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INTERVIEW

ANTHEM

2014.10.15UPDATE

2014年10月号掲載

ANTHEM

Member:柴田 直人 (Ba)

Interviewer:荒金 良介

-柴田さん復活後の"OZZFEST JAPAN 2013"のステージもものすごくいいライヴでした。

観ました(笑)? あれは人生で1番短く感じたステージでしたよ(笑)。ステージ脇にいるときから、大きなANTHEM コールが聞こえて、その段階で胸がいっぱいになっちゃってね。あまり涙ぐんだりしないタイプだけど、やはり不安もあったし、セットリストも覚えてないくらい興奮してました。だから、ライヴが終わったら放心状態で、気が付いたらBLACK SABBATHが始まってました。

-はははは。

それぐらい記憶がないんですよ。やっぱり安心感はありましたね。ほんとに戻って来れたんだなって。それから夏にツアーがあったから、余韻に浸る暇はなかったけど。そう考えると、通常では考えられないくらい、いろんな感情が入り乱れた年でしたね(笑)。

-改めてANTHEMというバンドに対する見方も変わりました?

紛れもなくANTHEMは僕の人生なんだなと思いました。最も大事なもののエリアに燦然と輝くものとして、ANTHEMというバンドがある。ここまで来ると、僕らのものだけじゃないという気もしますよ。バチが当たらないように、僕はANTHEMに関わるときは命を懸けてやろうと思いますよ。若いころからそうだけど、今は特にそう感じます。

-その決意みたいなものが、アルバム名にも込められているんですね。

"なぜこのアルバム名を付けたんですか?"と聞かれたら困るけど、イメージなんですよね僕の中では。『ABSOLUTE WORLD』しかないんですよ。これが現ラインナップの真の姿です、絶対的な世界がこのラインナップです、とか、いろんな解釈ができるけど、それらが全部含まれてます。その時々でアブソリュート・ワールドだから(笑)。よく心機一転のタイミングで、バンド名をタイトルにすることがあるけど、僕はアルバム名をANTHEMにするのは嫌だったので。

-だけど、それに近い気持ちはあると?

うん、そういう感じですね。これが今の僕らのすべてです、みたいな。

-わかりました。作品の話もしたいんですが、曲作りはずっとやっていたとおっしゃってましたが、数ある曲の中から11曲 をピックアップしたんですか?

そうですね。15秒のリフとか、ちょっとした鼻歌とコードとか、レコーダーに録音してるんですけど、アイデアは420ぐらいありましたね。まあ、今回はすっごくストレートなものが多いですね。僕もいろんな音楽を聴いてるから、アレンジの妙を曲に反映させることはできたのだろうけど、あまりそういう気分じゃなくてね。今のメンバーでライヴで披露したらかっこいいんじゃない か、パッと聴いて、このメンツでやりたい! と思う曲を選びました。「LOVE OF HELL」というバラードちっくな曲や「SAILING」という毛色の違う曲は、2、3年前からあったものなんですよ。今ならありじゃないかなって。それも勘なんですけどね。森川が歌って、田丸が叩くなら、いいんじゃないかなって。あと、「DESTROY THE BOREDOM」という曲はいろんな人から"レコーディングしないんですか?"と聞かれたけど、この曲も森川が歌ったらかっこいいかもなって。歌詞とメロディを少し変えてやってみたら、ああ、そうそう! って腑に落ちたんですよ。選ぶ基準は、今のメンバーで単純にやりたい曲って感じです。

-小手先のテクニックやギミックではなく、現メンバー4人のピュアな衝動を吐き出そうと?

そうですそうです。今回のアルバムはそれでいいんじゃないかなと。もちろんメンバー交代して1作目なので、いろんなかたがたが注目するでしょうし、大事な作品だと思うけど、素のポテンシャルで勝負したくて。

-さきほど話に出た「DESTROY THE BOREDOM」もそうですが、作品からも力強さや男臭さが溢れ出てますね。また、「LOVE OF HELL」、「SAILING」は今作の中でも異彩を放ってるし、アルバム全体の流れにもいいフックになってます。

俗に言う「SAILING」はどメタル的なANTHEMの曲とは違いますけど、このラインナップだったら、全部ありだなと思えるような頼もしさがあるんですよ。安心感があるんですよね。全部ひっくるめてANTHEMになるだろうなって。

-ええ、1曲1曲に説得力を感じます。ちなみに柴田さんの中で今、ヘヴィ・メタルというキーワードはどれぐらい意識されてます?

正直言って、まったく意識してないです。僕は昔からそうですよ。僕がやりたい音楽をANTHEMというフィルターに通すと、こういう曲になるという感じだから。ほとんど私生活でもヘヴィ・メタルと言われる音楽はあまり聴かないから。

-えっ、そうなんですか?

大学生のときまでに好きだったものはいまだに聴きますけどね。WISHBONE ASH、DEEP PURPLE、EMERSON,LAKE&PALMER、PINK FLOYD、KING CRIMSONとか、自分の感性を作ってくれた音楽は今でも好きですけど。80、90年代のヘヴィ・メタルはほとんど聴かないですね。要するに僕らがやってきた時代のメタルは聴いてないです。聴かないというか、家であえて深刻に聴くことはないです。客観的に僕らの音楽を定義すると、ブルースではないし、ハード・ロックかヘヴィ・メタルかと言われたら、絶対ヘヴィ・メタルだと思うけど。自分たちではそういう認識はなくて。もちろん時代によってヘヴィ・メタルを意識したり、激しいアレンジを意識したこともあるけど、そういう意味でいうと、今回はここ数年の中で1番意識してない。