－Izoさんは、バンド加入前と後でバンドの印象は変わりました？

Izo：最初にANCIENT MYTHと別のバンドで対バンしたときに、結構メンバー交替している話は聞いてました。去年の夏頃にサポートの話をもらって、ANCIENT MYTHの曲を自分で弾いたときに、聴いていたときよりも、自分の体にしっくり来て。最終的に加入の話をもらって入りました。

Naoki：前からIzoさんがいいんだよって、プッシュしてたんですよ。で、本人にも探りをずっと入れてて。それでも微妙な反応だったので、その気がないのかなって（笑）。

Izo：僕はギターなので、もともとヘヴィなパワー・メタル系が好きで。最初は合うのかなと思ったけど、同年代だし、意外と合って（笑）。

－現4人体制で変わった部分というと？

Puzzy：ギターはがっつりやって欲しいなって。"シンフォニック・メタルだからキーボード"みたいな見方が嫌なんです。Izoがギターを少し刻むだけで、男臭くてかっこ良いんですけど、次の作品ではそれを押し出していきたい。あっ、すいません、なんか私が代表してるみたいに言ってますけど、自分が勝手に思ってるだけです。

－大丈夫ですよ（笑）。

Naoki：あと、精神的な面が大きいですね。Izoが入る前は男1人だったので、女性2人に挟まれると"？"と思うことも多くて（笑）。

Puzzy：苦労かけてます（笑）。

Naoki：ははは。Izoは頼りがいがあるので、精神的にも楽になりました。いろんなことも相談できるし。

Izo：メンバーから褒めらすぎて、気持ち悪くなってきました。

全員：ははははは。

Naoki：前のギターのYURIはキレイに弾くタイプで、それも好きだったんですけど、Izoが入ることでロック感が増したし、それも自分が求めていたものだから良かったです。

Michal：Izoの前に何人かサポートでギターをやってもらったけど、YURI像が大きすぎて、どんな人を入れていいかわからなくて。去年初めてIzoとライヴをやって、後ろが見えないのに、ものすごく安心できたんですよ。"これや！"って。言葉でうまく言い表せないけど、私はこういうANCIENT MYTHを見たかったのかなって。

－というのは？

Michal：今のメンバーで仕切り直したときに、自分がリードすることで世界観に統一感が出るようになったと思うんですけど、そこにうまくはまったというか。

－その第一歩が「Aerial Memories」という曲？

Michal：そうですね。前作の『Akashic』は全員が作曲に関わっていたから、バラエティに富んでいて。この曲はその中の、ここ！っていう所を前に出せたかなと。

－「Aerial Memories」の曲作りはどういう風に進んだんですか？

Naoki：Michalがメロディを作って、Puzzyがバックをアレンジしました。

Izo：コンピで発表した曲だから、あまりガラッと変えすぎてもダメだし。自分が加入して初めての曲なので、自分っぽさも出そうと心がけました。

Michal：いままで足し算のシンフォニック・メタルだったけど、「Aerial Memories」はお互いに譲り合いながら、引き算したシンフォニック・メタルなので、それが新しい形かなと。曲のおいしい部分を打ち消し合うともったいないし、人間関係的に尊重し合えるようになったことも大きく影響してます。

－以前よりシンプルになってるし、そういう意味でも自分たちらしさがわかってきた？

Michal：日本のインディーズ・シーンでシンフォニック・メタルと名乗るバンドも増えてきていて、サブ・ジャンルの盛り上がりに嬉しくも思っているのですけども。海外のメジャーどころと比べると、予算だったり、バックのオーケストラの壮大さでは勝負できないと思うんですよ。ウチは、バンドのバックにフルオーケストラが控えてるわけじゃなく、最低限のストリングスやピアノ、クワイアが控えているようなイメージで。RHAPSODY OF FIREみたいな感じにはならないですね（笑）。室内管弦楽シンフォニック・メタルみたいな言葉を、過去に別のインタビューで答えたことがありますね。

Naoki：いままでは同期に頼っていた部分も大きくて。でも、古い考えかもしれないけど、自分たちはロッカーだと思ってるんですよ。シンフォニックやっていると、そういう感覚が薄れてくるので、改めてそこを強調したくて。それで今回シンプルになったと思うんですよ。さらにIzoが入って、ロックになったから。