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INTERVIEW

CHEMICAL VOCATION

2009.05.18UPDATE

CHEMICAL VOCATION

Member:Pierre Larsson(Vo)

Interviewer:MAY-E

-本作『A Misfit In Progress』を聞かせて頂きました。素晴らしいアルバムですね。本国では08年9月にリリースされていますが、新たなファンベースを獲得できたのではないでしょうか?

うん、新しいファンを獲得できたと思うよ。離れていったファンも少しいるけどね・・・。

-本作『A Misfit In Progress』のテーマは?

曲を書いていた最中は、特に何もテーマは考えていなかったんだ。でも今になって歌詞を見直してみると、ガールフレンドに浮気された悲しみや、酷いレーベル・マネージャーからの苦痛なんかを克服した事とか、ここ数年の自分の経験や心情についてリアルに書いていたんだなと感じたよ。

-楽曲そのものが格段とビルドアップしていると感じました。05年にEPリリースをしてから本作のリリースまでに約3年という長い時間をかけていますが、ソングライティングやレコーディングに長い時間をかけていたのでしょうか?

実は、時間をかけてアルバムを制作していた訳じゃなくて、以前EPをリリースしたレーベルのオーナーと問題があって、なかなかアルバムがリリースできなかったんだ。だからライヴをやりながら協力してくれるレーベルを探していて、そこにPANIC AND ACTIONが声をかけてくれたんだよ。本当は、もう少し早く作品をリリースしたかったんだけどね。

-ソリッドなリフもクールだし、ツイン・ギターなのでサウンドにも重圧感があり、決してポップ一辺倒ではないのですが、EPからのファンの中には、このスタイルの変化に戸惑う人もいるのではないかと思います。この変化はどこから生まれたものでしょうか。

僕達の中では、自然な変化だよ。自分達のルーツの中に、もともとスケートパンクがあったかしね。もう一段上のステップに行く為にも、よりポップでハードコアなサウンドを選ばないといけなかったんだよ。今まで以上に自分達らしいサウンドになったと思う。たぶん、僕達のファンの中には新曲を聴いてがっかりした人達もいると思う。だけど、これが僕達の残したいものだったんだ。ファンの人達にもこの事を理解してもらって、もう一度評価してもらえたらいいな。

-その分、メロディのキャッチーさや高揚感、そしてコーラスの厚みが増して、楽曲によくフィットしていると思います。ソングライティングのプロセスは、EPの頃と比べ大きく変わりましたか?

曲の書き方は何も変えてないよ。でも、メロディは前よりも少しだけ時間をかけて作り込んだかな。メロディそのものを刺激的でキャッチーなものにしたかったんだ。

-スクリームをしなくなったのは、EPで特定のジャンルにレッテルを貼られたことへの反動もありますか?

それも理由の一つだけど、もう一つの理由は、何か新しい事や意外な事をやりたかったんだ。スクリームしなくても、最高のレコードを作れる自信があったからね。ハードコアにメロディックな歌をミックスしているバンドは沢山いるし、僕達よりも良いバンドって沢山いるから。スクリームを嫌っているわけじゃないんだよ!ただ、今回のアルバムには合わなかったんだ。

-本国のレーベルPANIC & ACTION RECORDSのレーベル・オーナーPeterから、本作の制作にあたり何かアドバイスはありましたか?

何も言われてないよ。彼は、僕達を応援してくれているだけだよ。

-クレジットが確認出来ないのですが、プロデューサーはひょっとしてKID DOWNのEric Hojdenでしょうか。そうだとしたら、彼を迎えた経緯を教えて下さい。また、彼と仕事はいかがでしたか?

そうだよ。昔からEricと作品を作っていたから、今回も一緒に作る事にしたんだ。彼は、僕達がどんな音楽にしたいのかを本当に理解してくれているんだよ。彼は、すごく才能のあるプロデューサーだよ!

-アートワークは何をイメージしているのでしょうか。キャッチーなサウンドとは少し違う印象で、不気味さも感じさせますが。

アートワークのイメージは‘CHEMICAL VOCATION’っていう‘おとぎ話’の大きな謎だよ!

-先日、あなた方と同じくPANIC & ACTION RECORDS に所属するADEPTにインタビューをしたばかりで、ヴォーカルのRobertからスウェーデンのロック・コミュニティについての興味深い話を聞きました。アメリカのバンドの方が注目を集めやすい為、多くのスウェーデンのキッズは、数年前まで地元のシーンにあまり注目していなかったのだそうですね。キッズが自分の国のバンドよりもアメリカをはじめとした海外のバンドに夢中になるのは日本も同じなんですが、英語圏であるスウェーデンでもそのような現象が起きているのはちょっと不思議です。日本には、自国のバンドでメインストリームで活躍しているバンドが残念ながらおりませんが、スウェーデンも同様に、ハードコアやスクリーモのようなバンドをやるのに厳しい環境なのでしょうか?

Robertに自分のファン達を甘く見すぎているぞって言わないとね。でも彼が言いたい事もわかるよ。PANIC AND ACTIONが出来る前は、確かにそういう状況もあったんだ。だけど最近は、国内のバンドにも注目しているキッズも多くなってきたよ。バンドのサウンドを変えてから、僕達の方が状況は厳しくなったと思う。一部のファンは、あまり注目しなくなってしまったからね。