DISC REVIEW
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高知発のオルタナティヴ・ロック・バンド8g(エインジ)が、ZEPPET STOREのギタリストである五味 誠をプロデューサーとして招き、1stミニ・アルバムを完成させた。収録されている6曲は一貫して“黒”や“闇”といったダークなイメージを持つと同時に、光をつかむような高揚感に溢れている。スローにじっくり奏でられるヘヴィなサウンドは、自分たちの感情を聴き手の心の中へ深く刻み込むように染み込む。手のひらに落ちたあたたかい涙がじんわりと広がっていくような、繊細な感覚だ。浮き彫りになった感情を丁寧に歌い上げる水田樹志のしゃがれ声も心を捉えて離さない。“1曲1曲にストーリー性を持たせたかった”とメンバーが語るように、非常に濃密な作品となっている。4人の命と魂そのものと言っても良いだろう。 沖 さやこ