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激ロック | ラウドロック ポータルサイト

INTERVIEW

FOAD

2017.01.16UPDATE

2017年01月号掲載

FOAD

Member:KSKN(Vo) KENT(Gt)

Interviewer:荒金 良介

若きラウドの新鋭、FOADがデビュー作リリースから1年足らずでニューEP『Saturation』を発表する。平均年齢20歳で"TRIPLE VISION"と契約を交わし、昨年は"SCREAM OUT FEST 2016"、冠徹弥生誕45周年記念"大冠生誕祭"など大舞台で経験値を重ね、ひと回りもふた回りもバンドとして成長を遂げた彼ら。いつの時代もニュー・フェイスが清新な風を吹かせ、音楽シーンを掻き回してくれるものだ。その意味で今後に期待せずにはいられない4人組と言えるだろう。今作は楽曲のベクトルを明確に定め、ラウドとメロディアスの両翼に磨きをかけた渾身の1枚に仕上がっている。堂々たるスケール感さえ身につけたサウンドについて話を訊いた。

-もともとHAYAO(Dr)さんがMORIYA(Ba)さんに"レッチリ(RED HOT CHILI PEPPERS)をやりたい!"と声を掛けたのがFOADの始まりですよね?

KSKN:そうですね。そのふたりはレッチリが大好きで、高校の軽音楽部でメンバー全員が一緒だったんですよ。で、気づいたら、今のような音楽になってました。俺は歌は好きだったけど、最初はヴォーカルをやるつもりはなかったんですけどね。

KENT:僕は今と同じギターをやっていたんですけど、一番やりたい音楽をやろうと。それがレッチリでした(笑)。

-他にどんな音楽を聴いてました?

KSKN:バラバラですね。俺はコブクロが最強だと思ってました。KENTは速弾きしかやってなかったよね?

KENT:小林信一の"地獄のメカニカル・トレーニング・フレーズ"(教則本)しかやってなかったです。

KSKN:あぁ、MI JAPANの先生だ。超絶ギタリストなんですよ。

-激しい音楽に目覚めたきっかけは?

KSKN:HAYAOがツイン・ペダルを持ってきたんですよ。ドコドコやるから、"何それ、キックが2個あるの!?"って。で、HAYAOがSiM、ラスベガス(Fear, and Loathing in Las Vegas)、FACT、HER NAME IN BLOODをコピーしてて、それから俺もスクリームするようになり、これは楽しいなと。それからいろんな音楽を掘り下げるようになりました。

KENT:当時楽しいと思えたのが激しい音楽だったんですよ。

KSKN:そうだね。ストレス発散みたいな感じだよね。

-オリジナル曲を作り始めたのはいつごろですか?

KSKN:学校の外でコピー・バンドをやることになり、高校2年のときに初めてオリジナル曲を作りました。

-そのオリジナル曲は現在のFOADに通じるところも?

KSKN:STORY OF THE YEARが大好きで、ドロップ・チューニングでヘヴィだけど、そのころはそんなにスクリームはなかったです。あと、ラウドロックの括りの中で対バンしてたので、周りから重いものやブルータルな音楽を教えてもらいました。"SCREAM OUT FEST 2013"を観に行ったときは完全にキッズになってフロアで暴れてましたけど(笑)。最初は初期エモが好きで、SAOSIN、FUNERAL FOR A FRIEND、STORY OF THE YEARとか、メロディがきれいなバンドに惹かれました。最初はシャウトが大嫌いでしたからね。コブクロが最強だと思っていたから。せっかくきれいなメロディがあるのに、なぜシャウトを入れるのかなって。今もオール・スクリームよりは、メロディがある方に惹かれますね。

-KENTさんはどうですか?

KENT:俺はあんまり海外のメタルコアは知らなくて。先輩の影響で速弾き系のギタリストやMETALLICAを聴いたり、あと、Crossfaithが当時出していたツアー映像をずっと観たりしてました。そこで流れる音楽がめっちゃかっこよくて。WHILE SHE SLEEPSとか、それからいろいろ聴きました。最初は、国内のARTEMA、HER NAME IN BLOOD、Crossfaithが好きでしたね。

-今、自分たちの中で指標になっているバンドはいます?

KSKN:俺はすごく飽き性なんですよ。BRING ME THE HORIZONはもともとデスコアをやっていたけど、きれいな曲にシフトしたじゃないですか。その逆パターンもあるだろうけど、このバンドみたいになろう、というものは特にないですね。

-ちなみにBRING ME THE HORIZONは初期のデスコア時代と、今のアリーナ・ロック的な曲調とでは、どちらが好きですか?

KSKN:最近の曲の方がライヴで聴いてみたいですね。この間、台湾に行ってきたんですけど(※2016年11月26日、"HEART TOWN FESTIVAL 2015 山海屯音樂節"に出演)、言語も違うのに、音楽で爆発できるものを感じたんですよ。バンドをやるなかで一番感動したかもしれない。

KENT:そこは一緒ですね。台湾で言葉は通じなくても、ライヴはめっちゃ盛り上がってくれて、すごく感動しました。

-2016年はデビュー作『CASCADE EP』発表後、"SCREAM OUT FEST 2016"や"冠徹弥生誕45周年記念 大冠生誕祭"など、大きなイベントにも出演しましたよね。バンド的にはどんな1年でした?

KSKN:ぶっ飛んだ1年でした(笑)。デビューEPが全国流通するだけで、テンション上がったし。地元のよく通っていたTOWER RECORDSに俺らのCDが展開されていたときも嬉しくて。あと、"SCREAM OUT FEST"にも出たかったし、バンドとしてやりたかったことを実現できてますね。

-"SCREAM OUT FEST 2016"は何が刺激的でした?

KSKN:まず視界にすぐ天井がない!

KENT:はははは(笑)。

KSKN:バンドをやっていて楽しいことって、ライヴハウスに友達がいて、遊び場みたいな感覚があったんですよ。そうじゃなく、バンドをやること、演奏していること自体が楽しいという気持ちが芽生えて。もっとスキルを磨かなきゃいけないなと。今年1年はすごくいい体験をしました。

KENT:僕らがこんな場所でやっていいの? という感じでした。それで、アーティストとしての自覚もついてきたんじゃないかと。

KSKN:うん、"バンドマン"から"アーティスト"になりました。

-ほう!

KSKN:打ち上げでワー! と騒ぐだけのところから一歩踏み出せたなと。責任感もそうだけど、表現の幅も増えたし、1段上がった気がします。