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INTERVIEW

WITHIN TEMPTATION

2011.03.08UPDATE

2011年03月号掲載

WITHIN TEMPTATION

Member:Sharon den Adel(Vo)

Interviewer:ムラオカ  Interpreter:ジンジャー国田

-アルバム『The Unforgiving』完成おめでとうございます。このアルバムは難産でしたか?スムーズに完成した方ですか?

実際とてもスムーズなプロレスで、とても歓迎されたものだったわ。何かを頑張ってやるのって、もちろん苦労がたくさんあると思う。でもこのアルバムは非常にナチュラルだったし、新しいサウンドやスタイルも自然にできたの。

-アルバム制作の前にドラマーであるStephenが脱退しましたね。8年間という長期に渡って在籍していましたが今回脱退することになった理由を教えてください。

脱退は彼自身が決めたことだった。彼はMY FAVORITE SCARというバンドもやっていて、どちらか決めないといけない時期だった。私たちのツアー・スケジュールがかなり激しく詰まっていて。『The Heart Of Everything』が成功した分、行ったことがない国とか、やったことがない地域がツアー・スケジュールに加わって、私たちのツアーは過酷だったわ。早朝に起きないといけなかったり、一時間だけホテルに滞在してすぐに演奏しなければならなかったり、その繰り返しだった。みんな疲労困憊していて、お互いに衝突するようになったわ。24時間ずっと一緒にいるから無理もないけど、ツアーの最後の方では険悪なムードになっていた。でもその時話し合って、お互いの性格が合わないのではなく、ツアーの仕方に問題があることに気づいたの。これからは長いツアーをやる時も必ず休みを入れて、お互いのプライバシーを守り、休息が必要だと決めたのよ。そういう話し合いはしたけど、彼はやはり自分のバンドが軌道に乗り始めて、そっちに集中したいから、円満に脱退したいと言ってきたの。長年一緒にバンドをやってきたから家族も同然だから、彼の意見を尊重し、理解し、とてもポジティヴな別れ方をしたのよ。

-今作ではどなたが代わりに叩いたのですか?

セッション・ミュージシャンが叩いてくれたけど、もうMike Coolenがいるから探す必要がなくなったわ。

-コンセプト・アルバムを制作しようと考えた発端は何だったんでしょうか?

実は今までもコンセプト的な内容の曲を作っていたのよ。例えば前作に入っていた「The Truth Beneath The Rose」は映画「ダヴィンチ・コード」をテーマにしていたし、様々な小説や映画などからインスピレーションを受けて曲を作って来たの。その経験から、全曲一つのコンセプトで繋がっていたらとても面白いものになるのではと考えて、映画や小説で、自分たちの楽曲をリンクできる内容のものを探し始めたのよ。映画は各国の映画会社に問い合わせて、自分たちが曲を作れるものを探したけれど、アルバムがリリースされる時期に公開される映画が見つからなかったの。アルバムが出ても映画がまだ上映されてなかったり、逆だったらリスクが大きい。だからその考えはやめて、自分たちでストーリーを考えて、それをコミックのアーティストであり、友人でもあるRomano Molenaarに持って行ったのよ。彼に脚本を書ける人はいないかと尋ねたら、Steven O'Connellを紹介してくれたわ。彼はアメリカ人でコミックも映画も手がけている人なので、連絡をしたらその時は私たちが気に入るようなストーリーはなかったから、そこから一緒に作り始めたわ。彼は"Mother Maiden"というキャラクターを作り、二つの世界の間に立って、人に二度目のチャンスを与えるような位置にいる。人に魂を清めさせ、天国に行くには悪い人や犯罪者を殺して自分の罪を洗い流さなければならない。そして自分がそのようなことをしたら自分を許せるのかという道徳的なこともあるの。ストーリーを読まないと結果がわからないから読んでみて(笑)。その後ショート・フィルムも作ったけれど、それは「シン・シティ」のようなタッチで作られている。このコミックの登場人物をさらに説明するので、両方見た方が納得行くはずだわ。ショート・フィルムはシリーズ化するからこれからも続いていくわよ。

-共作した脚本家Steven O'Connellとはどのような人物なのでしょうか?

彼はとてもシリアスな感じの人よ。電話とメールとスカイプでしか連絡は取ってなくて、まだ会ってないけど、いい人よ。才能があって、心の広い人のように思えるわ。

-このコンセプトはコミック・ブックでもリリースされるんですよね?具体的にはどのような形でのリリースとなるのでしょうか?

オンラインで手に入るわ。アルバムと同時にリリースされるし、6部で完成するの。2ヶ月おきに出るようにしているのよ。本当は同時にリリースしたかったけど制作に2ヶ月かかるからこの形になったのよ。

-元々非常にドラマティックな作品が多いあなたがたですが、今作は一枚フルのコンセプト作品ということもあり、よりドラマティックなものに仕上がっていますね?

どのアルバムもドラマティックに仕上がっていると思う。個人的な内容だったり、政治的な内容だったり。でも今回は一つの大きなストーリーの中に小さなストーリーがたくさんあるから、その意味ではドラマティックになっているかもしれないわね。

-今作を制作する上で最も大変だったことを教えてください。

そうね、そんなに苦労した部分はないけど、時間に追われているところだけかしら。コミックやショート・フィルムも作ることになったから、ちゃんと時間通りに終わるのかとても心配だったわ。周囲の人たちは何年もかかるようなプロジェクトだから頭がおかしいって言っていたけど(笑)。一緒に取り組んでくれた人たちがクリエイティブで経験も豊かで仕事ができる人たちだったから、うまく行ったと思う。運が良かったと思うわ。6ヶ月ですべて終えることができた。もちろんコミックはこれから2ヶ月ごとに出るけど。ライターをはじめ、スタッフや関わった人が同じ気持ちで、とてもいいヴァイブを発していたお陰だと思う。

-あなたがたが作品を作る上で最も重要視していることを教えてください。

一番重要なことはみんな同じ気持ちで取り組むことだと思う。それが成功につながる鍵だと私は信じているわ(笑)。

-アルバム・ジャケットが今までの作品と大きく方向転換しましたね。コンセプト・アルバムとはいえバンドの顔といえるアルバム・ジャケットのイメージを大きく変えるのには勇気が必要だったのではないでしょうか?

ファンがそれに慣れるのに時間がかかることは最初から分かっていたわ。コミックのイメージを出したかったのと、バンドのイメージとストーリーを別のものにしておきたかった。私たちはストーリーの中には入ってないので、私やバンドをジャケットに載せない方がいいと思ったのよ。でも例えコミックが気に入らなくても、音楽だけを気に入ってくれる人がいると信じているの。音楽だけでも充分楽しめるはずだから。これが私たちのやりたかったことだから。