INTERVIEW
fade
2009.10.06UPDATE
2009年10月号掲載
Member:rui(Dr) Jon(Vo)
Interviewer:ムラオカ
-フルアルバムは久しぶりですか?
r:いや初めてですね。
J:ずっとフルアルバムを作りたいって言っていたんですが、なかなかそれが環境的にできなかったりしてやっとそれが実現しましたね。僕たちもスタッフもフルアルバムでいこうと同じ意見でしたね。
-アルバムの曲順には拘りましたか?
r:アルバムの曲順に関しては僕は何も言ってないですね。今までは言ってきたのですけど、今回はスタッフに任せました。僕たちバンド側がこの曲最高だねって出しても、世の中に聴かせてみると全然反応が違うという場合があるじゃないですか?俺らが素晴らしい音楽やっているからお前ら聴けよっていうよりは君たちはこれどう思う?っていう提案でしかなくてそういう意味でも曲順もフロウっていうのは僕たちなりにはありますけど、それはライヴで表現できるじゃないかと、でも作品として聴くときに僕たちがどう思うかって言うのはもちろんそうなんですが、第三者のスタッフが聴いてどう思うかって言うところが一番重要ではないかなと思ってあえて今回は曲順には口を出していないですね。
J:バンドの中でも最初はみんなで話し合ったんですけど最終的には第三者の意見を一番大事にしましたね。
-近くにいる過ぎる分・・
r:そうですね。分からなくなってくるっていうのはありますね。
-ruiさんが曲を作っていく中で、何割くらいのものが実際に曲として収録されるのでしょうか?
r:結構曲はありましたけど絞りましたね。
-精査してといった形で?
r:はい。
-作曲する際はギターでするのでしょうか?あるいはピアノで?
r:ピアノですね。
-完全英語詞でサウンドも日本にいそうで実はあまりみかけない非常にダイナミックなラウドロック・サウンドですね?そのためどこのシーンにも属しておらず、独り戦っているようにも感じるのですが属するシーンのないことにどこかに寂しさを覚えることはありませんか?
r:俺は逆にそれが好きなんですよ。fadeに合った対バンってないんですよね。RIZEと一緒にやったりしてるけど、ミクスチャーではないからあのシーンではないですし、PTPと一緒にやってもまた少し違うなと。UZUMAKIと一緒にやってもやっぱ俺たちとは違うなと。そういう意味では確かにどこにも属していないし、独りに見えがちなのかもしれないけど、逆に僕はそれが好きでいかにそこを広めていけるかと、それで僕たちに影響されてくるバンドたちが出てきてくれるとそこに新しいシーンが確立されるわけですよね。僕らは後継者を作って行きたいんです。みんな仲が良いんで横の繋がりってのはもちろん大切で、UZUMAKIのドラムのDUTTCHとも仲が良いし、RIZEの元ベースのU:ZOとかもそうだしcoldrainもUZUMAKIに最初紹介されてfadeみたいなバンドがいるからって、そして会ったらみんな良いヤツだったし。日本人はみんなカテゴライズするのが好きだから、そのカテゴリーがはっきりしている方が受けが良いのかもしれないですけど、それって誰かが作ったシーンを引き継いでいるだけでなにか新しいものを確立しているわけではないと思うんですよね。だからこそ自分たちで確立していこうとなると最初は独りだし他のバンドたちより人一倍努力しなければならないと思うんですよね。でもそれが確立されたときに不動なものになると思っているんでそういう意味では一生このままどこのシーンにも属さないでfadeっていうジャンルが出来れば良いかなと思ってます。THE USEDが今度リリースするアルバムでグロス・ポップっていうジャンルをスクリーモから抜けたいって言って、いつものプロデューサーでなく異なるプロデューサーを起用してグロス・ポップ、気持ち悪いポップていう新しい方向に転換をしていってるんですね。そういうところが凄く好きで、そういうバンドってのが生き残っていくバンドだと思ってるんで、RADIOHEADもそうですよね。『Pablo Honey』があって『The Bends』があって『OK Computer』が出てジャンルが変わって、スマパンもそうですけど、やっぱりみんなそうやって自分たちのスタイルを常に変化させていって、世の中に受け入れられた場合は不動のものになっていって、10年後も20年後も生き残っていくバンドになっていく、やっぱり僕はそこを目指して行きたいんでそういう意味では最初は独りでも仕方がないのかなと。なので寂しさとか孤独さというのは特に感じたことはないですね。君たちは君たちで僕たちは僕たちだという感じでずっと今まで来ているので。
J:イベントを組みづらいなって言う気持ちはあるんですけどね。この人たちと回ったら最強だなとかっていう組み合わせはなかなかないですね。
-相乗効果が期待できない?
