INTERVIEW
CRASH
2012.06.13UPDATE
2012年06月号掲載
Member:Ahn Heung Chan (Vo&Ba)
Interviewer:ムラオカ
-アルバム『The Paragon Of Animals』リリースおめでとうございます。本国ではすでに大分前にリリースされているものだと思いますが、評判はいかがでしょうか?
ありがとう!このアルバムの本国での発売は2010年だったんだけど、前作の『The Massive Crush』から7年も経っていたから、俺たちもどういう反応になるか全く想像がつかない状態だったんだ。それにこちらのヘヴィ・メタル・シーンは非常に困難な状況にあって、それも不安要素ではあったんだよね。とにかく良い曲を書いて制作を楽しもうと思った。そうすればファンにも喜んでもらえると思ったんだ。でも発売後の反応は期待以上で、過去に離れていったファンを取り戻したばかりか、新しいファンも獲得できてクールな結果になったんだよね。
-また日本でのリリースは久々ですよね?日本でリリースされることへの感想を教えてください。
韓国で発売してすぐに日本でも発売したかったんだけど、なかなか日本国内の良いパートナーに恵まれなかったんだ。でも最終的に日本の発売が決まって本当に嬉しく思う。俺たちの作品を日本で発売してくれることになったハウリングブルには感謝してるんだ。日本の音楽市場はしっかりしているから憧れるし、羨ましく思う。日本で発売できるっていうことは俺たちにとっては重要なことだし、バンドとしての競争力がついたってことになると思う。
-今作のタイトル『The Paragon Of Animals』にはどういった意味があるのでしょうか?
『The Paragon Of Animals (動物の中の模範)』は俺たち人間を指してる。以前読んだ本に書いてあったことで、それを思い出してタイトルにしたんだ。人類は哺乳類のヒエラルキーのトップに居るっていう意味で。CRASHもいつか世界のメタルの中でヒエラルキーのトップ・クラスに入りたいっていう意味も込めているんだ。
-このアルバムはどのくらいの制作期間でしょうか?またいつ頃から制作に取り掛かったのでしょうか?
正確には覚えていないんだけど、曲のアイディアは常にパソコンの中に保存して持って周ってるんだ。多分2006年くらいから実際にリフの作曲とかを始めたと思う。でもプリプロを始めたのは2009年になってからだね。完成したのは2010年の6月だよ。
-アルバム・ジャケットのイラストはどなたが書いたものでしょうか?
彼は芸術系の大学の学生で、CRASHのファンの子なんだ。俺たちは彼を個人的に知ってたんだけど、彼の作品はたくさんエントリーされた中から選ばれたんだ。アルバムの制作中にコンペティションをやってね。彼のイラストが秀逸だったし、コミックみたいなテイストが気に入ったんだ。
-またどういったコンセプトのものでしょうか?
スーツを着た男は俺たち“人間=The Paragon of Animals”を象徴してる。そしてその周りにあるトライバル模様は痛みや苦しみの感情を表現している。俺たちの生きている複雑で競争に満ちた世界で生き残るという使命を負ってね。生き残って『The Paragon Of Animals』にならないといけないんだ。
-アルバムを制作した場所やスタジオを教えてください。
まず最初に、レコーディングをするのにあまり時間を制限されたくないって思って、ソウル市内のカンナンにある自分たちのリハーサル・スタジオで録ることにしたんだ。リハーサル・スタジオの中に機材を全てセットアップしてレコーディングをするのは大変だったし、随分時間も掛かったけど、自分たちの好きなペースで急かされることなく作業できたのは良かったよ。レコーディングとミキシングは自分たちでやったけど、マスタリングはアメリカのニューヨークにあるスターリング・スタジオでテッド・ジェンソンにお願いした。
-プロデューサーはどなたでしょうか?
このアルバムはセルフ・プロデュースなんだ。2枚目のセルフ・プロデュース・アルバムになったね。今までに他のメタル・バンドのプロデュースを手伝ったりもしたから、その経験も生かせたよ。自分たちでやるのは大変だけど楽しいんだ。
-収録曲の歌詞の内容や楽曲制作に関して解説をお願いします。
このアルバムに収録されている曲の歌詞は主に、この世界で“何か”になろうとしている人たちの苦悩に関するものなんだ。この世は住みにくく、成功よりも失敗の方が多い。だから生きることの大変さがテーマなんだよね。でも大事なことはお互いの邪魔をしないこと。そんな社会で上手くやっていくことなんだ。だからせめて常にどんな人にでも同じように競争の権利がないといけないよね。
例えば、このアルバムの代表曲である「Crashday」は俺たちにとって完全なスラッシュ・メタル・アンセムだ。この曲は“どんどん出て行って自分がほしい物、自分に必要なものを獲得しろ”っていう内容の曲なんだ。「Cold Blooded」は壁にぶち当たって諦めたり降伏したりしないといけない状況になる悲しさについての曲。「Creeping I am」は成功するために求めるものを追い続け、戦い続けることを歌ったものだ。