INTERVIEW
FUZZY CONTROL
2013.09.02UPDATE
2013年09月号掲載
Member:JUON (Vo/Gt) SATOKO (Dr/Cho) JOE (Ba/Cho)
Interviewer:山口 智男
-ああ、音楽以外でも。
JO:うん、ジャッキー・チェンを見てても感じますし(笑)。それと音がガンガン来る感じですね。
JU:脳ミソが揺れる感じでしょ(笑)?
JO:そう、脳ミソが揺れるぐらいの爆音(笑)。
S:ロックってただの言葉なんですけどね。でも、その言葉が自分の精神を支えてくれることがあるんですよ。人間だからいい時も悪い時もあって、そういう時にロックという言葉があると、いいところに立ち戻れるし、もっといいところに行けるんです。音楽って目に見えないお化けみたいなものじゃないですか。聴こえるけど、見えないし触れないし。そういうものを認識するために人間ってどうしても言葉が必要じゃないですか。たとえば、CDショップに行ってロック・コーナーがあると、安心するんですよね。絶対、ロックが聴けるんって。音楽のことをわかっているはずのプロのミュージシャンも音楽がわからなくなる時がある。私も毎日、ドラムを叩いているんだけど、ドラムのことが全然わからなくなる時がある。ロックってそんな時、自分を安心させたり、興奮させたりするきっかけになる言葉なんじゃないかな。
-JUONさんは?
JO:ロックの幅が広がりすぎて、何がロックなんだかわからないっておっしゃいましたけど、俺の中ではそもそもロックって幅広いものなんですよ。喜怒哀楽の感情を全部、ロックに変換して、そのためにいろいろな表現方法があるわけだし、ロックっていう大きなものを1曲ずつギュッと凝縮して伝えることにスリルも生まれると思う。だから、どんなふうに曲が転がっても対応できるし、これがこうなってしまったらロックじゃないってのはなくて、自分の中でブレたりしないんです。
-だから、今回のアルバムも『ROCKS』というタイトルではあるんですけど、いろいろな曲が入っているわけですね。
JU:そうですね。でも、こんなにバラエティに富まなかったのは初めてなんですけどね(笑)。
JO :改めて聴いてみると、3人とも全然違う考え方でバンドやってるんだね。
JU:もしかしたら、かぶらないように言い方を変えただけで、案外、同じようなことを考えてるのかもよ。
S:って言うか、何でもいいんじゃない(笑)? 同じじゃなくてもいいっていうのがロックなんだから。
JU:ホントだね。いろいろな解釈の中でロックを楽しめるってことだよね。
-10周年ってことで、バンドを始めた頃の気持ちに戻るみたいなことはありましたか?
S:いえ、全然振り返ってないですね。もちろん、10年できて良かったって思ってますけど、そんなことよりも今やりたいことがいっぱいあるんですよ。
JU:うん。ホント、今ですよね。ここに向かって歩いてきたんだなとしか考えられない。曲を作りはじめた時も、『ROCKS』のために作った曲じゃないのに、それがいつしか『ROCKS』の曲になっていった。無意識の中で『ROCKS』のために動いていた自分がいる。振り返るって言うよりも10年やってきたって事実がいい感じで自分たちの背中を押してくれたので、これからまた新しい音、俺たちなりにロックな音をこの世の中に刻んでみようって気持ちになりましたね。
-曲作りはどんなふうに進めていったんですか?
JU:今年の3月ぐらいかな、それぐらいから本格的に作っていったんですけど、最初、「What are u waiting for?」って曲はテープ・レコーダーとアコースティック・ギターを持っていって、桜の木の下で1人で弾きながら作ってたんですよ。あ、いい曲だなって思ったんですけど、もっとゆるい感じの曲で、タイトルも「桜の木の下でアコースティック」(笑)。でも、メロディはステキだし、包まれる感じがあって、その時は、まぁ使わないかなって思ってたんですけど、うちに帰って、ハードなリズムとともにデモを作ってみたら、これちょっといい感じになってきたぞってところもありつつ、大島(こうすけ)さんとakkinさんとの出会いをきっかけにまた曲作りの展開が少し変わっていきましたね。彼らってすごいんですよ。冷静に俺たちのことを見て、いいところを引き出してくれる。
-大島さんとakkinさんと言えば、それぞれMAN WITH A MISSION、ONE OK ROCKを手掛けたプロデューサーとして知られていますが、2人と出会ったきっかけは?
JO:レーベルからの提案です。
S:最初は7人ぐらい推薦してもらったんです。
-7人の中から2人を選んだ理由は?
S:大島さんは鍵盤が弾けるんですよ。うちらは叩く人と弦の人しかいないんで、鍵盤弾ける人がいたらいいじゃんって(笑)。「ROCKS」って1曲目のインスト・ナンバーでも弾きまくってもらいました。そういうロックな人なんです。ギター、ベース、ドラムっていう観点じゃないところからアイディアをもらえましたし。
JU:キーボードが入ったわけじゃないんだけど、オーケストレーション的な考えかたら俺達のサウンドを客観的に見て、ダイナミックに変えてくれるんじゃないかってところからですね。akkinさんはギタリストってこともあって、俺たちがこれからやっていこうってサウンドを作ってくれるんじゃないかって。
S:ロックって言葉に一緒に近づいていくって感じでしたね。