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INTERVIEW

DROPKICK MURPHYS

2017.01.05UPDATE

2017年01月号掲載

DROPKICK MURPHYS

Member:Al Barr(Vo) Tim Brennan(Gt)

Interviewer:大野 俊也

-アルバム・ジャケットには子供たちの写真が使用されていますが、これ子供たちのサポートも行うCladdagh Fundとの関係はありますか?

Tim:いや、あれは純粋にあの写真自体の印象が強かったから使ったんだよ。箱の上に立った子供が他の小さな子供たちに演説をしている姿っていうのがさ。

Al:うん、強烈な印象を受けたよ。いくつか写真を見ていて、あれが出てきたときに俺たち全員"ワオ、これは何の場面なんだ? この子供はよほど大事なメッセージがあるみたいだ"って反応したんだ。

Tim:あれはイングランドで撮影された写真で、組合を結成しようと呼び掛ける労働者たちの写真に似ているけど、それをやっているのが8歳くらいの子供だなんて......。

Al:何が起きていたのかぜひ知りたいね。

Tim:何にあんなに情熱的になっていたんだろう? "キャンディを要求する!"とかかな(笑)。

Tim:"賛同するのは誰だ!"みたいな(笑)。これがどういう場面で、この子供がそのあとどうなったのか気になるよ。出もとを辿って、1930年代にイングランドで撮られたものだって突き止めたんだ。有名な写真だし、俺たちのライヴに来た人が"これは自分の叔父だ"とか名乗り出てもおかしくはない。なにしろ俺たちはキャリアの中で、バンド名の由来になった、"Dropkick Murphys House"っていうアルコール中毒者の治療施設を始めた、Dropkick Murphy本人の親族だという人に会ったこともあるんだ。まるで歴史がドアをノックしに来て、"印税くれ"って言ってくるような――

Tim:(笑)

Al:それは冗談だけど、その人に会えたのはクールだったよ。

-DROPKICK MURPHYSの曲は、様々な経験を経て生まれた様々な感情を歌にして、同じ目線でリスナーに語り掛けています。曲作りにおいて最も重要なこととは?

Al:俺の場合、時には一人称視点から、時には他の誰かに感情移入して、"もしも同じことが自分に起きたらどうするだろう"って考えながら歌詞を書いている。自分の最初の子供が生まれたとき、世界の見方や、あらゆる物事に対する考え方がすっかり変わったんだ。だからそれが作詞のやり方にも大きな影響を与えているよ。時にはただ言葉が頭の中に降ってきて、その場では何を意味しているのか、何になるのかもわからなかったりすることもあるけど、曲が完成したときに改めて見直してみて、いったい何が起きていたのか、そのとき初めてわかったりもする。日常生活から周りの世界で起きていることまで何でも歌詞にしているよ。

-DROPKICK MURPHYSはファンとの絆を大切にするバンドだと思います。バンドにとってファンとはどのような存在でしょうか?

Al:僕らに限らずどのバンドにも言えることだけど、ファンがいなければバンドは空っぽの部屋で演奏するしかないわけで、ファンなしのバンドなんて無意味な存在だよ。でも俺たちのファンはさらにレベルが上で、とても忠実で熱心で、多くの人が10代のころから30歳を超えた今もずっと聴き続けてくれている。それって稀なことで、俺自身ですら10代のころから今まで聴き続けている音楽なんて思いつかないよ。もちろんたまに聴き返して懐かしく思うことはあっても、アルバムを聴いたりバンドの活動を追ったりすることはない。DROPKICK MURPHYSのファンは、俺たち自身もまだキッズだったころから聴いてくれていて、今は自分たちの子供をライヴに連れて来てくれるんだ。

-日本のファンも初期からバンドをすごくサポートしていましたよ。では今後、日本でライヴを行う予定は?

Al:もう長い間日本に行ってないから、早く行かないといけないね。日本に行くのが待ちきれないよ! あと、ヤマトダマシイ!(ガッツポーズ)

-では最後に、あなたにとってDROPKICK MURPHYSとはどのような存在ですか?

Tim:デカい質問だね。俺たちの人生そのもので、俺たちを支えてくれる人々であり、お互いを支えるものであり、俺たちのやることであり、世界で最高の仕事を得た6人の馬鹿野郎さ。さっきの質問でもあったけど、俺たちがリスナーと同じ目線から歌詞を書くのは俺たち自身が彼らの一部だからさ。

Al:うん、これはライフスタイルなんだ。俺たちが見ているものが俺たちの音楽に映し出されていて、それらが俺たちにとって重要なことなんだ。俺もTimも、地元に帰れば家族のことや友情など自分たちが歌詞で歌っているあらゆる物事が日常なのさ。これがライフスタイルであり、俺たちの人生を注ぎ込んでいるものだよ。