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INTERVIEW

GOD FORBID

2009.05.12UPDATE

GOD FORBID

Member:Doc Coyle(Gt)

Interviewer:ムラオカ

-アルバム・タイトルの『Earthsblood』は造語だと思うのですが、どのような意味が込められているのでしょうか?

このタイトルは映画「There Will Be Blood」からインスパイアされたんだ。この映画は悲惨な過去と人間不信に陥ってしまった悲しい石油王の話で、熱烈な野望に伴う犠牲についてや貨幣利得のための資源抽出に関して表現しているんだ。昨今の、エネルギー危機に巻き込まれた世界紛争の現状を目の前にして、俺は地球と地球に暮らす人間との間に、いかに深い関係があるかというのを思い知ったんだ。まるで環境保護主義者の声明みたいに思えるかもしれないけど、自分自身はそんなんじゃない。ただ自分にとって意味あるものだったんだ。もしかしたらこのタイトルは、答えよりもより多く質問を呼んだかもしれないね。

-前作の『IV: Constitution of Treason』もそうでしたが、アルバム・ジャケット・デサインも非常に意味深なものになっていますが、このジャケットとアルバム・タイトルはリンクしているのでしょうか?

アーティストはGustavo Sazesという人でまさにこの作品から手掛けている。Dallasが彼に具体的なアイディアを伝えたんだけど、最初の段階でははじめに期待していたほどうまくは表現されていなかった。Gustavoが、自分なりの解釈で描いていいかと聞いてきたので、俺は彼が自分自身を表現するのはすごくいいアイディアだと思ったんだ。どんなアーティストでも、ベストなものを引き出すためにはそれが一番なんだ。だから、俺たちのインプットしたものと同じぐらい、Gustavo自身の人間性がこの絵には入っている。俺たちが方向性を指示するよりも核心をついたものになっていると思う。俺たちのアイディアはいつもすごく逐語的で、それゆえに抽象的に形にさせるのが難しいんだ。人は抽象的なカバーから、自分自身の感じたものを受け取ることができる。これを見ると、不安になるような、落ち着かないようなそんな感じを受けるだろう。それが俺は好きなんだ。こんな感じにしたのはこのアルバムがはじめてだし、だからこそGOD FORBIDのアルバムの中でのフェイバリットなんだよ。

-あなたがたは元々はかなりハードコアよりなバンドでしたが、アルバムのリリースを追うごとにメタルの影響が強くなってきているように思えます。これはあなたがたの趣向が年を追うごとに変わってきているということでしょうか?

俺は自分たちが「ハードコア」バンドだと感じたことはない。自分にとって、ハードコアっていうのはSICK OF IT ALL、MAD BALL、TERRORといったバンドだ。
俺たちはただただ、ものすごくヘヴィだから、メタルに属するともいえるハードコアのバンド、例えばHATEBREED、ALL OUT WARやDILLINGER ESCAPE PLANなんかとも一緒に演奏できるんだ。こういったバンドでさえ、俺にとってはハードコアというよりもメタルって思えるんだ。確かに、初期にはメタルコア・バンドだったといえる。どちらかと言えば、モダン・メタルコアと定義されるスタイルを作り上げてきたといえるだろう。だけど徐々に、ライブの中で最も映えるようなパート、たとえばブレイクダウンや派手なギター・パートやハーモニー、スウェディッシュ・スラッシュなどをただ取り入れて、それらを、作曲に気を遣うことなく怠慢にかき集めただけのようなバンドがたくさん現れてくるようになったと感じたんだ。周りがそんな陳腐でつまらない感じになってきていて、俺たちは「Determination」を作ったときはそんなスタイルにうんざりしていたんだ。俺たちにとって「作曲」というのが、曲にギミックを投げ入れるよりもより重要になってきたんだ。ここ数年で俺たちの好みというのがドラマティックに変わってきたと言える。
はじめの頃は俺たちはただ、速くてクレイジーでヘヴィで、メロディ的には俺たちの好きなヨーロッパのバンドの感じでやりたかっただけだった。そこから成長して、俺たちのパレットを拡げることにした。俺たちは影響を受けたもの全てに対して、自分たちが持っているスキルを注入して活性化しようと思ったんだ。

-メタルコアと言われたKILLSWITCH ENGAGE、ALL THAT REMAINS、UNEARTHなど、共通して言えることはハードコア色が薄れて、オーセンティックなメタルやメロディックデスメタル、つまりメタル色が強まっているように感じます。もちろん同じことをやっているわけではないですが、なぜみんなそういう方向に行こうとするのだと思いますか?

君があげたバンドはそもそもがハードコアというよりもメタルだと思うんだ。彼等は周りの環境に影響を受けやすいんじゃないかな。もし人がハードコアのライブに囲まれて育ったら、そういったサウンドや姿勢はおそらくその人のサウンドに染み出てくるだろう。で、その人のバンドが世界中をツアーして今までの背景以外のバンドとプレイするようになったら、その人はそういったバンドからも同じように影響を受けるだろう。確かに、俺にとっても、SLIPKNOTとMACHINE HEADとのツアーは、アルバム「Constitution of Treason」のサウンドに影響を与えたと思う。君が挙げた幾つかのバンドに同じ事があてはまるかどうかはわからないけどね。また、人はソングライターとして成長するものだ。好みや音楽においての楽しみというのも変化する。10年前にはわくわくしたものが、同じような方法ではもう何も響かない、とかね。