DISC REVIEW
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ドイツはノルトライン・ヴェストファーレン州にて2020年に結成されたという若き5人組による通算2枚目となるアルバム。まだ日本ではほぼ無名の存在ではあるが、ヨーロッパでは徐々にその知名度を上げている注目のバンドである。ドラマーの代わりにサンプラーを駆使するDJがパーマネントなメンバーとして在籍しており、無機質なインダストリアル・ビートやエレクトロ・サウンドがアグレッシヴなメタルコアと融合、ニューメタルの影響も取り込んだ独自のミクスチャー・センスで魅せる楽曲群は、メランコリックなバラードも含めてどれもキャッチーな出来栄え。幅広い表現力を持つヴォーカル、そして女性ギタリストの存在感も見逃せない、まだ粗削りながらポテンシャルの高い若手による好盤と言えよう。 井上 光一