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INTERVIEW

Nozomu Wakai's DESTINIA

2014.12.30UPDATE

Nozomu Wakai's DESTINIA

Member:若井 望

Interviewer:荒金 良介

-音的にはLAメタルの雰囲気はあまりないですね。

RAINBOW、IRON MAIDEN、JUDAS PRIEST、HELLOWEEN、Michael Schenker、サウンドの方向性としてはそういうものが好きなんですよ。LAメタルでもちょっとメロディックな......W.A.S.P.、POISON、WARRANT、WINGERやSTRYPERの曲にもすごくメロディックなものがあったりしますし。それにジャパニーズ・メタルはとてもメロディアスです。

-メロディアスな音楽が好きなんですね。

はい。例えばANTHEM、LOUDNESSなどの曲も日本独自のメロディアス感があると思うんですよ。それは北欧やジャーマン・メタルともどこか通じるものがあると思うし......。様式美なアレンジにはしてる部分もありますけど、すべてメロディ優先ですね。

-今作を聴いてもメタルのルーツを大事にしつつ、誰にも寄りかからない直球のメロディック・メタルですね。

ジャパニーズ・メタルの延長線上にありながら、国外で闘えるような音楽でありたいですね。

-ソングライティングで心がけた点は?

歌と曲が持つ内容ですね。リフを聴かせたいというより、何を伝えたいかを考えました。1曲目「Requiem for a Scream」を作ったときにいろんな思いがあって、自分が聴くときにも人の性......自分が経験したことを踏まえたうえで、それを世の中に問いたくて。パンクやフォーク......ジャンルを問わず音楽全般に言えますが、自分が何を訴えたいかが1番にあって、さらに先程も話があがった歌謡性も日本独自のものだと思うし、日本はクラシックを含めてヨーロッパと音楽的に近いものがあるので、そういう流れを汲んだ音楽でありメロディにしたいなと。

-歌と内容を重んじるというのは、ギタリストの第1弾作とは思えませんね。

それはいろんな人に言われますね。Ritchie BlackmoreやMichael Schenker、Yngwie Malmsteen、Chris Impellitteriもそうですけど、ギタリストが主催しているバンド・スタイルも古くからあるじゃないですか。ただ、ギタリストが曲を書くと、速く弾くイメージがあるかもしれないけど、自分が聴いてきた音楽は楽曲ありき、ヴォーカルありきが多かったから。やりたいことをやったら、今のスタイルに落ち着いたという。あと、私の曲は......、例えばRAINBOWで、Ronnie James Dioならこうする、Graham Bonnetならこうする、Joe Lynn Turnerならこうするとヴォーカルによって曲調が違うという感覚に近くて、曲の内容はヴォーカルありきで作ってるところはありますね。あと、楽曲提供したり、エンジニアリング、プロデューサーとか裏方業も好きなので。リスナー、プロデューサー、プレイヤー、どの角度から見ても自分がいいと思えるものを作りたくて。きっとプレイヤーだけをやってたら、もっと全編弾きたいと思っていたかもしれない。プロデューサーとしての観点が強いんだと思います。

-あと、今作は3人のヴォーカリストを起用しているのも大きな特徴ですね。

作り込んでいく中で森川さんから当時は内容は言われてはいませんでしたが、ANTHEMへの復帰が決まり、録れないかもしれないという状況もあって。じゃあ、森川さん以外の方にも歌唱してもらって新曲を書こうと思い、それで小野さんの楽曲を書き始めたんですよ。

-ヴォーカリストを想定して曲作りを始めたと?

そうですね。例えば小野さんは森川さんと比べても、それぞれ歌声のスウィート・スポットがあるキーがまた違うので。

-歌のスウィート・スポットですか!

ええ(笑)。私はもともと小野さんのバック・バンドの付き人みたいなことをやってたんですよ。小野さんのキーやレンジもある程度わかってるし、それでオファーしたんです。小野さんなら、こういう曲で、こういうキーで歌ってほしいなと。で、Rob Rockにはかつて自分が衝撃を受けたようなパンチの効いた曲を歌ってほしくて。もともと学生時代にIMPELLITTERIのライヴを観たときに、Robの歌声が強烈だったんですよ。それ以降も洋楽のライヴを観たけど、こんなに強烈な人はいないなと。Chris Impellitteriもすごくギターが上手だけど、Robの歌唱力に圧倒された記憶があって。歌声もイメージしやすかったし、それで今回ああいう曲を歌ってもらったんですよ。

-そうなんですね。

例えば1曲目「Requiem for a Scream」はデモの段階では森川さんに歌って頂きましたが、またRobは歌の解釈が違うので、それがまた面白かったですね。ただ、このパートはこういう内容なので、こういう感情を込めて歌ってくださいとディレクションしました。3人とも私がこうしてくださいと言った以上のものを乗せてくれたので良かったです。声質も面白く、森川さんはオルガンのようでもあり、小野さんはレンジがきっちりしてるし、Robはコンプのかかりが良かったりするんですよ。本当はエフェクトの掛けかたも変わるので曲ごとに全然別の作品のように聞こえる事も多いけど、それを同じアルバムの中で聴かせるので作品のトータリティを第一に考えました。