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LIVE REPORT

XANVALA

2025.11.10 @渋谷Star lounge

Writer : 杉江 由紀 Photographer:Kiwamu Kai (Starwave Records)

烈しすぎる秋の運動会、ここに開幕。それはもはや修羅場のごとき様相を呈していたというのに、集った人々の表情は不思議な程に笑顔と爽快感を湛えていた。

今年9月に行われた主催フェス[XANVALA PRESENTS "VASALA FEST.2025"]で"あの"HAZUKIをオープニング・アクトに起用して話題となっていたXANVALAが、このたび実施した[XANVALA SPORTY LIVE & EVENT "乱髪斬散"]は、なんと全編を激しい曲のみで構成するという主旨のもとで展開されていくことに。

そもそも、XANVALAは2020年1月に始動した段階から"乱れることは美しい"というコンセプトを掲げ、常にアグレッシヴなスタンスでのパフォーマンスを繰り広げてきた実績を持つ。また、ライヴでのヘッドバンギング等により観客たちが"ざんばら髪"になることをイメージしてXANVALAと名乗ることにしたというから、激しい曲たちをプレイすること自体は日常茶飯事にして十八番と言えよう。

ただ、何しろ今回の"乱髪斬散"はその度合いが尋常ではなかった。XANVALA側の腹をくくった姿勢はまず出で立ちに顕著な形で表われており、いつものようなダークで艶やかな雰囲気の衣装やメイクはどこへやらという、ゲーム・シャツとして物販販売もされていた野球ユニフォームに限りなく近いスタイル。しかも、フロントマン 巽は1曲目の「悪辣が君を襲う」をバットを担いだ状態で歌い、時にはそれをフロアに向けて"Λ"(ラムダ=XANVALAファンの総称)たちをオラオラなモードで煽っているではないか。

"運動会へようこそ! 皆さん、きっと覚悟をして今日のチケットを取ったことでしょう。今日は私も覚悟をしてきました。怪我だけはしないように、水分補給もめちゃくちゃして、首と肩と声を労りつつも死んでください(笑)。俺たちなりの最高に狂った運動会にしましょう!! 笑ってられるのも今のうちだからな!!!"

巽がそう言った後に胸から下げたホイッスルを鳴らすと、その合図から始まったのはコンポジション爆薬を意味するタイトルが付けられた「C4」と、回転式拳銃"Colt Detective Special"の略称を冠した「C.D.S」。名は体を表わすとはこのことで、いずれの曲も攻撃能力満載であったことは言うにあらず。

鉄壁のドラミングでバンド・サウンドに駆動力を与え続ける知哉、曲によってはスラップも取り入れながらワイルドなプレイを見せていく70.、高めのポジションを取りトリッキーなギター・ワークも鮮やかに決めてみせる宗馬、ドラマチックなギター・ソロだけでなくエモいリフでも個性を光らせるYuhma。いわゆるデスボの類いからクリーン・トーンまで自在に使いこなすなか、説得力のある歌を聴かせる巽。XANVALAがここまで鍛練してきたライヴ・バンドとしての実力は、この烈しすぎる秋の運動会でも遺憾なく発揮されていたのだ。特に、アンコールで1曲目にもやった「悪辣が君を襲う」をさらに2回もダメ押し投下したスパルタぶりは鬼具合が凄絶だったが、これを全力でやり遂げたことにより、バンド側も"Λ"もたしかな達成感を得る結果となったのではなかろうか。

なお、来年2月1日には恵比寿 ザ・ガーデンホールでの[XANVALA 6th ANNIVERSARY TOUR "ROLL THE DICE" TOUR FINAL]が決定しているとのこと。[XANVALA SPORTY LIVE & EVENT "乱髪斬散"]でいっそうレベルアップした彼等の勇姿は、きっとその場でも存分に拝めることだろう。

[setlist]
1. 悪辣が君を襲う
2. 十三
3. ratchet
4. BANQUET
5. C4
6. C.D.S
7. ビューティフル
8. ケ・セラ・セラ
9. ジャノメ
10. 本能
11. 聖戰
12. 明日、虫になっても
En1. CREEPER
En2. 帝
En3. デスパレート
En4. LEGAL
En5. 悪辣が君を襲う
En6. 悪辣が君を襲う

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