DISC REVIEW
-
Michael Kiske(Vo)、Kai Hansen(Gt/Vo)が本格的な復帰を果たし、楽曲のみならずアルバムをリリースすることになろうとは、いったい誰が想像できたであろうか。ジャーマン・メタル・シーンの生ける伝説、HELLOWEENにとって、これほどセルフ・タイトルが相応しいアルバムもないと言えるだろう。先行公開されていた、12分超えの長尺曲「Skyfall」の時点で、タイプの違う3人のヴォーカリストをバランス良く理想的な形で組み込める、衰え知らずのソングライティング・センスとアンサンブルの妙に改めて驚かされたが、アルバム全体的にも王道のHELLOWEEN節と言える楽曲がずらりと並び、往年のファンにとっては感涙必至の内容となっている。胸躍るテクニックの応酬、クサすぎるメロディの洪水、古き良きロックンロール愛――すべてが"HELLOWEEN"の名のもとに鳴らされる、文句なしの1枚! 井上 光一