DISC REVIEW
-
-
あまりこの手のサウンドに関して馴染みのない国であるギリシャ出身のスラッシュ・メタル・バンドSUICIDAL ANGELSの4thアルバムは“血の浴槽”、つまり“大量殺戮”を意味する『Bloodbath』というコテコテのタイトル、そしてアート・ワークからも滲み出ている通り、王道のスラッシュ・メタルを突っ走る1枚となっている。2002年に10代でデビューし、デビュー10週年を迎えた彼らのサウンドには風格も漂い、聴いていて安心感さえも感じられる。もちろん、オールド・スクールなスラッシュ・メタルの単純な焼き直しなどでは決してなく、むしろ現代的なセンスで王道サウンドを再定義していると言った方が彼らの実態には近い。同じくギリシャ出身のBob Katsionis（FIREWIND）がTrack.8「Torment Playback」にゲスト参加し華を添えるなど、ギリシャのシーンからの後押しも受けている。若手から中堅・ベテランへと差し掛かり、脂が乗ってきたSUICIDAL ANGELSの新作を受け止めろ！米沢 彰
