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INTERVIEW

POISON THE WELL

2009.09.11UPDATE

2009年09月号掲載

POISON THE WELL

Member:Ryan Primack(Gt)

Interviewer:MAY-E

-前作『Versions』から約3年振りとなる新作のリリースですが、まずはバンドの近況を教えて下さい。

ツアーばかりしていたよ。アルバム引っ提げてのツアーは約11ヵ月間もやっていたしね。その後はフロリダに戻って、部屋に籠って、たくさん曲を書いていた。よくシュノーケリングをしたり、ビーチでのんびりしたりもしていたけど。俺は海で遊ぶのが大好きなんだよ。『Versions』で長い間ツアーしてきて、バンドは凄くタイトになったと思う。メンバー間の結束力が凄く強まって、まるで家族のようになれたからね。

-旧メンバーの脱退を経て、Bradley Grace(Ba)とBrad Clifford(Gt)が正式メンバーとして新たに加わっていますが、二人はこれまでどのような活動をしてきた人物ですか?また、加入に至るまでの経緯を教えて下さい。

ギタリストのBradは、SINCE BY MANというミルウォーキー出身のバンドで活動していた。そしてベーシストのBradleyは、独りでとてもカッコいいアコースティック・ミュージックをプレイしていたやつなんだ。

-また、新編成となった現在のバンドの雰囲気はいかがですか?

俺はこのラインアップが凄く気に入っているよ。長いことやっている中では、あまり楽しくはないような瞬間もあったりしたけどね。みんな個性の強い人間だから、色々とあるもんさ。でも正直言うと、そういう緊張感もいいものなんだけど。バンドは目的意識をはっきりともっていて進んでいる、まるで汽車みたいなんだ。

-『The Tropic Rot』のリリースおめでとうございます。激情的でありながら深みのある作品で、とても気に入っています。アメリカでは既にリリースされておりますが、反響はいかがでしょうか?

俺がこれまで関わってきたアルバムの中では、一番情熱を傾けながら作ることが出来た作品であると言えるね。楽しかったことだけでなく、大変だった瞬間もあった。だけど、みんなで団結しながら、凄く集中して作ったアルバムだ。反響も良い感じだよ。でも、最初の4ヵ月というものはリスナーにサウンドの変化に慣れてもらうための期間だから、いつもちょっと不思議な感覚を覚えるよ。みんな最初はちょっと戸惑ったりもするものなんだよね。だけど、最終的には音楽の根っこはそう変わっていなくて、相変わらず自分達に誠実な音楽をやっているってことに気づいてもらえるもんさ。

-前2作はスウェーデンでレコーディングしておりましたが、本作は02年のセカンド・アルバム以来のホームタウンでのレコーディングだったそうですね。地元に留まった理由は?

詳しく言うと、実はホームタウンではレコーディングしていないんだ。全員フロリダに住んでいて、レコーディングはカリフォルニアで行ったんだ。誰か新しい人とやりたくてさ。スウェーデンで2枚レコーディングしたけれど、今回ちょっとペースを変えてみたかったんだ。新しいプロデューサーと組んだお陰で、サウンド的にもまた先へと進めた気がしているよ。

-ソングライティングやレコーディング期間はどのくらい設けていたのでしょうか?

ソングライティングに2か月半、レコーディングに5週間ってとこかな。

-また、ソングライティングのプロセスに変化はありましたか?

いや、ソングライティングのプロセスは、俺達がいつもやっている通りだったよ。みんなでひとつの部屋に集まって、個々に書いてきたリフやパートを出し合って、それらを組み立てていきながら、その中で良い感じのものに集中する。シンプルで自然な感じでやっているよ。

-「このアルバムは初めて統一したテーマをもって臨んだ作品のように感じている」とコメントしていますが、その統一したテーマというのは何でしょうか。

テーマは、僕達の出身地や今住んでいる地域に深く関係していると思う。そう、フロリダの住民でいることが関係しているんだ。住んでみて初めて、ここがとても独特な雰囲気をもっている土地だってことに気づくんだ。多くの人はヴァケーションに最高の場所だって感じていると思うけど、僕達にとってはちょっとばかり違う感じなんだよ。もっとほろ苦い感じがすると言うかさ。

-同時に「前作『Versions』よりもっと“怒り”が大きい」とも仰っていますが、その“怒り”の矛先は?

このアルバムは、よりストレートな苛立ちが表現されていると思うんだ。この“怒り”や“憤り”の矛先は、色々なものに向かっている。俺は常に、作品を通してバンドの違った面を表現するように努めているんだ。そうすればするほど、このバンドは悪くなっていくと思っている人がけっこういるようだけど。だけど、俺はその逆だと思っている。より個性的なサウンドに仕上がるように、いつも力を入れてやっているよ。まぁ結局のところは、アルバムの大部分は人生そのものについて表現しているんだけどね。失望、失敗、自信喪失、そういった感情をすべて取り込んで、それらを音楽を通じて表現しているんだ。俺らはコニュニケーションがあまり得意じゃないから、人生の中のこういったことと音楽を通して対峙しているわけなのさ。