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INTERVIEW

CYPRESS HILL

2010.04.01UPDATE

2010年04月号掲載

CYPRESS HILL

Member:SEN DOG(Rap)

Interviewer:KAORU

-前作、『Till Death Do Us Part』は、それまでのロック色が息を潜め、代わりにレゲエ要素の強くなったアルバムでしたが、『Rise Up』で再びロックサウンドを復活させようと思った理由はなんでしょうか?近年のミクスチャー・ロックの衰退について思うところがあったからなのでしょうか?

近年のミクスチャー・ロックについてどうこうっていうのはないよ。CYPRESS HILLとしては、前のアルバムと今回アルバムは、全く別の生き物だと考えている。へヴィ・メタルやロックンロールのファンを自認する俺に言わせると、今回俺たちがトラックに関して求めたのはギター重視な音楽なんだ。今回のアルバムで絶対に、前よりもっとギターに鳴っててもらいたかった。前作で「Rock Super Star」って曲があっただろ?あれがすごくうまくいって、周りも俺もメチャクチャ楽しんだもんだから、ああいうのをまたやりたいなっていうのは、俺たち全員思ってたんだ。ただ、これまでなかなか真剣にその実現を考える機会がなくてね。あれからずいぶん時間が経ってしまったが、今回、俺たちの中での流れがロックの方に来てたんで、どうせやるんだったら思い切りビッグに、ビッグな連中とビッグなサウンドでやろうぜ・・・というわけで、こういう音になったんだと俺は思う。でも、CYPRESS HILLからロックが消えたことは一度もない。ロックはCYPRESS HILL の重要なパーツだ。俺たちには絶対に必要なんだよ、ああいう・・・モッシュピットに頭から飛び込みたい気分にさせる音が。

-様々な豪華アーティストとのコラボレーションも特徴のひとつですが、特にロックサイドのリスナーからすると、RAGE AGAINST THE MACHINEのTom Morello、SYSTEM OF A DOWNのDarron Malakian、LINKIN PARKのMike Shinodaとのコラボレーションは嬉しいです。それぞれの個性がいい具合に出ていて、非常に興味深い曲になっていますね。リスペクトのあるアーティスト同志の共同作業となると、曲作りが特別なものになると同時に、互いの音楽に理解がある分、やり易くなるのではないでしょうか?

TomとはRAGE AGAINST THE MACHINE とCYPRESS HILL で一緒にツアーを回ってからの仲だよ。確か、93年に初めて一緒にツアーして。その後も95年、98年、2001年と…。RATMは俺らの「How I Could Just Kill A Man」って曲をカヴァーしてくれたりしてて、何かと縁があるんだ。あのバンドの連中は、みんなとにかくクールでね。ある日、Tomが「CYPRESSにぴったりの音があるから」って連絡が来て、今回一緒にやることになったんだ。Tomは全然気取ったところがなくて、穏やかでクールで、楽しく付き合えるやつだ。あいつを興奮させたり騒がせたりすることの方が難しいんじゃないかっていうくらい、いつも変わらない。最高のダチだよ。

-そのTomは「Rise Up」と「Shut‘em Down」の2曲に参加していますね。それぞれどんなメッセージの曲なのかを簡単に教えてもらえたら嬉しいです。

まず「Rise Up」だけど、あれは世の中の人間に対して・・・あるいは俺たちのファンに対して、一発気合を入れる曲。ウダウダしてないで、さっさと立ち上がれ、と。待ってるだけじゃ何も起こらない。自分の気持ちは、自分から伝えようとしなきゃ誰にもわかってもらえない。押さえつけられて何も言えずにいるやつが、最近は多いような気がする。ここは今一度、はっきり自己主張しようぜ、何が起こっているのか、本当のことを伝えようぜ、みたいなことだ。「Shut‘em Down」の方は、政治でもいいし何でもいいんだが、気に食わないこと・・・冗談じゃないぜ、と思うようなことがあったら、正面切ってぶつかってて、相手を黙らせちまえ・・・って歌。気に食わないことといえば・・・何でもいいけど、例えば政治とか、いっこうに終らない戦争とか、そんなのはもうたくさんだと思ったら、向こうの口を塞いで、こっちの口を開け、とね。俺たちは主張するべきなんだ。俺たち世代の声を、もっと聴いてもらう必要がある。両曲ともに、ポジティブなメッセージだよ。」

-Mike Shinodaとコラボレートした「Carry Me Away」は、メロディ部分をMike Shinodaが歌っていますね。彼は最初からラップで参加するのではなく、メロディ・パートを歌うということになっていたのでしょうか?

実は当初、Mikeはプロデュースってだけで、ラップでも歌でも参加する予定はなかったんだよ。俺たちも、あいつにコーラスを歌ってもらうつもりなんかなかったし。ところが、俺たちが用意していたラップを聴いたら、あいつの方からやりたいって言い出して、たぶん俺たちのラップと歌詞にインスパイアされたんだろうな、自分で曲にも参加したいって言ってきたんだ。あいつが歌ってるっていう事実が、俺は気に入っている。プロデュースもあいつがやって、しかもメロディを歌ってるんだぜ。俺としては大歓迎だ。Mike Shinodaが俺と同じアルバムで歌ってるんだもんな。すごいことだぜ。コーラスの歌詞は一通り、あいつが書いてくれたね。