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INTERVIEW

ANCIENT MYTH

2014.05.02UPDATE

2014年05月号掲載

ANCIENT MYTH

Member:Michal(Vo) Izo(Gt) Naoki(Ba) Puzzy(Key)

Interviewer:荒金 良介

-今回は音源リリースにまつわる取材ではなく、今年アップされたYouTube限定曲「Aerial Memories」の話を中心に話を聞きたいと思います。まず映像を上げることになった経緯から教えてください。

Michal:今の時代の流れ的に、映像がスタンダードになっている感じがあって。前のレーベルとの契約が去年いっぱいで切れたんですけど、自分たちに権利がすべてあるなら、音源よりもっと広げられる方法があるんじゃないかと。もともと私たちが初めてPVを作った頃って、国産インディーのメタル・バンドでPVを作ってるバンドがあまりいなくて。有効じゃないと思われていたけど、この4、5年ぐらいに時代も変わったし、個人がどんどん情報を発信していける時代になってきて。メタル自体は狭いジャンルかもしれないけど、映像を使えばたくさんの人と出会えるんじゃないかと思うんです。あと、去年、彼(Izo)が加入したんですけど、前任のギター(YURI)が最後のオリジナル・メンバーだったんですよ。昔からANCIENT MYTHを知ってるお客さんはすごく不安だったと思うから。

-バンドは大丈夫なんだろうかと?

Michal:はい。だから、いち早く曲を出したくて。アルバムだと短期間では出せないし、いちばんコアな、昔からのお客さんの不安を早く解消したかったんです。でもポンと1曲上げても、ただ作りましたよ、で終わるので......何か面白いことができないかと思って、単純に日本語版、英語版というだけじゃなく、対になるストーリーだったり、いろんな意味を持たせて作り込もうと。

-もともと「Aerial Memories」はコンピに提供した曲ですよね。いつ頃に作り始めた曲ですか?

Puzzy:去年の春に作り始め、夏発売のコンピに提供して、ひとまず世に出たんですが、コンピが売れない事情になってしまって。お蔵入りにするのはもったいないし、彼(Izo)がいるANCIENT MYTHの音を出したいよねって話になって。

Michal:映像ができてから、キーボードの音色を変えたり......。

Puzzy:英語の歌い回しだと日本語のリズムと変わるので、少し小細工したりしてます。

Michal:音の素材は殆ど録り直しました。曲の根本の部分は変わらないけど、リレコーディングしているので、出す意味合いも違います。私としては別の曲ぐらいのイメージで捉えてほしいです。

-この曲を改めてピックアップした理由は?

Michal:2012年のワンマンでギターとドラムがやめて、そのタイミングでバンド自体をやめようかと思うほど、みんな落ち込んでしまったんですね。

Puzzy:メタルはギターとドラムって大事じゃないですか。それがなくて、個性が保てるのかなって。......って、勝手に話して大丈夫です?違ったらツッコンで下さいね?

Naoki:大丈夫(笑)。

全員:ははははは。

Puzzy:そのときはこの3人(Michal、Naoki、Puzzy)しかいなくて。

Michal:その試行錯誤の末に生み出した曲なんです。

-バンド存続が危うかった頃にできた曲なんですね。

Puzzy:コンピの話をもらって、バンドが動き出せた部分があったので。思い入れは強いですね。

Michal:もともとMITTU(初期ドラマー)が作ったバンドなので、彼の色が今でも強く残ってるバンドなんです。彼(MITTU)が2011年にやめて、バンド活動を止めようかとなったときに、前作『Akashic』に入ってる「Against the Fate」という曲をNaokiが作ったんですよ。運命に逆らおうぜ!という曲なんですけど、「Against the Fate」はライヴでもいいレスポンスがもらえるし、ネガティヴな局面というか、窮地というか、そういったところから作り出した曲がうまく作用するバンドですね。

-「Aerial Memories」を作る上で、「Against the Fate」ができたことが大きかったと。

Michal:誤解を招くかもしれないけど、他力本願的なところがあったと思うんですね。主要なメンバーは自分じゃないかも、みたいな。

Puzzy:MITTUさんが作ったバンドを継いでるって意識があるんです。私はゴシック・メタルが好きだけど、ANCIENT MYTHでゴシックをやりたいわけじゃなく、もともとのバンド・イメージを大事にしたい、みたいな。

Michal:バンド名を変えようという案も出たんですけど。例えばHELLOWEENだったら、ヴォーカル誰の時期がいい?とかあるわけじゃないですか。

-ええ(笑)。

Michal:誰々の時期がいいと言い合うお客さんがいても、HELLOWEENというバンドは1つしかないんですよ。そのブランド・イメージをうまく内包したまま、新しく作っていきたい。同年代で今でも続けてるバンドも少なくなったし、ウチらは築き上げてきたものを続けたいなと。解散する、バンド名を変えることが自分の中で負けな気がして。比較されてもいいから、新しいものを作りたいなと。

-Naokiさんはどうですか?

Naoki:バンド名を変えようと言ったのは自分なんですよ。ANCIENT MYTH=MITTUというイメージを壊したくて。でもウチの人(Michal)は折れないので(笑)、いろいろ話し合って続けようと。