INTERVIEW
ELUVEITIE
2012.02.09UPDATE
2012年02月号掲載
Member:Merlin Sutter (Dr)
Interviewer:ムラオカ Translator : Yuga
はじめまして。4枚目のフル・アルバム『Helvetios』完成おめでとうございます。完成した今の気持ちを教えてください。
ありがとう!素晴らしい気分だよ。ちょうど数日前からHelvetios World Tourがブラジルから始まったところなんだけど、やっぱりツアー生活はいいね!特に今回みたいにすごく自信のあるアルバムの時なんかは最高だよ。
今作はコンセプト・アルバムになっていますね。どのような内容のストーリーなのか詳しく教えてもらえますか?また“Helvetios”というタイトルの意味を教えてください。
『Helvetios』は紀元前78年〜50年のガリア戦争の話なんだ。ゲルマン系スエビ族とシーザー下のローマ人との間の圧政に苦しんだヘルベティア族(当時のスイス人)が脱走を試み、アレシアの地で血みどろの戦いの中、敗れてしまったんだ。そしてそれらの歴史的事件の記録で一番重要なものが、シーザーの書いた『ガリア戦記』に当たるんだけど、それは戦いの勝者が残した記述として知られている。彼の自分を良く見せたいという欲求から、それらの記述の大部分の信憑性が疑われているんだ。だから俺たちは、ヘルベティア族側の視点からこのストーリーを伝えようとしているんだ。
QUEENSRYCHEの『Operation:Mindcrime』や、最近ですとNIGHTWISHの『Imaginaerum』など無数のコンセプト・アルバムがリリースされていますが、あなたがたが素晴らしいと評価している作品を教えてください。
僕の個人的なお気に入りはDREAM THEATERの『Scenes From A Memory』かな。一番好きなアルバムのひとつだよ。僕をプロフェッショナルに音楽をやろうという気持ちにさせたんだ。
前作『Everything Remains』は世界的に有名なColin Richardsonをプロデュースに迎えていましたが、今作はどなたがプロデュースに携わったのでしょうか?
前作で色々やってくれたTommy Vetterliが、プロデュースやミキシングを担当してくれたよ。しかもその選択は大正解だったよ!Tommyはとんでもなく素晴らしい耳を持っているし、彼との仕事は本当に完璧だったよ。これからもコラボレーションし続けられると嬉しいよ!
今作の制作において初めてチャレンジした試みがありましたら教えてください。
新しいチャレンジはある意味あったと言えるね。俺たちはアルバムごとにいつも音楽面で、またスタイル面でさえ、大きなステップを踏んで来たんだ。だから今回もそのハードルを少し上げて、ミュージシャンにとってももっと満足できるような曲を書いたんだ。それに俺たちのサウンドに忠実でありながら、新たな影響も取り入れたよ。
あなたがたELUVEITIEは本国やドイツのチャートでは作品をリリースする度に順位が上がってきていますね?かなり順調にステップアップしているのではないでしょうか?また順調に成長してきていることで、今作でさらに結果を出さなければとプレッシャーになることはありませんでしたか?
特にそんなことはないな、うん、ないね。リリースするごとにレベルアップするという自信があるからね。それにそれは前もってわざわざ心配するようなことじゃないよ。
他のヴァイキング・メタル・バンドの多くがコミカルであったり伝統的なメタル・サウンドだったりしますが、あなたがたはIN FLAMESなどイエテボリ・サウンドにも通じる非常にモダンなエクストリーム・メタルの要素を感じます。一部では“NEW WAVE OF FOLK METAL”とも呼ばれているようですが、あなたがた自身では自分たちの音楽性をどう表現しますか?
君がその違いを聴き分けてくれて嬉しいよ。それに“NEW WAVE OF FOLK METAL”と呼ばれることは全然構わないな。俺たちの音楽は伝統的なケルト・フォークやモダンなデス・メタルの両方からいつもインスパイアされてきたんだ。でも俺たちは無宗教者ではないし、伝統的なメロディをモダンな楽器で真似しようとしているわけでもない。だから他の種類のフォーク音楽や無宗教主義バンドにインスパイアされたりはしていないんだ。フォーク・メタル・シーンに属して満足している反面、自分たちだけのサウンドを作り出そうともしているんだよ。
『Evocation I: The Arcane Dominion』ではフォークの要素が増幅し、メタルの要素が減退、前作『Everything Remains (As It Never Was)』では逆にフォーク色が減退しメタルの要素が復活と、過去2作でここまで対照的な作品になったのはなぜでしょうか?
『Evocation I』では俺たちは何か新しいことをしたいと思っていて、俺たちが多才だってことやフォーク・ミュージックが俺たちにとってどれだけ大事かということを伝えられたらいいなと思っていたんだ。そして『Everything Remains』がもっとラフなサウンドになったのはすごくナチュラルなことだと思うな、だって俺たちはちゃんとしたノイズを作ることも同じくらい大好きだからね!