INTERVIEW
MILLENCOLIN
2008.05.22UPDATE
Member:Erik Ohisson (Gu)
Interviewer:吉野 将志
―新作「MACHINE 15」を聞かせていただきました。研ぎ澄まされたミレンコリンサウンドに、これまでにはなかったスケール感のあるロック・サウンドを掛け合わせたパンク・ロック満載のアルバムになっており、とっても気にいっております。前作「Kingwood」から約3年ぶりの新作リリースとなりましたが、今の気持ちを教えてください。
まだ落ち着いて自分の気持ちを振り返るような余裕がないんだ。アルバムの曲作りからレコーディング、リリースまでずっと忙しくとりかかっていたし、僕はアートワークや舞台の幕までグラフィックなものも全てやっているし、ウェブサイトも作っているから忙しいんだ。ノンストップで仕事をしている。オーストラリアに行ったら、今まで時間がなくてできなかった仕事もしないといけない。でもアルバムが発売されるのは最高に嬉しいよ。楽しいけど努力しないといけないし、時々いらいらする事もあるし、いろんな気持ちが絡み合っている。でも毎回とても誇りに思っているよ。リリースされると今度はツアー・モードに切り替えないといけないんだ。
―タイトル「MACHINE 15」にはどんな意味があるのでしょうか?
僕達は15年も一緒にいるのと、このアルバムに15トラック入れることを決めたからなんだ。僕はいつもちょっとしたコンセプト的なアルバムを作るのがすきなので、ただ何か言葉をつけるんじゃなくて、少し捻りを聞かせたかった。マシーン・フィフティーンの語呂もいいし、15ってどうしても入れたかった。NikolaがMachineをつけたんだけど、どこからそれが浮かんだか分らない。いきなり「マシーン・フィフティーンはコーラスラインにいいかもしれない」と閃いたみたいだよ。それで「タイトル名にもいいね!」ってみんなで話していたんだ。その時コジラのことが頭に浮かんだので、これはいいと思ったんだ。
―今回のリリースまでになぜ3年間もの期間が必要だったのでしょうか?
1年半、2年はずっとツアーをして、曲作りを始めて、レコーディングしたから、このタイミングが一番早いと思う。それとNikolaとMathiasがそれぞれソロプロジェクトもその間にやっている。Fredrikもクロスパンクバンドでドラムを叩いていて、僕は僕でグラフィックデザインの会社を立ち上げたからみんなかなり多忙だと思う。
―今作はどの曲もメロディが印象的だと思いました。特にマイナーとメジャーのメロディの使い分けが素晴らしいと思いましたが、これはソングライティングの変化なのでしょうか?
とても変化があると思うよ。MathiasとNikolaがほとんどやっているんだ。今までは僕が曲作りをほとんどやっていたけど、今回はいろいろ忙しかったから、Mathiasがプロツールで基本的なリフとか作って、それをNikolaにファイルで送って、Nikolaが家で歌って足したりしていた。面白い作り方をしたんだ。
―今回はストリングスを取り入れておりますよね?これが効果的に曲の表情を豊かにしており、我々の感動を生み出す要因の一つとなっていると思うのですが、ストリングスの採用は誰が考えたのですか?
それは多分Mathiasと僕が話し合って決めたと思う。いろんな試みをすることを不安にならないでやろうって話したんだ。今まで割とキーボードでストリングスの音を出した事はあったけど、The Sweden Chamber Orchestraとコネクションがあったので、今回は本当のオーケストラを使おうと話した。専門家にアレンジメントも頼んで、音を壮大にしたかったんだ。
―プロデューサーに前々作の「Home From Home」のLou Giordanoを起用した理由を教えてください。
このアルバムはできる限り素晴らしい作品に仕上げたかった。「Kingwood」もとてもいいアルバムだったけど、その時はもっとロックンロールに戻っていくようなそんなビジョンを抱いて、アナログのサウンドを求めた。ただ、今聴くとプロダクションがちょっと物足りない感じがする。ギター、ギター、ベース、ドラムスとボーカルという基本的なものだったけど、今回はもっとダイナミックなサウンドにしたかったんだ。よりビッグな音にしたかったから、ストリングスを加えたり、キーボードを入れたりもした。これで音を広くしたんだ。Louと一緒に仕事をしたのは、彼がアメリカのバンドのプロデュースをしているけど、非常にシャキッとした音を作るんだ。Louの事は良く知っているし、一緒に仕事するのも好きだし、彼がいるといいヴァイブを発している。
―ベース&ボーカルのNikolaは「今回は特に“極端な”ものを見せたかったんだ」と語っていますが、その真意は何なのでしょうか?
極端だとは思わないと思う。常に進歩したいと思うし、前とは違う音にならないといけない。もっと良く、もっと新しくならないといけないけどそれでもMILLENCOLINのサウンドは持ち続ける。