INTERVIEW
POISON THE WELL
2009.09.11UPDATE
2009年09月号掲載
Member:Ryan Primack(Gt)
Interviewer:MAY-E
-特にキッズに注目して聞いてもらいたい歌詞はどの楽曲になりますか?
個人的に気に入っているのはアルバム最後のナンバーだ。でも、キッズがどの曲を気に入ってくれても、僕は彼等の思いを支持するよ。
-前作ではマンドリン、管楽器、バンジョーなど、ハードコアからは予想の出来ない楽器も取り入れたりなどしていましたが、本作で新たに挑戦したことがあれば教えて下さい。
俺は今回はキーボードをたくさんプレイしている。このレコーディングで一番不思議な楽器といえばエレキ・ウクレレだね。とにかく、このアルバムはなるべくシンプルにしようとしたんだ。『The Tropic Rot』は、ギタリストとして初めてガッカリすることがなかったアルバムなんじゃないかな。ギタリストとしてこれまでで一番聴き応えあるプレイをしていると思う。もっと凄いギタリストは幾らでも存在するから、これは可もなく不可もなくって感じだろうけど、俺にとっては自分のプレイに自信が持つことが出来たし、それに感動できたのは素敵なことだったんだよね。
-Steve Evettsをプロデューサーに迎えていますが、彼を起用した理由は?また、どのように本作に貢献してくれましたか?
Steveは混乱している部分を上手く整理してくれたと思う。特に俺の場合、それで助けられたよ。俺は凄く落ち着かなくて、いつも同時に23423つのことを考えているんだ。彼は、そんな俺が一度にひとつのことに集中できるようにしてくれるのがとても上手かった。ベーシック・リズムも終わっていない段階で、サード・ギターのオーバーダブやセカンド・キーボードのラインのことなんか考えることないんだよね。でも俺の脳内は、いつもそんな風に考えてしまうんだ。俺だけじゃなく、Jeffreyも彼には凄く助けられたと思う。Steveは彼が落ち着いて取り組めるように、手助けしてくれていたよ。
Steveって、とてもエネルギッシュな人物なんだ。それでなくてもエネルギッシュな俺達だけど、彼のお陰でもっとエネルギッシュになれたんだよ。アルバムのエンジニアリングの段階で、サウンド的にクールなことを凄くやってくれたしさ。彼と俺とでめちゃめちゃクールなサウンドを作ることが出来た。あまりゴチャゴチャしないように、余計なものをちょっと取り除いてくれたりもしたね。
-98年の結成から数えて10年が経過しましたね。10年の間に、シーンの移り変わりやバンドをとりかこむ環境も目まぐるしく変わってきたと思いますが、ハードコア・シーンで一時代を築いたあなた方から見て、最近のハードコア・シーンに思うことがあれば教えて下さい。
この質問はいつも答え辛いなって思うんだけど、俺はこう考えるようにしている。すべては常に一定のサイクルでグルグル回っているってね。どのジャンルにもシーンにも、自由に表現できる実り多い時期が巡ってくるものだ。だから、あるものが元気なくなってきたとか、昔とは変わってきたとか、そういうことを感じている瞬間にも、別のタイプの音楽が間もなくして生まれ変わったり、再び元気を取り戻したりしているところかも知れない。俺はずっと、このバンドがハードコア・シーンにいることを居心地良く感じていた。俺達は、聴き手がその時々によって好きになったり嫌いになったりするような、奇妙な連中なんだよね。
-キャリア10年を超え、メンバーチェンジを経て完成した5作目ということで、本作は節目を担った特別な作品となったのではないでしょうか。バンドにとってどのような作品ですか。
俺達にとって、色々な事を成し遂げられた盛り沢山の1枚だね。このバンドの要素が凝縮されている、素晴らしいアルバムだ。少なくともやっと半分くらいは、まともに仕上がっているんじゃないかな。ハハハハハ。
-初来日を飾った2003 年のWarped Tour Japanでも素晴らしいショーを見せてくれましたが、6年振りとなる再来日公演、LOUDPARK09への出演が決定しましたね。心待ちにしていた日本のファンも多いです。意気込みを聞かせてください。
また日本に行けるなんて最高の気分だよ。レーベルが変わったり、昔いたメジャー・レーベルと面倒なことがあったりと、かなり大変な時期を過ごしてきたから。だからこそ、今回また日本に行けることになって、とても興奮しているし、最高のパフォーマンスをしようと力が入っているんだ。
―昔の曲もやってくれるでしょうか?
過去のアルバムすべてからやるつもりだよ。できるだけ多くプレイする為に、曲間ではなるべく話さないだろうな。持ち時間に出来るだけ多くの曲を詰め込もうと思っている。とにかく日本でまたプレイできることに今はとても興奮しているんだ。