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INTERVIEW

CRASH

2012.06.13UPDATE

2012年06月号掲載

CRASH

Member:Ahn Heung Chan (Vo&Ba)

Interviewer:ムラオカ

-非常にストレートなスラッシュ・メタルでありながら、モダンなエッセンスも感じさせますね。あなた方自身どういったサウンドをこのアルバムを作る上で求めていましたか?

そうだな。そういう意図は特になかったかもしれない。俺たちが最初に決めていたのは聴きやすくて、理解しやすい、且つグルーヴィなアルバムを作るってことだな。音作りについては、できるだけデジタル・エフェクトを使わないような形で色々試してみたんだ。スラッシュ・メタルのサウンドは良いアンプとシンプルなディストーションで作られるべきだと考えてるからね。それにシンプルにすればステージでの音の再現もしやすくなる。

-自分たちの求めるサウンドは体現できましたか?

そうだね。結果、満足のいくものになったよ。音作りは常に大変な作業でね。例えば、ある日凄くいい音だと思っても後日そう感じなかったりする。それが大きな問題になる。このアルバムでは自分たちでどうやってトーンを作るか見つけて自分たちのサウンドを上手く作ることができたと思う。グルーヴも出すことができたと思うし。俺は新しいメタルも聴くけど、やっぱり昔ながらのスラッシュ・メタルが大好きなんだ。だから今後もより完成度の高いスラッシュ・メタルを追及して行こうと思う。

-韓国の音楽シーンというと、日本では少女時代やKARAなどが人気を博していますが、実際に現地で感じる韓国の音楽シーンとなどのようなものなのでしょうか?

K-POPのシーンは今韓国内でも強大で、それが周りの国まで及んでいるという感じなんだ。シンガポール、香港、台湾でも注目されているようだ。でもK-POPだけが韓国にある音楽の形じゃないんだよね。色んなジャンルのバンドやアーティストがいるんだ。多様性はあるんだよ。でもメディアのスポットライトを浴びているのはK-POPだけ。韓国市場はいろんな意味で偏狭で、K-POP以外は活躍できないようにできてるんだよね。K-POP以外の音楽は“マイナー”もしくは“アウトサイダー”、“メインストリーム外”なものとされてしまう悲しい現実がある。この状況は暫く変わりそうにないよ。

-またメタルに限って言うといかがでしょうか?

韓国のメタル・シーンは史上最悪だね。俺たちみたいなバンドはテレビに出て馬鹿なことでもやって注目を集めたりしない限り存在しないと同じ扱いになるよ。80年代後半から90年代半ばに掛けてはヘヴィ・メタルはクールなものっていうことになっていて、みんなロック・スターに憧れたんだけどね。少なくとも各高校や大学に10個くらいスクール・バンドが居て、LOUDNESSの「Like Hell」とか、MOTLEY CRUEの「Home Sweet Home」とかMETALLICAの「Master Of Puppets」なんかをコピーしたもんだ。俺たちの1stアルバム『Endless Supply Of Pain』も13万枚くらい売れたんだ。凄いよね。今じゃメタル・バンドは今日を生きるのも大変な状態だよ。俺が知ってるメタル・バンドのメンバーはみんな音楽を続けるために2つも3つも仕事を掛け持ちしてる。それに、スポンサーがついて、且つ集客が300人以上あるバンドが3つ集まらないとライヴもできないんだ。そしてその状態でやっとライヴをやったとしても損が出る。その繰り返しだ。今後この状況が変わって、ヘヴィ・メタル・バンドがライヴをやって音楽が作れるようになることを望むよ。そうすれば韓国にも良いメタル・バンドが増えるはずなんだ。

-韓国ではコンサートやライヴにお金を払う習慣がなく、ライヴを行うには大物アーティストでも苦労すると聞くのですが、あなたがたは地元では苦労せずライヴを行うことができていますでしょうか?

悲しいけど本当にそうなんだ。これは文化的なものなんだろうと思うんだけど、どうやらライヴに行って直接見聴きして体感するのと、後になって家でYouTubeで映像を見聴きすることの間に大きな違いを感じないようなんだ。韓国市場っていうのは、こんな風に特殊なんだ。ブログとかインターネット・カフェではファンがたくさん集まっているのに、ライブとなると誰も来ないんだよね……。バンドのファンであってもライヴには行かないっていう人が凄く多い。どんなジャンルの音楽でもこの状態なんだけど、ロックとかメタルの場合更に酷くなる。METTALICAですら1万枚のチケットを売るのに凄く苦労するんだから。チケット代が高すぎるっていうのも問題だと思う。韓国、特にソウルは物価が高くてライヴに行ったりCDを買ったりする余裕がないっていうのもあると思う。チケットが高くなることで一番腹立たしい原因は地元のイベンター同士の不必要な価格競争によるものなんだよね。

-韓国から見た日本の音楽シーンとはどのようなものでしょうか?

日本の音楽シーンは韓国のものと色んな意味で違うよね。最も重要なのは現在でもファンがバンドやアーティストをサポートしているというところだと思う。コンサートにも行くし、CDやグッズを買うよね。最近はそれでもなかなか難しい状況だとは聞いているけど、それでも韓国に比べたらはるかに良いと思う。それに日本では多様なジャンルのアーティストが活躍しているよね。それぞれのマーケットの大小はあれど、それぞれが自分たちの活躍の場を持ってる。リスナーがそのジャンルの音楽を聴きたいと思ったら、それを聴く場所、買う場所があるんだ。韓国の音楽シーンもぜひそんな風になってほしいと思う。各ジャンルのミュージシャンのためにもね。