INTERVIEW
Vibedred
2013.04.09UPDATE
2013年04月号掲載
Member:渡辺“Joe”譲 (Vo/Gt) 多田“TD”隆紀 (Ba)
Interviewer:山本 真由
−激ロック初登場ということで、まずはバンドの紹介をお願いします。
Joe:京都で活動してます、Vibedredです。
TD:京都を中心に活動しているロック・バンド、Vibedredです。
−バンド名のVibedredっていうのは造語ですよね?どんな意味があるんですか?
Joe:元々、SUBLIMEなどの西海岸ミュージックに影響を受けた音楽をやっていて、バンド名でもその雰囲気を出そうということから、“vibes”と“dread”を組み合わせ、dreadだとストレートすぎるし、vibesの効いたred(紅い球)のようなイメージで“vibedred”という造語になりました。
TD:結成当初はレゲエとパンク、ロック等をミックスさせたサウンドだったので、そのレゲエっぽさを感じてもらえる名前を意識して作りました。今思えば安易さに赤面しますが(笑)。
−ニュー・アルバム『Ark』のリリース、おめでとうございます。Vibedredにとって3枚目のフル・アルバムとなる本作ですが、出来上がった感想はいかがですか?
Joe:制作までに色々苦労したので、すごく思い入れのある1枚になりました。音源なしの状態から1stを作った過程に似ていて、現メンバー体制での初期衝動的作品です。
TD:まずは単純に安心しました。『Endeavor』リリース後のバンド史上初めてのメンバー・チェンジや、プライベートでも様々な苦難を経験し、なんとかバンドを止めないでいこうということに必死だった時期もあったので、こうやって1つの作品を無事完成させることが出来て、ようやく“新たなVibedredとして歩き出せるな”という気持ちです。
−2ndフル・アルバム『Endeavor』のリリースからは4年以上経っているので、メンバー・チェンジもあり、バンドを取り巻く環境なども変化しているかと思いますが、アルバム制作にあたっては特にどんな変化を感じましたか?
Joe:メンバーが抜けてから最初の1年はサポートでギターに入ってもらっていました。10年近くずっと初期の4人でやっていたから、違うメンバーとのスタジオがとても新鮮だったことを覚えています。これまで内部でなあなあになっていたことに気付かされ、音もライヴのスタンスも、様々な改善の余地が見えました。だから再出発の不安感はほとんどなく、期待と希望をもって新たなスタートをきれたように思います。メンバーが固まってからも、ありがたいことに大勢の前でライヴする機会が多く、ライヴのスタンスも次第に“お客さんをのせるためにどうするか?どんな仕掛けが必要か?”を考えるようになり、それが曲の制作にも繋がっていったように思います。
TD:メンバー・チェンジがあるまではかなり長い間同じメンバーで活動してきたので、良くも悪くも様々なことがルーティン・ワーク化してしまっていました。“これはアイツがやる。これはもうどうしようもないや。”みたいな。でも初めて新しいメンバーが入ったことによって、メンバー間のコミュニケーションの取り方が丁寧になり、今まで出なかった意見交換やアイディア等がバンド内や個人間でやり取りされるようになりました。音楽性のバックグラウンドが増えたことと相まって、引き出しがタンス4つ分ぐらい増えた感じですね(笑)。
−今回は、1stアルバム収録の「Broken Eyes」のような、わかりやすくSUBLIMEとか好きなんだろうなぁっていう雰囲気の曲はあまりないですよね。どちらかと言えば、ジャパニーズ・オルタナティヴ・ロックの影響を感じさせる楽曲が多いというか。バンドの方向性やサウンドの趣向にも変化があったということでしょうか?
Joe:SUBLIMEが自分の聴く音楽の偏りをとっぱらってくれました。だから、もっといわゆるSUBLIME的な音楽も消化して、自分たちの音を作りたいってのはあったんです。SUBLIMEが自分の世界を広げてくれたようにVibedredの音楽がそうであってほしいというのもあります。個人的にいえば邦楽を聴く割合が増えました。SUBLIMEに出会った時期も、並行して日本のDUB POP的な、例えば、Polaris、FISHMANSをたくさん聴きました。洋楽もUSばかりだったのがUKをよく聴くようになり。しだいに日本のロックも自然と耳に入ってくるようになって、日本語で歌うことの意味もよりわかってきました。
TD:結成当初はとにかく“SUBLIMEや3.6MILK等が好きっ!!”って情熱で突っ走ってました。でも、曲を作っていく上でどうしても創造力を“レゲエ・パンク”という枠組みに押さえ込めなくなってしまって。もともとメンバーそれぞれが違う音楽的バックグラウンドを持ち、さらに個人レベルでも幅広く色んな音楽を聴いてきたので。作曲のスキルもアップしていくのを感じる中で、“じゃあ自分たちの可能性をわざわざ縛り付ける必用はないな”って決めて開き直りました。もちろんレゲエの要素を敢えて排除してるつもりもないので、その時々、自分たちに必用な音を丁寧に積み上げて行くつもりです。