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INTERVIEW

SAOSIN

2009.09.14UPDATE

SAOSIN

Member:Chris Sorenson(Ba) Cove Reber(Vo)

Interviewer:MAY-E

-「It's All Over Now」「Nothing Is What It Seems」など、壮大なバラード曲も多く収録されていますね。様々なプレッシャーもあったでしょうが、そのようなことを感じさせない作風だと思いました。どのような精神状態でレコーディングに臨んでいたのでしょうか。

Chris:スタジオでも、それらの楽曲はどの音もレコーディングしたいと思っていた通りに最高のものに感じられたよ。Butchは「It's All Over Now」と「Nothing Is What It Seems (Without You)」で、俺達がヴァイブを組み立てるのにかなり手を貸してくれた。俺達は、セルフ・プロデュースで自分自身が何かを感じられるような壮大な響きのバラードを作りたかったんだ。いい感じでそれを引き出せたんじゃないかと思いたいね。

-「The Alarming Sound Of A Still Small Voice」や「Say Goodbye」などのミドル・チューンでは、より表情の豊かになったCoveのボーカルが際立っていますね。特別なトレーニングなど行ったのですか?

Cove:ミドル・テンポの曲では、自分がインスパイアされたサウンドから描きたかったけれど、何かちょっとだけ違うものを書きたかった。色々なやり方で皆に自分の違う一面を見せようとね。で、このアルバムではそれがちゃんと表現出来たんじゃないかと思っているよ。

-激しいスクリーミング・パートを介した「I Keep My Secrets Safe」や「Is This Real?」のコーラスなど、スクリームを取り入れた楽曲もありますね。初来日公演を見てからCoveは<絶対に叫ばないヴォーカリスト>なのだと思っていたのですが、前作では意識的にスクリームを控えていたんでしょうか。

Cove:スクリームは俺にとって魅力が減るみたいだ。俺が好きな、スクリームが上手いヴォーカリストは本当に一握りしかいないよ。その他99.9%のヤツらは、一発カマしてるだけみたいなものでさ。俺が思うに、俺達のアルバムでスクリームしているのは、感情が爆発するように、何よりも沸き立つ熱さがある部分だけだ。少しだけスクリームする必要があると感じたからね。

-アップビートな「What Were We Made For?」など新境地と言えるようなポップな楽曲もありますね。とても気に入っていますが、このような楽曲をプレイすることに抵抗はなかったですか?

Chris:過去の作品でも近い曲はいくつかあったよ。例えば「I Can Tell」や「Mookies Last Christmas」みたいなね。80年代のポップ・ソングを俺達の手で今のサウンドにしてみたかったんだ。メンバー全員がDEF LEPPARDの大ファンなんだよ。だから、俺はこの曲を気に入ったし、一日の終わりに考えるべきことの全てだと思った。なぜなら、「Voices」みたいな曲を演奏する一方で、「Youre Not Alone」をやることがチャンレンジングだと言ってくれる人がいるかもしれないと感じたから。でも誰もそんなこと気にしていないみたいだけどね。

-ずっと同じ作品を作り続けて行くわけにもいかない。けれど、あなた方のように世界中に熱心なファンがいて、シーンの救世主のような扱いをされているバンドだと、ファンが望むスタイルを貫くことと変化していくこととの狭間で様々な葛藤もあったのではないかと想像するのですが、実際いかがでしょうか。

Chris:そうだね。アルバムを制作する時は全てを考慮に入れないといけないということ、そしてその全てを捨てないといけないということ。そして、大切なのは自分自身に対して真に正直であること、バンドに対しても真に正直であること。そしてSAOSINみたいなサウンドを出すバンドは、どんなバンドに君がいようとも、音を鳴らし続けること。何か君らしくなかったり、君を応援してくれる皆を否定する何かを思いついたら、自分のやること全てを考え直し始める時がきている。

-ワープトツアーではHURLEYステージのヘッドライナーを務めたり、『THE GREY EP』をHURLEYのスタジオでレコーディングしたりと、HURLEYとは密接に関わりがあるようですね。

Chris:数年間をかけてHURLEYとは良い関係を築き上げてきたよ。だから、HURLEYがスタジオを建てた時、俺達がまずやりたかったことは、そこでレコーディングすることだった。スタジオ内にリハーサル場所も建ててくれて、俺達は最終的に数ヵ月間そこで暮らしていたようなものだしね。HURLEYのスタッフは俺達を優遇してくれたから、俺達はお返しに大勢の人をHURLEYの新しいウェブストアに連れてきたり、他のバンドにスタジオでレコーディングしてもらったりしたよ。メンバーの誰一人サーフィンしないのに!(笑)だけど、Machandoはクレイジーなヘア・スタイルだよな。

-『THE GREY EP』のレコーディングの様子をHURLEYのWEBサイトで公開するなど面白い試みもあったようですが、『THE GREY EP』レコーディング時の面白いエピソードがあれば教えて下さい。

Chris:そうだね。実は、ライヴ・ストリーミング用にレコーディングしたものが実際のアルバムの音源になったんだ。特に面白いストーリーは起こらなかったなぁ。大勢の人が来て見てくれた以外はね。ある一晩は電話を掛けて、スタジオのアドレスをほとんどタダでプレゼントしたよ(笑)大勢の人が深夜にスタジオに現れ出したら変だよね。

-SUMMER SONIC09出演お疲れ様でした。いかがでしたか?

Chris:SUMMER SONIC09は最高のフェスだったよ。日本は俺達が大好きなツアー先の一つだ。全てがとても効果的に集約されていて、そこで働いている誰もが各自の仕事をどう果たすのか分かっている。それに加えて、日本のロック・ファンはダイ・ハードだ。ホテルで待っていたり、人ごみの中のファンに会ったりすると、彼らは本当に情熱的に接してくれる。クレイジーな位にね。日本へは今年のファースト・ツアーの後で戻りたいと願っているし、東京と大阪だけじゃなくて、もっと他の場所でもやりたいと考えているよ。俺達全員が、東京と大阪以外の場所にもSAOSINのライヴへの準備が出来ているんじゃないかと感じているよ。