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INTERVIEW

TSS

2025.07.02UPDATE

TSS

Member:Matthieu Kirby(Vo) John Fine(Vo/Gt) Hugo Peix(Dr)

Interviewer:菅谷 透 Translator:安江 幸子 Live Photographer:ゆーま

フランス発の3人組モダン・メタル・バンド TSSが待望の初来日を果たした。シンセ・ポップ・バンドとしてスタートした彼等は、メタルコアやポスト・ハードコアの要素を取り入れながらも、ヴィジュアル系やK-POPからの影響も公言する、まさに異色の存在。CVLTEとのコラボレーション楽曲「Dead!」も収録した最新アルバム『End Of Time』では、楽曲ごとに万華鏡のように変化するサウンドで聴き手を魅了している。来日に併せて実施したインタビューでは、バンド結成の経緯から日本での体験まで、様々な話を語ってもらった。

-昨日が日本での初ライヴでしたが([AKABANE ReNY alpha 6th Anniversary "Alpha Dope FEST."]/※取材は6月23日に実施)、印象はどうでしたか?

John:信じられないくらい最高だったね。会場(赤羽ReNY alpha)も素晴らしくて、後ろに大きなスクリーンがあったのがすごかった。観客もクレイジーだったよ。

Hugo:本当に最高の時間を過ごせたね。東京は初めてだったけど、楽しむことができたよ。

Matthieu:僕にとっては、観客の反応がとても印象的だったよ。飛び跳ねたり手を上げたり、エネルギーがすごかった。他のバンドもクレイジーだったね。どのバンドもヘヴィなサウンドで、ステージでの雰囲気もとても良かったから、素晴らしい夜だった。

-ちなみに、どこかへ観光等は行けたのでしょうか?

John:うん、もう1週間ぐらい日本にいるからね。中国で2回ショーをやった後に来たんだ。新宿や原宿、秋葉原、渋谷......浅草の有名なお寺(浅草寺)にも行ったよ。いろんな日本料理も食べてみたけど、とてもおいしかったね。

Matthieu:富士急ハイランドにも行ったんだ。

-そうなんですね! 絶叫マシンにも乗ったんでしょうか。

Hugo:ああ。たしか世界記録になっている"ええじゃないか"ってやつに乗ったんだ。とてもクレイジーで、死にそうになったよ(笑)。

Matthieu:僕はすぐに酔ってしまうから、子ども向けの乗り物にしか乗らなかったよ(笑)。

-(笑)日本を楽しめたようで良かったです。ここからはTSSのバックグラウンドについて伺っていきたいんですが、バンドは2016年に結成されたんですよね。

Matthieu:2015~6年くらいだね。僕たちはFacebookで知り合った。僕も他のメンバーもTSSの結成前はみんな違うメタル・バンドをやっていたんだけど、僕には新しいバンドを始めるアイディアがあったんだ。Johnとはオンラインで出会って、遠距離で音楽を作り始めた。僕たちは同じ街に住んでいるわけではなくて、車で4時間離れた場所にいるからね。曲を書き始めて、たくさん溜まったところで、2017年に最初のミュージック・ビデオを一緒に撮影したんだけど、そのときに初めて実際に会ったんだ。現在のラインナップとは異なっていて、当時から残っているのはJohnと僕だけなんだけど。そうやってまずはシンセ・ポップ・バンドとしてスタートして、いくつかの時代を経てTSSになった。以前は"THE SUNDAY SADNESS"だったけど、スタイルが発展するにつれて"TSS"に名前を変えているんだ。これが最終的なラインナップになると思う。

-もともとシンセ・ポップからスタートしたとのことですが、今もメタルコア/ポスト・ハードコア的な要素がありつつ、自由度が高いサウンドになっていますよね。

John:同じことを二度やるのが嫌いなんだよね。新しいサウンド、新しい雰囲気でファンを驚かせるのが好きだから。制作プロセスに制限は設けていないんだ。僕たちが好きなジャンルならなんでも、自分たちのサウンドや曲に取り入れようとしているよ。上手くいけばいく、駄目なら再チャレンジって感じで。でも僕たちはみんなメタル・シーン出身だから、いつかメタルに戻るのは当然だったのかもしれないね。

Matthieu:でもヘヴィになっても、以前のサウンドを構成していた様々な要素は残していきたいんだ。それが音楽に自由な側面を与えてるのかもしれない。ただもともとのジャンルに付け足してるだけで、ヘヴィだけどシンセやポップの要素もたくさんあるから。

John:それから、聴きやすさは保っていたいね。ラジオでも流せるような曲というのを意識して、あまりにヘヴィすぎる曲にはしないようにしてるんだ。

-楽曲がとてもメロディックで、特にヴォーカル・ラインが強いメロディを持っているのも特徴ですよね。

Matthieu:もともとポップ・バンドだったから、ヴォーカル・ラインはすべてキャッチーで、ラジオでも流せるようなものでなければならなかった。何年もそれを意識してきたから、曲のメロディがしっかりとしたものになってるんじゃないかな。

-ところで、皆さんが影響を受けたアーティストを教えていただけますか?

Matthieu:MY CHEMICAL ROMANCE、MOTIONLESS IN WHITE、それからDIR EN GREYだね。

John:僕はLINKIN PARKを聴いて育ったんだ。近年ではBRING ME THE HORIZONに夢中だね。彼等の曲の作り方は、メタルの限界を押し広げていると思うよ。

Hugo:僕は今SLEEP TOKENにハマってるんだ。THE WEEKNDとARCHITECTSもお気に入りだね。

-いろいろと挙げていただきましたが、特にDIR EN GREYへの言及が興味深いです。欧米のアーティストがヴィジュアル系から影響を受けるのは、なかなか珍しいように思えるのですが、どのようにしてバンドを知ったんでしょうか?

Matthieu:DIR EN GREYを初めて聴いたのは、9歳か10歳のときだったと思う。兄がアジアの文化に興味を持っていて、フランスで有名になるよりも前から、ヴィジュアル系を発見してたんだ。子供の頃から、家で毎日ヴィジュアル系とJ-ROCKを聴いてたよ。特に好きなのは見た目だね。ヴィジュアルを通して、これ程強く自分を表現するアーティストを見たのは初めてだったよ。ヴォーカルもとても演劇的で表現豊かで、スクリームでさえ動物のような何かを感じる。それが好きなところだね。ヨーロッパのメタルだとスクリームは作られてるような感じだけど、ヴィジュアル系では内から、心から出ているように思えるんだ。