DISC REVIEW
-
-
THE LAWRENCE ARMSって懐かしい......と思った方も多いだろう、それもそのはず。なんと実に8年ぶりとなる新作アルバムだ。イタリアで滞在したホテルの名前がついたこの作品は、曲の合間などアルバムに散りばめられた都市の雑踏やストリート・ミュージシャンが奏でる音の多くは、BrendanがiPhoneで記録したものだそう。そのためか、実に郷愁を誘うロード・ムービーのような作品となっている。相変わらずの枯れたメロディに、Chrisの優しい声とBrendanのかすれた声の掛け合いが生み出す哀愁のハーモニーが、涙腺を刺激する。そのサウンドが自然と心に沁み入るのは、ストリート・パンクやフォーク・ロックといった、汗と労働とアルコールにまみれたリアルな音楽の要素がそこに在るからだ。 山本 真由
