからこそ、こういうバンドがいるんだよ"ということを体現したかった。「AMERICAN PIE」、「FAREWELLS」はモロに2000年代のBLINK-182、NEW FOUND GLORY、SUM 41、THE STARTING LINEを意識しました。今までのポップ・パンクの歴史を辿れるような作品にしたかったんです。真似事ではなく、自分たちのカラーをいろいろ入れられましたし、いい形になったと思います。
-紙資料にバンド結成が2012年で当時平均年齢22歳と書いてましたが、今も20代前半ですよね?
Yuto:今、僕とKeisukeは23歳ですね。
Yuta:僕だけ24歳で、少し上なんです。新しく入ったベースとドラムは20歳、21歳で彼らもNEW FOUND GLORYを聴いてるんです。
-NEW FOUND GLORYが登場したころはまだ小さかったんじゃないですか?
Yuta:僕がBLINK-182を聴き始めたころは活動休止中でした。
-NEW FOUND GLORYも後追いですか?
Yuta:そうです。親父がDEEP PURPLEやBLACK SABBATHが好きで、ギターをやってたんです。僕は小学6年ぐらいでNEW FOUND GLORYを聴き始めて、それからギターをやりたいと思うようになりました。それからBLINK-182やA DAY TO REMEMBER、他に日本のメロコア・バンドも好きで、ELLEGARDEN、dustbox、GOOD4NOTHINGも中学のときにライヴを行くようになって、疾走感のある音楽が好きでした。
Yuto:僕も後追いで、高校のころに前のベースから教えてもらい、ものすごく衝撃を受けました。パンクというイメージをいい意味で壊してくれたというか。こんなにメロディがあって、アグレッシヴなのに、聴きやすいじゃないですか。日本のJ-POPは聴いてたけど、今まで聴いたことがないような音楽でしたからね。
Keisuke:自分の洋楽の入り口は、小学生のころに兄貴が聴かせてくれたNEW FOUND GLORYのカバー作(『From The Screen To Your Stereo』)なんです。最初はカバー作とは知らなくて、後々にこの曲は映画"タイタニック"に使われていたものなんだって(笑)。それからポップ・パンクを聴くようになりました。同時期にYELLOWCARD、BUSTEDなどを聴いて、前のベースとYutoと僕は同じ軽音楽部で出会って、その前のベースは洋楽通でHIT THE LIGHTS、SENSES FAILなどいろいろ教えてもらって、彼が音楽の転機をくれたんです。
-今作を聴いて、ポップ・パンクを主軸にしつつ、オールド・スクールのハードコアの要素を混ぜてるじゃないですか。そこはSET YOUR GOALS辺りに近い印象を受けました。
Yuta:もともとSET YOUR GOALS、FOUR YEAR STRONG、A DAY TO REMEMBERみたいな音楽をやろうと思って始めたので、その感覚は今も残ってます。普段もみんな国内外のハードコア・バンドのライヴを観に行くんです。なので、そこも好きだし、自分たちの持ち味になってると思います。
-バンド的にはツイン・ヴォーカル体制になってますけど、曲によって掛け合うスタイルですね。ガッツリと歌声が絡んでいるのは「BLUE LIGHT」、「INSECT CAGE」の2曲ぐらいで。
Yuta:そうですね。自分たちの中では落ち着いた曲ですけど、掛け合いをしてます。彼の力強い歌声に対して、僕は弱々しいと言ったらあれだけど......。
-少年ハイトーン・ボイスですね(笑)。
Yuta:はい。なので、うまく混ざったらいいなと。
-すごく良かったですよ。今回初のフル・アルバムになりますが、どんな作風にしようと思ってました?
Yuta:1番影響を受けたものを出そうと言いつつ、その流れの中で自然とツイン・ヴォーカル、ブレイクダウンやハードコアの要素、この曲はコテコテの2000年代の音とか、曲ごとにアプローチは違います。それで曲に味が出てるし、考えてやったというより、自然に出てきたものです。今までもそうなんです。こういうリフを入れたら、フザけてるかもしれないと思うフレーズでも、周りからも"WE ARE THE CHAMPION$らしいリフだ!"と言われることも多くて。
Yuto:僕らってボツ曲がほとんどないんです。みんなで考え込んでやめようということもなく、やりたいことをどんどんやって曲ができる。今回のアルバムもそうです。
Yuta:まとまりはないかもしれないけど。