MENU

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

INTERVIEW

DE LA TIERRA

2014.04.10UPDATE

2014年04月号掲載

DE LA TIERRA

Member:Andreas Kisser (Gt)

Interviewer:米沢 彰

-それぞれの音楽性からは想像しづらい面々が集まっていますが、このバンドがスタートした当初から今作の音楽性は明確に決まっていたのですか?

そうだね。とにかくヘヴィなものをやろうという考えだった。ドロップ・チューニングのギターなんかを使って、ダークながらもメロディのあるものをね。Andresは素晴らしいソング・ライターで、ヴォーカル用の凄いアイデアをいっぱい持ってきてくれた。アルバムの中でもいろんなタイプの声を使っているよ。4、5人くらい違うヤツがいるような感じ。俺もポルトガル語で歌っているし、Flavioも、Alexまで歌っている箇所があるんだ。Andresが歌うメロディは格別だね。スペシャル感を与えてくれていると思う。Flavioも全然メタルじゃないバンドの出身だけど、ハードコア、パンク、スカの影響が出ているね。あいつはメタル・ファンも大好きなSUICIDAL TENDENCIESやBAD BRAINSのファンなんだ。そういうのが俺たちの音楽にも大きく反映されていると思う。あと、ベースの弾き方が、ヘヴィな音楽としてはとても斬新で興味深いんだ。地域特有の弾き方というか、スラップを多用したり、両手を使って弾いたりして、メタルのベーシストなら普通やらないことをやっている。
俺たちは今も音楽性を模索中なんだと思う。みんなとてもオープンだから、いろんなアイデアを取り入れるのが好きだしね。ブエノスアイレスではそのアイデアをみんなでまとめたんだけど、すべてが自然な流れだった。お互い理解して、何ができるかをしっかり考えていった。そうしてできた作品なんだ。DE LA TIERRAは俺たち全員にとって新しいものになった。アルバムの出来にもとても満足しているし、2本作ったビデオ・クリップもね。早くもMETALLICAと一緒にツアーして、メキシコでは大規模なフェスティバルにも出た。最高のスタートを切っているよ。

-サウンドの方向性やライヴ・パフォーマンスも含めて個性の強い4人が集まりましたが、制作期間中にメンバー同士が衝突するようなことはなかったですか?

いや、まだだね。今のところ(笑)。

-「まだ」ですか(笑)。

ああ(笑)。全員にとってまだ新しいから、お互い一緒にいるだけでハッピーなんだ。いつもとは全く違う活動だから、とてもスペシャルに感じている。それに一緒にいるととても楽しいんだ。笑いが絶えないしね。これからもずっとそういう感じでいけるといいと思ってるよ。まあ、俺もSEPULTURAで長いことやっているから、バンドがどういうものか分かっているからね。DE LA TIERRAのメンバーは全員20年以上のキャリアがあるんだ。メンバー同士やレコード会社との衝突も経験しているから、それが役立っているのかも知れないな。

-バンド名にはどのような意図が込められているのですか?スペイン語ですよね。"地球の"みたいな意味でしたっけ。

惑星というよりも、土地とか国とかそっちの意味合いの方が強いね(注:スペイン語のtierraは地球と土地の両方を意味する)。南米、ラテン・アメリカ、メキシコ、アルゼンチン、ブラジルの文化的な伝統のことなんだ。地球というよりも、そうだな、土壌みたいな感じかな。俺たちの祖国、俺たちが受け継いできた文化だね。

-バンド名も含めて、歌詞も曲名も全編がスペイン語、ポルトガル語となっていますが、これは世界的にリリースするよりも、南米を1つとして捉えて南米全体に向けてリリースをしたかったという考えからなのでしょうか?

まあ、母国語で表現するのが1番自然だからね。それに、目新しいことでもあるんだ。俺はSEPULTURAでは基本的に英語で書いていたからね。ブラジルでやったソロ・プロジェクトではポルトガル語で曲作りをしたこともあるけど。母国語を使うことで、このバンドの他との違いが一層際立っていると思う。自分たちらしくいること、母国語で自分を表現することというのもポイントなんだ。英語でやっていたら、ただのありふれたバンドになってしまいかねない。そうじゃないってことを証明する手段でもあるんだ。自分のことを歌ったり表現したりするときは、母国語でやるのが1番自然な自分が出てくると思うしね。Alexが声をかけてくれたとき、とてもやり甲斐のあることだなと思った。それから、ラテンという枠を超えるというのも大きなチャレンジだと思う。今こうして日本と話しているのも素晴らしいことだ。ドイツ語で歌っているのに世界中でプレイしているRAMMSTEINみたいだよね。言葉の壁を越えて世界的な人気になっている。俺たちにもそういう可能性があるのは素晴らしいことだと思う。このバンドでスペイン語圏やポルトガル語圏のラテン諸国だけじゃなくて、ドイツやフランス、イギリスでフェスティバルに出られるかも知れないし、ひょっとしたら日本にも行けるかも知れないからね。そうなったら素晴らしいことだと思うよ。