INTERVIEW
HATEBREED
2011.01.11UPDATE
Member:Jamey Jasta(Vo)
Interviewer:ムラオカ
-まだ次のアルバムは固まっている状況ではないと。
曲とか楽曲とか歌詞もできつつあるんだけど、ただいまひとつテーマが絞り込めていないんだ。前作の『Hatebreed』とは、違うテーマにしたいと思ってるんだ。前作は、テーマは一つじゃなくて、例えばすごくアンセム的な曲があって、ポジティヴなメッセージが込められた曲があれば、カルマを歌ったものもあれば、世界情勢、世界の破壊の問題について、歌ったものもあったんだけど、次のアルバムでは、自分が見た世界で起こってる不条理、俺が不満に思っていること、そこに焦点を当てたいと思っている。
-政治色の強いアルバムになると思いますか?
それは分からないな。以前は俺は政治に対する知識がなかったから、あまりそこまで掘り下げられなかったんだけど、特にアメリカでの話しなんだが、最近は家を失ったり、職を失ったり、学校での教科が減ったりとか、ドラッグ・カウンセラーが充実してないとか、いろんな問題があるっていうのが、目で見てわかるんだ。だから、そういったことを歌詞に取り入れて、そこからポジティヴなものが生まれて欲しいという願いを込めたアルバムを作りたいと思っている。
-少し前の話になりますが、目下の最新作『Hatebreed』リリース前にバンド結成当初のオリジナル・ギタリストでもあるWayne Lozinakが14年ぶりに再加入しましたが、彼はどういった経緯で再加入することになったのでしょうか?
まず前任者のSean Martinがバンドを辞めるってことが分かった段階で、新しいメンバーを入れなきゃいけないってことは分かってたんだ。どこか他の有名なバンドから引き抜くか、誰かとりあえず試しでやってみるかとかいろいろ考えたんだけど、いずれにしろ、それではアルバム・リリースも延期になるだろうし、それに伴うツアーも自ずとずれ込んで延期になってしまう。それだったら、全く始めてのヤツをいれるのではなく、オリジナル・メンバーを入れれば、昔の曲も知ってるしバンドのこともちゃんと分かってるしね。しかも実は彼はその時ギター・テクをやってたんだよね。Sean自身も、だったらWayneにやってもらったらと言ってきたんで、わりと自然な流れで彼の加入が決まったよ。
-また14年ぶりに一緒にやってみてバンドとのフィーリングはマッチしてましたか?
バンドにいなかった間はWayneとは一緒にプレイはしていなかったんだけど、2008年にKINGDOM OF SORROW(Jameyの別プロジェクト)のツアー後、カヴァー・アルバムを作らなければいけなかったんだ。そしたらSeanが、"俺は家族も家庭生活も大事にしたいし、タトゥー・ショップもやらなきゃいけないからそんなにいっぱいやるのは無理だ"っていうことで辞めなきゃいけなくて、そんなこともあってWayneが途中参加したんだ。加入後いきなりBAD BRAINS、BLACK FRAG、SLAYER、SUICIDAL TENDENCIESの曲をやってくれたんだけども、全然腕もなまってなくて、何の問題もなかったね。今話したカヴァー・アルバムを出したのが、2009年5月、そのあと、アルバム『Hatebreed』が9月にリリースとかなり忙しかったよ。2008年の9月には、DVDも出したから、1年の間に俺たちの作品が3つも世に出るという凄い1年だったな。
-あなたがたがは誰もが認める名実ともにハードコア・シーンの頂点にいるバンドですね。
そんなあなたからあえて聞きたいのですが、今のハードコア、メタル・シーンはどのように映っているのでしょうか?
今のシーンの状態はいいと思う。ここ何年か、CDの売上もこんなに落ちている中で、それでも生き延びてきたバンドっていうのは、進化が証明されたバンドなんだろう。素晴らしいバンドが残ったんじゃないかな。ハードコア・シーンの中ではTERRORとかTRAPPED UNDER ICE、FIRST BLOODとかそのへんが気に入っているね。メタル・シーンだと、WARBRINGERとか、TOXIC HOLOCAUSTとかも良かったし、これからMUNICIPAL WASTEとも一緒にやろうかなとか思ってるよ。
あと、結構昔のバンドで頑張ってて、盛り返してきてるバンドも多いと思う。EXODUSも新しくRob Dukesというシンガー入ったけど(※2005年加入)、彼が入ってからのアルバムっていうのは素晴らしいと思う。TESTAMENTも復活して頑張ってるんで、全体的にいい状況なんだと思う。
-今後チャレンジしたいと考えていることはありませんか?
とりあえず、次に俺がチャレンジしたいことは本の出版だね。2冊出したい本があって、1冊は歌詞とか俺個人に関するエピソードやバンド全体の歴史みたいなのを綴ったものっていうのを今書いてる最中なんだ。あともう一つは、ヘッドバンガーズ・ボールの本なんだけど、実際に自分でこういう作業をしてみてプロの作家とかライターが凄いということを実感して、何度も何度も読み返して構成したりしなきゃいけないだろ。だからすごい大変なんだけれども、とりあえず来年なんとか、両方出したいなと思ってるよ。