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INTERVIEW

a Soulless Pain

2013.12.06UPDATE

2013年12月号掲載

a Soulless Pain

Member:Yonemura (Vo) Buffalow (Gt/Cho) hiro (Gt/Cho) Take (Ba/Vo) Kensaku (Dr/Cho)

Interviewer:篠崎 祐介

-福岡のIZP、東京のANGAGEMENTと開催したUNTITLED FEST CIRCUIT TOURの時に配布されたTrack.5「現想」ですが、奇しくも一緒に主催した2バンドがメンバー・チェンジ後のライヴでした。こういったタイミングは楽曲や歌詞に反映されていますか?

Y:いや、それより前ですね。

T:前のギターが辞めた時に書いた曲なんです。それが1番の動機なんですけど、同じタイミングでIZPの前任ヴォーカルのKentaが辞めたりとか、地元の友達が夢を追うのを止めたりして。UNTITLED FEST CIRCUIT TOURの時のIZPとANGAGEMENTの復活に対して書いた歌ではないんですけど、これからも離れていったり辞めていったり"別れ"は起きていくことだし、そういう意味で常に歌える歌かなとは思うんです。僕の心境としては、あの2バンドが活動休止になった時に、正直"またか"と思って。やっぱりこれからもあるんだなって思った時に、この歌は絶対やらないといけないなって思いました。

Y:この前大阪のONE LAST BREATHのドラムの脱退ライヴがあって、その日もどうしてもこの歌が歌いたくて、全員一致で「現想」はやりたいって。バンドやってても出会いと別れってすごい多いですけど、これからもそういう場面に出くわすだろうし、そういう時に重なる曲ですね。

h:曲名の「現想」っていうのは造語なんですけど、幻の方の"幻想"と現実の"現"と理想の"想"の3つを組み合わせたんですけど、僕が言ってみたら採用されたんです(笑)。現在の"現"に"想"と書いて"今を想う"というか、歌詞を見てたら今、現在進行形のことを思ってるっていうのが歌詞に現れてるのかなって思ったので、自分的にはナイス・ネーミングでした(笑)。

Y:a Soulless Painは訳すと"無常な痛み"なんですけど、逃れられない痛みってことでバンド名ともリンクしてるなと思います。

-Track.7「Daylight comes there」は2010年発売の1st EPに収録されていますね。他にも再録の曲がいくつかありますが、再録の曲で意識したことなどはありますか?

Y:ヴォーカルに関しては、ライヴで2年、3年やってる間で、変化してきたものをそのまま出した感じです。「Daylight comes there」に関してはEPと言い回しを変えてるところがあるんです。1番最後に"生と死の狭間で 今日を生きる先には?"って"?"が付いてたんです。"この先に何があるのか?"って絶望感があったんですけど、この歌を歌っていくなかで色んな人がこの歌を知ってくれて、サビを歌ってくれたり、笑顔で聴いたりしてくれるようになったんです。それはある意味絶望の歌を希望の歌にみんなで変えていったことだと思ってて。だから今回は"生と死の狭間で 今日を生きる先に"って言い切るようにしたんです。実は「果てぬ約束」が「Daylight comes there」の続編になっていて、歌詞も「Daylight comes there」から少し引用してるんです。「Daylight comes there」を歌って、ライヴハウスで出会った人たちやバンドの仲間との出会いと別れや時間の大切さを描いて、そういう仲間たちと約束したけど果たせないことのほうが多かった葛藤とか色んな気持ちを描ききったのが「果てぬ約束」なんです。この2曲は大切な曲ですね。

-音のクオリティも格段にあがりましたね。エンジニアのHiro氏(METAL SAFARI / STUDIO PRISONER)を起用した理由を教えてください。

B:INFECTIONやANGAGEMENTがHiroさんに録ってもらってて。僕らの前録った作品は、当時は思わなかったですけど、やっぱり全体像がぼやけてて見えなくて。でもHiroさんの録った音は聴いた時にすごいクリアだったし、あとあの人自身METAL SAFARIでギターを弾いてて、プレイヤー目線でしっかり考えてくれて、「果てぬ約束」をデモで録った時にすごくやりやすくて。で、アルバムもHiroさんにお願いしました。

Y:サウンド面ももちろん最高なんですけど、やっぱりHiroさんの人柄もあって任せたいなと思ったんです。本当に6人目のメンバーって言えるぐらい僕らのわがままを聞いてもらって(笑)。本当にHiroさんにお願いしてよかったです。

-Track.8「果てぬ約束」は疾走感のあるリフから、ビートダウン、後半の壮大なメロディ、歌詞、ライヴでの盛り上がりなど個人的にはa Suolless Painの代表曲かと思います。

