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INTERVIEW

WORLD UNDER BLOOD

2011.09.05UPDATE

2011年09月号掲載

WORLD UNDER BLOOD

Member:Deron Miller (Vo&Gt)

Interviewer:道明 利友  Translator : Yuga

-WORLD UNDER BLOODとしての初作品リリースおめでとうございます!日本でのリリースも控えた今の気分はいかがですか?作品への手応えなどを含めて、現在の心境を聴かせて下さい。

このアルバムが完成して、日本や世界でリリースされることが本当に嬉しいよ。オレはこのアルバムをとても誇りに思っているし、もう既にどうやってこれ以上のものを作ろうか心配し始めているよ(笑)!

-その今作は、アグレッシヴ、かつピード感がありながら、ヴォーカルやギターなどで奏でるメロディが印象的にインサートしてくるのも興味深かったです。このバンドの音楽的なスタイルをあらためて読者に伝えるとしたら、どんな言葉で表現していただけますか?

多かれ少なかれ、この音楽はオレがメタルの曲を書くときにこうなるっていうだけだと思う。オレが一番得意な分野の音楽だからね。『Tactical』は革命的な音楽では全くないけれど、僕のメタルに対する思いや考え方はよく分かるアルバムだと思うよ。

-このバンドとして取材させていただくのは初めてですので、これまでの経歴をうかがわせて下さい。メンバーの皆さんはどんなきっかけで知り合い、このバンドを組み活動をスタートさせることになったのでしょう?

Tim Yeungとオレが最初にバンドを始めたんだ。彼がRisha(Risha Eryavac)をベーシストにしたらいいんじゃないかと提案した。そしてロサンゼルスまでDECREPIT BIRTHとプレイしてる彼を観に行って、そのままバンドに引き込んだんだよ。Luke Jaeger(Gt)はYoutubeでのオーディションだったよ、彼は知らなかったけどね。彼は本当に素晴らしかったから速攻連絡を取ったんだ。彼はすぐにバンドに入って、このアルバムに参加したんだ。

-プロフィール上には、2006年にDeronとTimの2人が全ての楽器を演奏してレコーディングした「God Among The Waste」、「Dead And Still In Pain」の2曲をMyspace 上にアップしバンドがスタートしたとあります。その当時から、カヴァー・バンドなどではなくパーマネントに活動していくバンドとして捉えていたのですか?

WORLD UNDER BLOODがどんな存在になるか、オレにもまだ分からないんだ。もちろんメイン・プロジェクトとして活動できるくらいになったら本当に嬉しいけど、それは世界がオレたちをどう見てくれるかにかかってるよね。オレたちを好きだといってくれる人がたくさんいる場所に行ってライヴをするだけだよ。

-バンド名をWORLD UNDER BLOODとしたのはどなたのアイデアだったのでしょう? また、その由来は?

オレが名付けたんだけど、みんな気に入ってくれたんだ。バンド名をつけることなんて大したことじゃないんだよ。みんなが覚えやすいように頭文字をとって形に出来れば、それだけでいいんだ。大事なことはそれだけだよ。

-そして、今回の記念すべき初作品に『Tactical』というタイトルにはどんな意味が込められているのでしょうか?

Tacticalという言葉がすごく好きなんだ。"攻撃の方法"という意味なんだけど、このアルバムをとてもよく表していると思うよ。

-ここからは、アルバムの中からいくつか曲をピック・アップして、楽曲解説的に言葉をいただけたら幸いです。1曲目の「A God Among The Waste」はスピード感のあるアグレッシヴなサウンドの中に、エンディングでは繊細なメロディが奏でられ、すごく聴き応えがありました。このアルバムのオープニング・ナンバーはどのように作られたのでしょうか。

この曲は、ある私心のない政治家の見え方について歌っているんだ。この曲のリフは、オレの家にある"ジャンク・ルーム"で、古いマルチ・トラック・レコーダーを使って書いた。僕とTimで1時間程度で書き上げたよ。ヴォーカルのメロディはスタジオでその場で作ったんだ、リハーサルなしでね。そして何度も何度も重ねていって、結果的に出来上がったのは、良くも悪くもオレの心がなし得る作品だったよ。

-「Pyro-Compulsive」は、疾走感のあるパートからミドル・テンポで重量感のあるサウンドへ、そして再び加速しながらギター・ソロも加えたりする多彩な展開力が凄いと思います。

そうだね、この曲のLukeのギター・ソロはすごく良いよ。僕は精神疾患について書くことが好きなんだけど、この曲もそのひとつ。これは、自分や周りの人に火をつけることに取り憑かれた人のことについての曲なんだ。この曲のリフは、今までオレたちのしたレコーディングから持ってきて繋ぎ合わせたものなんだけど、このコーラス・リフはとんでもなく演奏が難しいリフのひとつだよ。それでもキャッチーさは残っているけれどね。

-「Dead And Still In Pain」は、サウンドは攻撃的、そして激しいシャウトも見せながら、Deronさんが歌い上げているメロディがとても印象的に響きます。

この曲は憂鬱な気持ちを吹き飛ばすんだ。時に鬱はとても力強く重荷になって、自分自身が内側では死んでいるんではないかという気持ちにさせる。それでも精神的、あるいは身体的な苦痛を感じてしまう。オレはそんな気持ちになったことが何度もあるし、ずっとそれと戦ってきたんだ。キッズのみんなはこの曲にすごく執着するんだ。それは、この曲の意味をよく理解して、自分自身の体験に関連づけているからだよ。これはエンジニアのLogan Maderと共にカリフォルニアのBurbankで最初に録音した曲なんだ。

-また、この「Dead And Still In Pain」のように、あくまでも激しさは失わない上で、メロディを要所でしっかりと聴かせるスタイルは皆さんの音楽の特徴のひとつではないかと思います。「Under The Autumn Low」も、激しいスクリームに一瞬寄り添うハーモニーが印象的に響きます。皆さん自身は、ただ激しいだけでなくメロディをしっかりと聴かせることにはこだわりがあるのでしょうか?

面白いことに、オレがアルバムの後半のヴォーカルをやりにいった時、レーベル側に"お願いだからメロディックなヴォーカルは最低限に控えてくれ"って言われたのさ。言われなくてもどっちにしろそうするつもりだったけどね。このアルバムの深みに達すれば達するほど、オレはより激しい怒りを覚えた。だからほとんどの曲でオレのヴォーカルは怒りに満ちあふれているんだ、オレの喉が壊れてしまうくらいまでね。でもオレは続けたよ。だからこのアルバムには様々な声質のパートが含まれていると思う。一部では力強い声だったり、もう一方で喉を潰してしまっていたり。それでもとても良い出来だったから、オレたちはやり続けることにしたけれどね。