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INTERVIEW

ANNISOKAY

2013.03.05UPDATE

2013年03月号掲載

ANNISOKAY

Member:Christoph Wieczorek (Vo/Gt)

Interviewer:出口 勇迅

-Christophはヴォーカルとして活躍する一方でプロデューサーとしても活躍していますね。バンドマン、プロデューサーの両面からシーンに携わっていますが、今のポスト・ハードコア、メタルコア・シーンをどのように感じていますか?

プロデューサーとしてバンドと関わっていく中で、今と言う時代がロック・バンドにとってとても厳しい時代だと認識している。ここ数年でインターネットの普及によって音楽シーンが劇的に変化した。どこにいても簡単に、世界中のバンドを聴ける環境が整った。それ自体は素晴らしいことだと思うけど、その反面、ユーザーにとってはリーチできる音楽が増えすぎてしまったんだ。ミュージシャンが簡単に音源を発表できるようになったし、みんなそうしてるからね。ミュージシャンはファンベースを築き上げるのに相当な努力だけではなく、さらに運にも味方されなきゃいけないようになった。そんな中で、俺が思う1番大切な事は、自分たちだけの音を見つけ作り出すこと。本当に多くのバンドが、ただ有名なバンドのコピーをすることに必死になっているように感じるけど、オーディエンスはそんなものは聴きたくないんじゃないかな。

-また、バンドマン、プロデューサーの両面の経験を活かし、この作品を仕上げる上で1番意識したこと、重要だと考えたことは何でしょうか?

自分のスタジオで自分の曲を書くのに没頭して、出てきたアイデアをすぐに録音できる環境があるというのは本当に最高だよ。そういうやり方が出来ると曲作りの初期段階から、録音された曲を聴いた時の感覚や感想に気づけるんだ。スタジオを借りるのはすごくお金がかかるから、ほとんどのバンドはそんなことはできないし、プロデューサーとアイデアを話し合える時間もすごく限られている。そういう面ではすごく俺たちは恵まれていたと思う。丸々1年費やしてレコーディングやミックスをして、どんなエフェクトを使ったら1番効果的か、なんてことも話し合う時間が十分にあったしね。逆に1番大変だったのは、どこが完成なのか判断する事だったね。いくらでもやろうと思えばやれる環境だったから、その判断が1番重要だったんじゃないかな。

-今作のマスタリングには、THE DEVIL WEARS PRAD、ASKING ALEXANDRIA、OF MICE & MENらを手掛けるJoey Sturgisを迎えていますが、彼はどのような形で『The Lucid Dream[er]』に貢献してくれたと思いますか?

今作をJoey Sturgisがマスタリングしてくれたのは、俺たちにとってすごく大きな出来事だった。彼はこのシーンでは唯一無二の存在と言えるだろうし、すごく人気のあるバンドばかりを手掛けているからね。彼がやってくれるって決まったときは本当に嬉しかったし、楽しみで仕方なかったよ。期待通り俺たちの作品を一段階上の仕上がりにしてくれたと思うし。彼はとても音楽に対して神経質だし、完璧主義者なんだけど、そんな彼が俺たちの音楽を大好きだって言ってくれたのは自信にもなったね。

-Lady Gagaの「Telephone」のカヴァーがYouTubeでも再生回数を伸ばし、大反響を受けていますが、なぜLady Gagaをカヴァーしようと思ったのですか?

俺たちがカヴァーをやろうと思い立った時期に、1番流行っていたのがLady Gagaで、いい曲を歌っているアーティストだと思っていたんだけど、ちょうどその時期に出たシングルが「Telephone」で、バンドでやってみようという話になった。そしたらかなりいい感触だったから、そのままやってみただけで、それ以外の特別な理由は特にないね。ただ、その時期にたまたまその曲が出てきたって感じかな。

-“ANNISOKAY”というバンド名に込められた意味を教えていただけますか?

実はMichael Jacksonに由来してるんだ。彼は本当に天才だと思うし、彼の残した楽曲たちは伝説と呼んでも差し支えないだろう。もうみんなも分かってるかもしれないけど、俺たちのバンド名はあの有名な“Smooth Criminal”に対するアンサーなんだよ。曲の中で、“Annie are you Ok?”って歌っているだろ?それに対して俺たちは、yes!Ann is okayって言うアイデアが気に入ったんだ。

-アルバム・タイトルになっている“The Lucid Dream[er] ”とは直訳すると“明確な夢を持つ者”という意味になると思うのですが、タイトルに込められた意味を教えて頂けますか?

俺たちはダークで、ちょっと翳りがあるような素晴らしいメロディを書くことができたから、それに合うホラー映画のような歌詞を書きたいと思ったのが始まりさ。“VANILLA SKY”とか“inception”を見て思いついたんだけど、夢が悪夢に変わる時、それは誰の責任なのか、本当に夢なのか、わからなくなる。そんな恐ろしいとも言える感覚が、俺たちの作品のテーマの1つなんだ。例えば、「Firewalk」のサビでこんなことを歌ってる:“I tried to tell myself what to dream, what to forget. And now I try wake up cause all hell is let loose”.何の夢を見るか、何を忘れるか自分で決めようとした。今は起きようと必死になってる。地獄のような出来事が、迫って来るから。