INTERVIEW
8g
2012.12.11UPDATE
2012年12月号掲載
Member:水田 樹志 (Vo/Gt) 宮内 新太 (Gt) 中山 貴夫 (Ba) 中川 雄矢 (Dr)
Interviewer:沖 さやこ
-8gは2008年高知にて結成ということですが結成の経緯を教えて頂けますか? 現在の活動拠点も高知でしょうか。
宮内:活動拠点は高知ですね。2008年に元メンバーのベーシスト、ISUKE誘いで前身バンドを結成し、活動をスタートさせました。しかし、彼が突然脱退し、残ったメンバーで活動を続けていたところに、新ベーシストとして中山の加入が決まりました。心機一転、バンド名を“8g”にして活動開始したのが2012年です。あっ!……ISUKEとは今でも仲良くしてますよ。
-Vo/Gtの水田さんは10年ほど前に上京なさって、ZEPPET STOREの五味 誠(Gt)さんの結成したwipeとDROPのローディーをなさっていたようですね。
水田:ガキの頃から音楽が好きで、“バンドがやりたい”というほとんど夢見心地の勢いだけで上京しました。それからの東京での活動は運良く五味さんと出逢うことができ、ローディーをしつつバンド活動もしてました。が、色々あり残念ながらバンドが活動休止に。当時、個人的に嫌なことも立て続けに続き、これは精神的にヤバいなと……。その流れで高知に戻り、素敵なメンバーに出逢い今に至ります。
-もともと皆さん音楽嗜好は似ていらっしゃるのでしょうか?
中山:そうですね。メンバー全員が同世代ってこともあり、好きな音楽はかなりかぶっています。勿論ヘヴィな曲も好きですね。
宮内:サウンド自体も、意図した訳でなく自然とヘヴィな曲調になっていきました。やっぱり好きなんでしょうね(笑) 。ただ、重厚感だけでなく壮大感も大事にしてます。
-『Geny』に収録されている楽曲はいつ頃作られた曲なのでしょうか。
水田:アルバム2曲目の「UTA」は活動初期の頃からライヴでやってた曲で、他の曲は時間を掛けて作った曲もあったり、スムーズに出来上がった曲もあります。レコーディング開始当初は大々的に世に出すつもりではなかったんですが、あまりに良い感じだったので、ZEPPET STOREの五味さんに相談し今回リリースすることになりました。目に見えない音だけを聴いて感じられる、俺らにしか出せない世界観が詰まった作品です。
-全曲とも一貫して“黒”と“高揚感”が存在する印象がありました。歌詞も闇と光を歌ったものが多く、闇が光を、光が闇を引き立てているような音楽だと思いましたが、いかがでしょうか。
水田:たぶん闇や光も、トラウマや、希望、絶望、自虐的、潜在意識の中にある世界の中のワン・シーンだったりで、間違いなくやってる本人も高揚はしてます。言葉で言い表すのは難しいですが、音で自分たちの世界観を表現し、どんな思いも完全に解放してます。
-ヘヴィですがとてもメランコリックで繊細なリフが印象的です。鍵盤音が入った「Amber」や「SUNRISE」のアウトロはとても象徴的だと思います。スロー・テンポの楽曲が多いのも、そのほうが世界観を伝えやすいと思われたからですか?
水田:他の曲もそうですが、おっしゃる通り「Amber」や「SUNRISE」の後半は本当に大切にしたかったんです。他の曲も、作り始めた時はもっと速かったり遅かったりしたのもありましたが、スタジオで演奏してるうちにメンバーみんな気持ちのよいテンポであそこに落ち着いたのだと思います。今回の作品は世界観を作りたかったので、1曲1曲にストーリー性を持たせています。
-「RAT」は速めのテンポと英語詞がマッチしていますね。
水田:そうですね、このバンドでは1番速い曲なので英語詞のほうがエッヂが効くと思いました。
-バンド名の由来は“魂の重さ”の俗説から来ているとのことですが。
中川:人は命を消化(昇華)すると体重が8~9g少なくなり、その重さは“魂の重さ”と言われる俗説があるんですよね。その8~9gの間、8(エイト)と9(ナイン)を掛け合わせ、“g”をそのまま“ジー”と読んで“8g=エインジ”にしました。表しきれない命の想いを表現することからこの名前にしたんです。最初から魂やに焦点を当てていたわけではなく、まず自分たちの楽曲を見直すことから始めました。僕たちの楽曲は人間の精神や感情や心理が中心核にあり、それを自分たちの世界観で表現しています。それを更に突き詰めたら、人間の存在、そして命に行き着きました。なので、命や魂に焦点を置くことにしました。
-個人的には、魂の重さが8~9gというのは数字にしてみると少し軽い印象があります。8gのヘヴィなサウンドがその軽さを吹き飛ばすように、魂の重さを表現しているような気がしたのですが、いかがでしょうか?
中川:確かに、8~9gは数字にすると軽いですね。ただ、僕たちにとって、重さと言うより、命や魂の本質が大事だったんです。なので、サウンドが魂の重さを表現してるわけではなくて、命や魂の底から湧き上がってくる“感情”がサウンドにリンクしているという捉え方です。