－見た目は醜いかもしれませんが、ひょっとすると『White Butterfly』の頃より誇りを持っているように思えたのですが、実際は？

う?ん、というよりもこういったダークなアルバムを作る必要があったって感じかな。もちろん、音楽には誇りを持っているよ。僕らにとって音楽を奏でるというのは自分の中の悪魔を吐き出すようなものでさ。暴力でストレス解消する人もいるけど、僕たちにとっては音楽なんだ。ユーモアも込めて付けたタイトルだよ。僕は他人を気遣う本当にいい人だけど(笑)、音楽はダークなものが好きなんだ。ただ、５枚目はもっとシンフォニックなものになるかもしれないけど。

－『Daydream Anonymous』のライナーノーツには、すでに今作がテクニカルでプログレッシヴなアルバムになると思うとコメントしていらっしゃった通りのアルバムが『Herald Moth』だとするならば、５作目がシンフォニックなものになるというデイヴさんのお言葉は現実味がありますね。

ガレージバンドのオーケストラ・ソフトってどんなストリングスも入っているから、それを使って曲作りをしているんだ。もしかすると今作よりもダークな曲も入るかもしれないけど、もっと美しくかつダークな曲が入るんじゃないかな。まぁ今の段階で明言するのは時期尚早だけどね。あと、シンフォニック・アレンジを用いるのはいいけど、ライヴでのパフォーマンスが問題だね。

－では今作のストリングス・アレンジってガレージバンドからのもの？

そうだよ。すべてガレージバンドのプログラミングだよ。

－今回、制限を用いずに好きな音楽を表現したとおっしゃっていましたが、特にフォーカスしたのはどういった要素ですか？

オーケストラ以外では80?90年代のエピックな要素、レトロなコンピューター・サウンドを意識した。僕らはそういったもので遊んでいたからノスタルジックな感じがするんだよ。それにダークな音楽にも合うと思ったし。

－では、日本のファンに今回のアルバムをどんな風に楽しんでもらいたいか教えていただけますか。

今回は以前よりも100倍面白いINMEになっていると思ってもらえたら嬉しいな。でも、仮にそう思ってもらえたとしても自己満足することはないよ。もっといいバンドになりたいと思っているし、どんどん成長していきたいからさ。

－最後に、今作は他の３作と比較した時に一言で例えるとするならばどんなアルバムになりましたか？重要作？エポック・メイキング？

もっとも誠実に作ったアルバムであり、もっとも自分らしさが出たと思う。今作を聴いてみんながどう思おうと僕はまったく気にしないよ。音楽を作って100％満足するということはないけれど。今回もっとも作るのが難しかったんだ。いろんな考えや音楽のレイヤーも込めたし。カッティング・エッジなバンドだってことを証明したかった。音楽業界って人気のあるバンドでもすぐに衰退してしまう厳しい世界ではあるけれども、今作で僕たちインミーの素晴らしさを証明できたらいいなって思う。今までのアルバムは聴いていて飽きたんだけど、今作は何度聴いても飽きないんだ。きっとこれからも飽きることはないと思う。