DISC REVIEW
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茨城県古河に拠点を置くベースレスの3ピース・バンド。結成6年目を迎え、初の1stミニ・アルバムは一筋縄ではいかないエクストリーム・ミュージックを鳴らしている。8弦ギターを用いたブリブリの重低音、手数の多いドラミングも凄まじく、聴き手に体当たりしてくるような生々しい音像も迫力満点。またこの手の音には珍しく全編日本語詞で、聴き取り不可能な阿鼻叫喚のスクリームと語りふうの歌い回しを織り交ぜたヴォーカル・スタイルも実に面白い。黒煙を上げて突き進むグラインドコアを基軸に、アヴァンギャルドで変則的な曲展開で聴き手を巻き込んでいく。とにかく1曲1曲から得体の知れないエネルギーが満ち溢れ、密室感はあるものの、そこに収まりきれない感情が大爆発している。インパクト大のデビュー作だ。 荒金 良介