DISC REVIEW
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2025年のメタル・シーンに確かな存在感を放つ、注目すべき作品の誕生だ。米カリフォルニア州はオークランド出身の4人組による通算3枚目となる本作。ポストブラック・メタル、デス・メタル、プログレッシヴ・メタルからジャズに至るまで様々な要素をシームレスに繋ぎ合わせ、混沌とした暴虐と白昼夢のような美が同居するバンドの個性を、さらに推し進めた野心的な作品となっており、そのスタイルは多面的でありながら見事な一貫性を保っている。優美且つ官能的な歌唱から激烈なハーシュ・ヴォーカルまで自在に操るChelsea Murphyによる、驚異的なヴォーカル・パフォーマンスも素晴らしい。今年聴くべき1枚として個人的にも推薦したい。 井上 光一