DISC REVIEW
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もの哀しいオルゴールと切なく激情的に歌い上げるヴォーカルが紡ぐ世界観に、一聴して心を掴まれた前作『Two-Faced Charade』から約1年4ヶ月。今回も彼らの良さが遺憾なく発揮された新作が完成。荒々しくテクニカルなツイン・ペダルのドラミングやギター、シンセが主張するサウンドは、エレクトロを取り入れたポスト・ハードコアといった印象だが、音数を詰め込むことに傾倒しているわけではない。ここぞという時にはシンプルなルート音のストロークで、あくまでヴォーカルを聴かせる潔いスタンスが曲にメリハリを生んでいる。一貫してマイナー調のグッド・メロディはエモ好きにも、疾走感あるパートはパンク/メロコア好きにもオススメしたい。今後の可能性の拡がりにも期待が高まる良作。 小林 詩央里