J:そうですね。
この前RUSH BALL 2009に出たんですけど、日本のポップ・ロック・シーンの中ではfadeは違うなっていう感覚を凄く感じましたね。
r:確かにタトゥー入っているやつらが周りにいる方が安心するかもしれないですね。でもそのシーンってでかくないじゃないですか。武道館行けるバンドっていないじゃないですか。行けて恵比寿リキッドルームぐらいで終わるっていう。ELLEGARDENくらい行けるのかっていうのは多分難しいだろうし、そういう意味では凄くちっちゃいところで、もちろんこのシーンが凄く売れてくれば良いんですけど、でも海外に行ったらどうなのかなと。fadeはJonも外人だし僕もアメリカ出身だし、他のメンバーもそうだし、また違う意味でのマーケットのオプティミティはあるんではないかなと思うんですね。日本でももちろん活動はしたいんですけど、そこだけじゃなくて海外に行きたいし、海外に行くとなると向こうの真似事やってても話にならないし、だったら本物聴いたほうが早い話で、そう考えるとアメリカの要素もあるんだけどそれでも違うものってのはなんなんだろうって、そうやって常に考えていくことが大事かなと。そういう意味ではFACTとかは面白いんじゃないかなと思いますね。日本のお面を被ってフロム・ジャパンっていう側面を丸々出してやっているっていうのは凄く僕は面白いんじゃないかなと思いますね。THRICEってバンドも日本のバンドではないですが、和風のものをサンプリングしたりとか面白いんですよね。そういうものがオリジナリティであって真似が出来ないっていうかこいつらしかできないサウンドなんじゃないかと。そういう意味ではアメリカでも僕たちはどこにも属さないだろうし、日本でも属さないんだろうし、それが結果として失敗する可能性もかなりあるとは思うんですね。でも成功したときは凄く強いものになるんじゃないかなと思うんですね。ですから僕たちはそっちを目指していきたいですね。誰々の真似とかどういうバンドが好きだからじゃあそういう感じにしようとか、じゃあ、みんなタトゥー入れようよとか、じゃあギターはPRS(Paul Reed Smith)使おうよとかそういうんじゃなくて、やっぱりもうちょっとオリジナリティのあるものが必要だと思うんですよね。日本のバンドももっとそういう人たちが出て来てくれる事を願うんですけど、どうしてもアメリカのパクリにしか見えなくてみんな単なる憧れでやっているだけに感じてしまうんですね。そうじゃなくてみんなそのバンドが持っている特長って絶対あると思うんですけど、それがマキシマムザホルモンでも良いですし、彼らは彼らでまたちょっと違うじゃないですか。MCすげえ面白いですし、メタルだけど爆笑なMCするし、凄くそういう意味では面白いと思うし、アジカンみたいなバンドとかも、全部日本語ですし、J-POPなのかもしれないけど、彼らはNEW ORDERの影響を受けているかどうかは分からないですけど、凄くニュー・ウェイヴなアプローチしてたりとか、アルバムごとに進化していくとか、常にいろんな面白いことをやっている、そういうバンドが僕はかっこいいなと思っているんですね。そのバンドを個人的に好きか嫌いかは別として、こいつはチャレンジしているかどうかってところがミュージシャンとしてリスペクトできるかどうかってことですよね。自分たちもそういう意味では俺らイコールこのジャンルっていうよりは、俺らイコールfade、なにをやってもfade、バラードやってもハードなものやっても何をやってもfadeだよねって言われる方がやっぱり良いですし、そういうような存在になって行きたいですね。
-プロフィールに2010年にはアメリカにも進出と書いてあったのですが、具体的なプランは決まっているのでしょうか?
レーベルの方:乞うご期待です!
-11/14、15に激ロックFES Feat Hurley VOL.1に出演していただくことになりましたが、意気込みをお願いします。
r:久しぶりにPTPとかcoldrainとかと一緒にできるんで、楽しみですね。俺らが最近やっている新曲とかがこういうシーンの子たちにどう受けるのかなっていうのを凄くテスト・マーケット的にも興味はありますね。僕が思うのはLOUDPARKにしてもなんにしてもハードなものが好きかも知れないけど、その中でもいろんなものってあるじゃないですか。METALLICAとPANTERA比べるとどっちがメロディアスなのっていったらMETALLICAになる訳じゃないですか。PANTERAは凄くヘヴィに叫んでる感じじゃないですか。でも好きな人たちは一通りいて、GUNS N'ROSESが好きでPANTERAが好きな人がいたり、中にはWARRANTとかVAN HALENが好きな人もいる訳ですよね。VAN HALENなんて凄くキャッチーなものをやってる訳じゃないですか。だからそういうところで必ず共通しているなにかがあるはずなんですよ。ドストライクじゃなかったかもしれないけど、なにか共通しているもの、それがキャッチーなメロディなのか、ヘヴィなリフなのかなんなのか分からないですけど、そういう共通しているところをこういう濃いお客さんに投げてそれがどういう反応が返ってくるかというのは見てみたいですね。あとはどこのライヴでやっていても俺らは俺らのライヴなんでどういう風にお客さんが反応するかということはちょっと見てみたいですね。
J:楽しみですよ。こういうメンツと一緒に出来るっていうのは面白いと思うし、fadeらしいライヴを見せたいですね!!