Y:この曲ができあがった時に、仲間のバンドからは"これ以上何やるの?"って言われました(笑)。当時a Soulless Painに加入してなかったhiroからも言われました(笑)。

T:本当にこの曲は全てを繋げたかっただけなんです。ビートダウンとかポスト・ロックとか、どれかを選択しないといけないんじゃないか、みたいに考えた時期もあったんです。もっとポスト・ロックっぽく静かにやった方が伝わるんじゃないか?とか。そういう時だったからかもしれないですけど、とりあえず自分たちのできることを1回全てやってみたかったんです。"これ全部うまく繋げたら超かっこいいんじゃない!?"と思って繋げて。

Y:あの曲は7分あるんで、歌詞を書くのは本当にしんどかったです。どうしよう......と思いました(笑)。ただ頭のフレーズが出てきてからはサラサラと書けたんですけど。オケ自体にストーリーがあったんで、それに寄り添って書いたイメージです。

T:よく色んな人に"意図して作ったんでしょ?"って言われるんですけど、意図して作ろうとしたらうまくいかなくって、とりあえず必死で作ってたらこうなったっていうのが本音です(笑)。

B:いつも曲を作る時にぼんやりとしたテーマを決めるんですけど、「果てぬ約束」を作ったときにはあまりなくて。とりあえず自分の中で縛りを作ろうと思って、今まで好きだったメタルとかメタルコアをいったん卒業しようと思ったんです。シンプルにまとめあげるつもりだったんですけど、思いのほか盛り上がっちゃって(笑)。作り始めた時は"これは2分30秒だな!"と思っていたのに、気が付いたら7分超えちゃってて(笑)。でも自分でも手ごたえがある曲の時はそういうパターンが多いんです。

Y:まぁいつもどおり破壊と構築でしたね(笑)。

-Track.9「ユウキュウノヒカリ」は歌メロが頭のほうに来ていて、構成や歌詞などa Soulless Painにしては珍しい曲だなと感じました。

Y:これは曲自体も歌詞の前半部分もhiroが書いたんです。

-最初に出てくる印象的なメロディもそれ以降出てこなくて、どんどん展開していく構成はa Soulless Painっぽいですね。

h:僕がa Soulless Painに入る前にa Soulless Painを見て聴いた印象が、同じフレーズをあまり使わない、こんな一方通行なバンドいるんだなってことで(笑)。でもそれは見てた側としても、やってる側になってもそこが面白いというか。a Soulless Painに入って初めてできた曲がこの曲なんですけど、加入する前から感じていた"こういうことをやったら面白いんじゃないか"とか"俺がリーダーだったらここをもっとこうするな"という要素を全部つぎ込んで、今までやってこなかったであろうことをやってみたら面白いんじゃないかって遊び心を入れつつ、Yonemuraが歌うのも武器になるかなと思って作りました。楽曲的には3拍子で2ビートなのがa Soulless Painでやったらしっくりくるんじゃないかなと思って書き始めたんです。歌詞については前半部分を僕が書いてあとはYonemuraに丸投げしました。他の曲が世界観たっぷりで意外と手の届きそうにないところにある曲だなと僕は少し感じてたから、歌詞に"古い上着のポケット"とか誰でもスッと入ってくる日常的なことをもっと入れた歌にしようと思って。で、途中でこのまま自分で作るよりも、歌うのはYonemuraだからと思って、彼に投げました。

Y:当時hiroから"オチがつかないからお前が書け"って言われました(笑)。この「ユウキュウノヒカリ」と「Attitude」って曲は、アルバムを作るうえで重要なポイントだったなって今思います。他の曲は長くて内容的に重い曲が多いですけど、この2曲は今までの僕らの延長線上でありながら今までと違う面が出たことでフレッシュさがあるというか、アクセントになってると思います。

h:最後に合唱みたいに"ラララ"って歌う部分があるんですけど、そこが僕はこの曲の1番のポイントだと思ってて。a Soulless Painって歌詞を大事にしてるのに、ここだけ歌詞がなくて。逆に今までやってない新しいことをやってみたくて。で、パッと聴いた人がすぐにメロディを覚えられて、それをライヴハウスで見た時でも帰りに口ずさめるような、ちょっとパブリックな感じのところを狙ってはいます。ウルフルズの「そら」って曲がイメージにありました。

-"夕日"って感じですもんね。

Y:夕日っぽい部分の歌詞は僕が書いたんですけど、hiroが書いてきた歌詞にそれを感じて。"時間が経って失ったもの"ってイメージを感じたんです。自分の子供の頃に戻って、家路を急いでるようなイメージですね。けどその頃には戻れないので"色褪せて輝いたまま"って表現は自分でも満足いく表現ができたなって思いますね。