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激ロック | ラウドロック ポータルサイト

DISC REVIEW

Negative Energy

紅一点のMegan Targett(Vo)による凄まじいグロウルから美麗なクリーンVo、ラップ風のリズミカルなスクリームまで操る多彩な表現力、徹底したダークネスを極めたヘヴィ・グルーヴ、人間の負の部分に真正面から切り込んだ歌詞が注目を集めるUK出身のトリオによる待望の2ndアルバム。アルバム・タイトルや曲名を眺めるだけで彼女たちの本気度が伝わってくるようなものだが、ニュー・メタルコアやジェント風のリフ、プログレッシヴ・メタルといった要素を巧みに取り入れた本作は前作『Culling Culture』(2021年)以上に暗く重々しい、それでいてキャッチーなフックを兼ね備えたヘヴィ・ロックを提示しており、2023年のエクストリーム・メタル・シーンを語る上で欠かせない作品として今後も記憶されることは間違いない。目を背けたくなるような現実をあらゆる手法で吐き出すMeganの歌声も、深い深い闇の行きつく先にこそ光があると信じるすべての人々の救いとなるであろう。 井上 光一