INTERVIEW
CAGE9
2009.02.07UPDATE
Member:Evan(Vo,Gt)
Interviewer:MAY-E
-まずはアルバムの完成、おめでとうございます。 リリースまで間もないですが、2枚のアルバムを完成させた今のお気持ちは?
アリガト!!でもまるで臨死体験をして生き残ったかのような感じなんだけどね・・・。その甲斐あって生活と音楽そして将来についての新しい展望を見つけることができたんだ。今回のアルバムは動きまくり続けている俺達をスナップショットに撮ったようなものだね。
-ニュー・アルバム「Survival Plan」とアコースティック・アルバム「...For Amnesia」は同タイミングでのリリースになりましたが、制作も同時進行していたのですか?
いや、「...For Amnesia」は今年初めぐらいから制作に取り掛かっていたんだけど、「SURVIVAL PLAN」はそれよりもっと前に制作を始めていたよ。今回の2枚のアルバムはまるで全く異なる生き物みたいなものだね。「Survival Plan」を制作しているときにはとても緊張した空気だったんだけど、「...For Amnesia」を制作しているときにはそういうのはなかったんだ。 「Survival Plan」での緊張感は、例えるなら耳で絶えずカチカチ音がしてるくらいすごかったよ。今まで経験したことのないような、これからも経験することのないようなくらいね(笑)楽器の演奏や歌詞から搾り出されたメロディーやサウンドがいつでも鳴り続けている感じだったよ。本当に大変な作業だったんだ。「Survival Plan」を作り上げた精神力や音楽的な感覚が未だに体の中に残っている感じだよ。それでもう1枚アルバムがレコーディングできるんじゃないかってくらいにね。
-アコースティックだけで一枚のアルバムを作るバンドはあまりおりませんが、「For Amnesia」を制作した目的を教えて下さい。
俺達はツアーをやっている時期にはインストア・ライヴ・パフォーマンスも行っていたんだ。ライヴをやる日の昼間予定の空いている時間帯にレコード屋さんやラジオ局でアコースティック・パフォーマンスをやっていた。それでそんなパフォーマンスをレコーディングしようということにしたんだ。良い感じにできるだろうと思ったしもっときちんとした形で表現できるだろうと思ったし。2,3週間くらいでできるだろうと思って始めたんだけど実際やってみたら8ヶ月以上もかかったんだ。それだけ真面目に取り組んだってことだよ。 アコースティック・アルバムをリリースすることで楽しみなのは、普段ラウドな音楽やエレクトリックな音楽を聴かないような人たちにも聴いてもらえることだね。親にも聴いてもらえるしね(笑)。それくらいの自信作なんだ。
-<For Amnesia=記憶を失くすために>という意味深なタイトルをつけた理由は?
このアルバムの収録曲の多くは過去にリリースしたアルバムの曲をアコースティック・バージョンでやったものなんだけど、過去に知って今は忘れてしまった出来事を思い出させるようなものという意味を込めたんだ。
-Evanをはじめ、あなた方のセンスの良さと表現力の多彩さが表れている素晴らしい作品だと感じました。アレンジは主にEvanが手掛けたのでしょうか?
ほとんどのパートについてはそうだね。でも、いくつかの曲のテンポやアレンジはスタジオで練習したりインストア・ライヴでパフォーマンスしたりしてジャム・セッションみたいな感じで曲をやっているうちにできたものもあるんだよ。
-「For Amnesia」にも収録されているアコースティック曲をプレイしている動画も拝見しましたが、最近はアコースティックのライヴをする機会も多いのでしょうか?
1ヶ月くらい前にロサンゼルスで「...For Amnesia」のリリースパーティーをやったんだけど、その時はレコーディングの時にも参加してくれたパーカッショニスト、チェリスト、ピアニストにも来てもらって一緒にライヴ・パフォーマンスしたんだ。今までやった中でも一番のショーを行うことができたって俺達全員思っている。上手く言葉で表現できないけど、とにかくまるで魔法のような感じだったよ。普段やっているエレクトリックなライヴとは全く対照的なものだった。だけど、オーディエンスの反応も信じられないくらい良かったんだ。 だからアコースティック・ライヴを今後もっとたくさんやろうという予定もあるし、ツアーをやってみても良いんじゃないかって話も出てきているんだ。ただライヴハウスだけでパフォーマンスするっていうことじゃなくて、ショッピング・モールやコーヒー・ショップなんかでもパフォーマンスすることはできるんだっていう姿勢が大切だと思うよ。自分達の音楽をいろんな人たちに知ってもらえるきっかけにもなるしね。
-オリジナル・アルバム「Survival Plan」もアグレッシヴで、「El Motivo」同様に大変気に入っています。具体的に、どのようなアルバムを目指して制作に臨んだのでしょうか。
そうだな、今の全てのミュージシャンが考えている大きな問題は「音楽の未来をどうするか?」ってことだと思うんだ。人々が音楽を買ってくれなくなったら、ツアーを行ったりするどころか生きていくことさえ難しくなってしまう。ミュージシャンとしての仕事をずっとやっていきたいと思っていてもね。だから些細なものだけど、このアルバムはこの厳しい時代の中でミュージシャンとして、地球に住む一個人として生きていくヒントになるようなものを捧げているんだ。ユーモアのセンスも込めながらね。 このアルバムのアートワークを笑わずに見るのは難しいと思うよ(笑)まぁ、それによって生きていくことをあまり真面目になり過ぎずに考えてもらえると思うけどね。
-まだ歌詞の全てに目を通せていないのですが、どんなメッセージが込められているのでしょうか。注目して聴いて欲しい楽曲をピックアップして解説してください。
ちょっとおバカかもしれないけど、俺が気に入っている曲の1つは「Explorers Of The Ocean」だな。俺は子供の頃海の近くで育ったんだけど、父親は画家として働く傍らスミソニアン研究所で海洋生物学者としての仕事もやっていたんだ。そこからインスピレーションを受けて曲を作った。この曲では、水面下何がいるのは誰にも分からなかった20世紀初めの地球で生命を不思議な存在として表現しようとしたんだ。そこに入れた俺の解釈としては、俺達は星達によって道を示されているわけじゃなくて自分達の光で運命を切り開いていくんだってことなんだ。 もう1曲気に入っているのは「We Sleep With Skeletons Tonight」。この曲では俺達は「スナイパーの行列に狙われているのに屋上にいる重役達」というふうに表現しているんだ。言い換えると、箱の中に閉じこもって生きていくようなことはするなってこと、運命のテーブルをひっくり返して今まで考えもしなかった全く逆のことをやってみようってことだよ。 あと、もう1曲は「In Search Of Tsio」だね。俺の友達で俺達の大好きなバンドのヴォーカルの猫が行方不明になったんだ。その猫の名前が"TSIO"だったんだ。その後、彼らはMYSPACEにその猫を探してくれるように頼むメッセージを投稿した。俺が思うに、その猫は世界中を旅して回って、地球を救う活動をしているんだ。そしてもはや、神のように伝説的な存在になっているんだと思うよ。誰にも"TSIO"だってことに気付かれずにね。それが現実だとしたらその猫を探し出したいとは思わないだろう。でも、見つかって欲しいとも思っているけどね。俺ってバカだろ?(笑)