DISC REVIEW
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デトロイト出身の4人組によるデビュー・アルバム。アルバム・タイトルにせよ、悪そうなメンバーの面構えにせよ、イメージと音がそのまま直結しているかのような極悪モッシュコアを基調として、テクニカルな変則ギター・リフなどを織り交ぜつつ、軽くDjent風の効果を生み出しているあたり、今どきの若者の感性がうかがえて面白い。ブルータルなブレイクダウン、疾走するモッシュ・パートをふんだんに盛り込みながらも、バウンシーなビート、横ノリを重視したグルーヴィなリズム感覚は、同期ものに頼りがちな昨今のバンドとは、立脚点からして違うものであろう。ラップ風のヴォーカルも披露され、過去にPAPA ROACHのカバー曲を発表しているのも、妙に納得。全編攻めの姿勢で貫かれた潔い1枚。 井上 光一