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Fearless Recordsの人気コンピ・シリーズ『Punk Goes』最新作は、みんなダイスキ90年代!! 90年代といえば、日本ではブリットポップ全盛期のイメージが強いかもしれないが、激ロック的にはUSオルタナティヴ・ロックの黄金時代!グランジ・ブーム、ポップ・パンクの台頭、ニューメタルの黎明期......。ロックの新時代を築いた多くの名曲が登場したこの時代が、今活躍する多くのバンドの土台となっていると言っても過言ではないだろう。 今作も、YELLOWCARD、MAYDAY PARADE、ASKING ALEXANDRIA、MOTIONLESS IN WHITEなど、人気も実力もバッチリの面々が、自分たちの視点で切り取った90年代の楽曲を、それぞれの持ち味を活かした表現で蘇らせている。そして、年々日本盤が豪華になっていることも話題のこのシリーズ。今回はなんと日本盤ボーナス・ディスクに、ライヴ・シーンを騒がせている国内バンドたち11組の作品を収録。特典と呼ぶにはあまりに充実し過ぎている国内バンドたちのカヴァーを紹介しよう。日本に生まれてヨカッターーー!!
ALL TEXT by 山本 真由
V.A. 『Punk Goes 90s Vol. 2』
[TRIPLE VISION]
TRVE-0105 ¥2,000(税抜)
国内限定盤2枚組仕様
2014.5.28 ON SALE!!
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BEFORE MY LIFE FAILS
Guerrilla Radio (RAGE AGAINST THE MACHINE)あまりに偉大なバンドの歴史的名曲のカヴァーだけに、期待値が上がり過ぎてしまうが、気合十分のフレッシュなBEFORE MY LIFE FAILSの姿勢には好感が持てる。原曲の激しさを越える勢いと情熱には、手の込んだアレンジは要らない。
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The Winking Owl
Heart-Shaped Box (NIRVANA)NIRVANAの中でも、グランジのダウナーな雰囲気バリバリのシブい選曲をしたのは、群馬出身のエモーショナル・ロック・バンド、THE WINKING OWL。爽やかなエモ・ポップに仕上げていて、原曲より聴きやすい優等生なカヴァーになっている。
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LOST
Nookie (LIMP BIZKIT)これまた恐れ多くもLIMP BIZKITの代表曲の1つを選んだのは、LOST。国内のスクリーモ~メタルコア界でも随一の器用なバンドらしく、モノマネ要素一切なしに原曲を上手く自分たちのフィールドに寄せたゴリっとしたアレンジになっている。
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HER NAME IN BLOOD
Pretty Fly (THE OFFSPRING)出ました!ブチ壊しカヴァーに定評のあるHNIBが、今作にも登場。無駄な手数の多さと暑苦しさで、今回も駆け抜けます! SHAI HULUDによる「Linoleum」(NOFXの曲)の原曲を凌駕する高速カヴァーを聴いた時と同じ感動を覚えました。
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ARTEMA
Believe (Cher)殆どのバンドがラウドロック系バンドを選んだのに対し、ディスコの女王Cherのヒット・ソングを選んだのは、ARTEMA。楽曲のポップさを損なわずに絶妙に再構築されたアレンジは、原曲を知らなければARTEMAの新曲と思わせてしまうほど。
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ヒステリックパニック
Around The World (RED HOT CHILI PEPPERS)熱狂的なファンも多いRHCPのカヴァーは、本人たちがぶっ飛んでいるがために、逆にシブくまとめられてしまいがちだが、ジャンルに囚われない自由な表現を持つヒスパニは、想像の斜め上を行くはっちゃけ方で、楽曲に起承転結をつけている。
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MAKE MY DAY
I Donʼt Want To Miss A Thing (AEROSMITH)映画"アルマゲドン"の影響で、この曲を聴くとSteven TylerよりBruce Willisの顔が浮かぶ人も多いだろう。しかし、これを聴いたら、どっちもかき消されるはず。壮大なバラードは、最高にエクストリームでモダンなメタルコアに変身した。
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キバオブアキバ
A Whole New World (Regina Belle & Peabo Bryson)さすが、ヲタイリッシュ・エンタテイナー!あのディズニー映画"アラジン"の名曲を自分たちらしく器用にカヴァー。ゴリゴリのパートと、エモ―ショナルなメロディの際立つパートに上手く緩急をつけて表現している。
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FEAR FROM THE HATE
Rock Is Dead (MARILYN MANSON)インダストリアル・メタルの至宝、MARILYN MANSONの攻撃的な名曲のカヴァー曲を選んだのは、シーンの中でも異彩を放つ、FEAR FROM THE HATE。マリマン独特の知的でセクシーな一面を殺すことなくきっちり踏襲している。
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A GHOST OF FLARE
Falling Away From Me (KORN)EDMと融合した表現を追究したり、まだまだ第一線で進化を続けているKORNの楽曲を選んだA GHOST OF FLARE。ダークな精神世界が際立つ90年代のKORNの存在感を再確認させられるカヴァーで、楽曲の魅力を最大限引き出した。
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CLEAVE
Don't Look Back In Anger (OASIS)ラストを飾るに相応しい感動的なカヴァーを担当したのは、CLEAVE。誰もが口ずさみたくなるOASISの名曲をメロディックなシンガロング・ナンバーに仕上げることで、楽曲のタイムレスな魅力をきっちり表現している。