MENU

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

FEATURE

ONE OK ROCK

2012.06.06UPDATE

2012年06月号掲載

結成から7年で登りつめた大きな到達点。その真髄と素顔を収めたライヴDVD!

ライター:荒金 良介

横浜アリーナの現場で聞いたときも、そして、今回の映像作品で改めて観てもハッとさせられたシーンがあった。アンコールで披露した最終曲「キミシダイ列車」の途中で、「おまえらに残された時間というのは意外とこれっぽっち(人差し指と親指を限りなく近づけてジェスチャー)しかねぇんだよ!だから、絶対その時間を無駄にするなよ!」とTaka (Vo)は真剣な表情で叫んでいた。正直、まだ20代半ばの彼の口からそんなセリフが出てくるとは思わなかった。完全に不意をつかれた。いや、素直に告白すると、その言葉に胸をえぐられ・・・同時にTakaの人生観の一端に触れてしまったようなドキドキ感を覚えた。
今年1月に、ONE OK ROCKの5thアルバム『残響リファレンス』レコ発ツアー・ファイナルが横浜アリーナにて2デイズ行われた。そのライヴの模様をパッケージしたDVD&Blu-ray『“残響リファレンス”TOUR in YOKOHAMA ARENA』が本作にあたる。中身は2枚組仕様で、DISC1はファイナルのアリーナ公演、DISC2は2カ月半に渡るツアー全公演に密着したドキュメンタリーである。観る順番に規則なんてないが、できればDISC2からDISC1という流れで観てほしい。なぜなら、その方がDISC1に対する見方や味わいに断然違いが生じてくるからだ。時系列的にも、DISC2がレコ発ツアー初日からアリーナ公演前までのライヴを収めた形で、ツアー1本1本こなす中でバンドが成長する様を確認できる。メンバーの日々の表情から充実ぶりが手に取るようにわかるし、なによりバンドが今最高の状態で音楽を心の底から楽しんでいる。その息遣いがリアルに伝わってきて、興奮せずにはいられない。また、ある意味今回の目玉と言えるのは楽屋裏の表情やプライベートな場面を大量に押さえたオフショット映像だ。「えっ、こんなところまで見せていいの?!」と、逆にこちらがハラハラするシーンが多くて驚かされる。音源やライヴでは絶対窺い知ることができない素の姿に対面できる。そこにはミュージシャンというより、ステージから一歩降りれば一人の人間、もっと言えば街中を普通に歩いている兄ちゃんと変わらない彼らがそこにいる。インタビューではTakaとToru (G)が軸となることが多いが、普段はRyota (B)とTomoya (Dr)が饒舌で、バンドのムードメーカー的な役割を果たしているのは大きな発見だった。妥協することなくプロフェッショナルに徹する一面と、バカ騒ぎする20代の若者らしい等身大像、そのギャップにより一層親近感を抱く人が多いにちがいない。バンド側も音楽性はもちろん、どんな奴らが音を鳴らしているのか。その人間性もわかってほしい、という狙いがあるのだろう。とにかくめちゃくちゃ面白いので必見! そして、DISC2の後に、DISC1のアリーナ公演を観ると、彼らがどんな足取りを経て、どんな気持ちでこの大舞台を迎えたのか、いろいろ想像を巡らせてしまい、現場で観たときとはまた違う心境で見入ってしまった。最新作『残響リファレンス』全曲をプレイするセットリストにも、作品に対する並々ならぬ自信のほどを感じたし、実際に音源以上にライヴ映えしていた。暴れたい人も、じっくり音を味わいたい人も巻き込むスケール感とドラマ性にグッと来た。ストリングス隊を導入した中盤の「エトセトラ」、「カラス」、「Pierce」は、ロック・バンドの轟音とは対極に位置する静謐な表現力を十二分に発揮していた。特にTaka自ら鍵盤を弾きながら熱唱する「Pierce」は絶品だった。ほかに大切な仲間に捧げた「C.h.a.o.s.m.y.t.h.」の雄大なメロディ、「Rock,Scissors,Paper」ではパイロがガンガン上がるなど、聴覚と視覚の両面で心を揺さぶってくる。それから「完全感覚Dreamer」の後、観客の大合唱から始まった「Nobody's Home」の後半でTakaは感極まり、目頭を押さえ、突然歌えなくなり、横にいるToruがニヤリとした表情を浮かべる。あの数秒間の出来事の中に、結成から7年間で横浜アリーナ2デイズの山頂まで駆け上がってきたバンドの喜怒哀楽が全部詰まっていたようで・・・思わず涙腺が緩んでしまった。

  • 1