DISC REVIEW
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結論から言ってしまうが、イギリスはサウサンプトン拠点の5人組による通算3枚目となる本作は間違いなく現時点での彼らの最高傑作である。ホラー・パンクを基調としながらも独自の美意識に則ったサウンドで人気を博してきた彼らだが、本作はヴァンパイアをテーマとした大仰なまでのコンセプチュアルなロック・オペラ的作風であり、野心的且つ大胆なゴシック・ロックが2020年代という時代に堂々と鳴り響く様はもはや感動的。シンガロング必至のメロディと壮大なコーラス、流麗なギター・ソロ、美しい鍵盤の音色が織りなすダイナミックなサウンドはぜひ巨大なスタジアムで聴いてみたい、と思わせるものであろう。GHOSTやMY CHEMICAL ROMANCEがお好きな方は確実にチェックすべし。 井上 光一