DISC REVIEW
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今や20年以上のキャリアを誇る、テクニカル・デス・メタルの代表格 OBSCURA。前作『A Valediction』(2021年)から中心人物のSteffen Kummerer(Vo/Gt)以外のメンバーを総入れ替えする形で制作された本作は、高度なテクニックに裏打ちされた複雑で緻密なアンサンブルは健在ながら、作曲面においては過去作と比べてコンパクトな作りであり、優美なメロディの分量が増えていっそう洗練された印象だ。往年のファンには賛否が分かれそうな内容ではあるが作品としてのクオリティはさすがの一言。なお、元メンバーとのトラブルは本稿執筆時点では真相が明らかとされていないため、現状は不問とさせていただくことをご了承願いたい。 井上 光一