INTERVIEW
TSS
2025.07.02UPDATE
Member:Matthieu Kirby(Vo) John Fine(Vo/Gt) Hugo Peix(Dr)
Interviewer:菅谷 透 Translator:安江 幸子 Live Photographer:ゆーま
CVLTEは僕のフェイヴァリット・バンドのトップ3に入るかもしれない
-バイオグラフィによるとK-POPもTSSの影響源の1つですよね。こちらもお兄さんの影響なんでしょうか?
Matthieu:いや、K-POPはBTSがヨーロッパで人気になり始めたときに自分で発見したんだ。2016年頃だったかな。それまでハード・ロック以外は聴いたことがなかったから、僕のポップ・ミュージックへの入り口は彼等だったよ。
-ヴィジュアル系やK-POPの視覚的な側面が、TSSとしてのアウトプットに影響を与えてるのでしょうか。
John:そうだね。僕たちはアジアや日本の文化に強く影響を受けてると思う。音楽だけでなく、衣装やヴィジュアルをもっと意識するきっかけがK-POPだった。今のインスピレーションは日本が中心だね。僕たちはメンバーのキャラクターを作っているけど、それは"ファイナルファンタジー"のようなビデオ・ゲームとか、アニメや漫画からインスパイアされているんだ。ステージでのパフォーマンスはヴィジュアル系の影響もあるね。
-ありがとうございます。ここからは最新アルバム『End Of Time』について聞かせていただきたいのですが、まずタイトルの由来やテーマを教えていただけますか?
John:アルバムの全ての曲で、何かの終わりについて歌っているんだ。関係の終わり、愛の終わり、信仰の終わり、そして人生の終わり......"End Of Time"は全ての曲をまとめ上げるようなインパクトのあるタイトルだった。それから僕たちは世界に対して、どこか悲観的な視点を持ってるんだ。将来の成功への野心や希望が少ないなんて言われている世代だから。そういうのをまとめて、ストーリーの世界観を作りたかった。アルバムを映画のようにストーリー性のある構成にして、作品全体を通して物語が展開していくようにしたかったんだ。
-たしかにアルバム全体にストーリーラインのような流れを感じましたが、その部分は意識されていたんですね。
Matthieu:曲は全てフィクションだけどね。ある程度僕たちが考えてることはテーマとして入っているけど。でもそれぞれの曲に直接的な繋がりはないんだ。
-一方でサウンドは各曲に異なる要素があって、万華鏡のように変化しています。楽曲制作で意識したことはありましたか?
John:楽曲制作では、できるだけいろんなヴァイブを織り交ぜたかった。たくさんの曲を書けるだけ書いて、ベストなものを残していったんだ。それから"アルバムを完成させるために何が足りないんだろう?"と考えて、悲しい曲やとてもヘヴィな曲、アルバムの顔になるようなラジオ向けの曲を追加していった。そうやってアルバム全体を構成したんだ。
-楽曲の制作プロセスについても伺えますか?
John:制作プロセスはちょっとカオスなんだよね。曲がまずインストゥルメンタルとしてできあがることもあるし。ほとんどの場合、僕がインスト部分を担当し、Kirbyがヴォーカル・ラインを担当している。僕がみんなにインストを提案して、みんなが気に入ればヴォーカル部分を作曲することもときどきあるよ。ヴォーカル部分はインストのムードや、もちろん歌詞に従っている。でもたまにKirbyがいいヴォーカル・ラインを思いついて、その周りに何かを作曲することもあるね。
-本作にはCVLTEをフィーチャーした楽曲「Dead!」が収録されていますが、コラボの経緯を伺えますか?
Matthieu:CVLTEのaviel(kaei/Vo)と僕は、2019年頃に知り合ったんだ。「Yayaya」(2019年)という曲をリリースしたとき、彼がYouTubeでその曲を見つけて、"君のバンドが気に入ったよ、いつかコラボしよう"ってDMを送ってくれた。それから連絡を取り合うようになって、僕もCVLTEの作品をチェックしたんだけど、彼等の音楽に本当に惚れ込んだよ。僕のフェイヴァリット・バンドのトップ3に入るかもしれない。だから、いつかコラボしようって何年もやりとりしていた。
それで「Dead!」を書いたとき、このパートにavielが間違いなくフィットすると思ったんだ。CVLTEの雰囲気に合ってたからね。彼にレコーディングをお願いしたら、快く引き受けてくれた。そのとき、僕たちはまだFearless Recordsと契約してなかったんだけどね。彼がヨーロッパに旅行することになって、僕のところに来て一緒に写真を撮り、曲を完成させたんだ。SNSでのプロモーションとして曲をリリースする予定だったんだけど、Fearless Recordsがその曲をとても気に入って、シングルとして出そうと言ってきたから、avielにヨーロッパに来てもらって一緒にMVを撮影することにしたんだ。こうなって良かったよ。
-アルバムではCVLTEとWINDWAKERをフィーチャー(「Would You Be My Therapy?」)していますが、今後コラボしてみたいアーティストはいますか?
Matthieu:まず、CVLTEとまたコラボしたいね(笑)。
John:(笑)彼等とは今後について話してるんだ。僕たちはそれぞれ異なるアーティストが頭に浮かんでると思う。個人的には、GHOSTEMANEやSCARLXRDみたいなトラップ・メタルのアーティストとコラボしてみたいね。
Hugo:僕にとって夢のコラボは、CHASE ATLANTICだね。彼等もFearless Recordsと契約しているし。ポップ寄りなバンドだけど、ライヴだとパワフルなオルタナ・ロックを演奏しているんだ。
Matthieu:僕もCHASE ATLANTICとコラボしてみたいね。
-最後に、日本のファンへメッセージをお願いします。
Matthieu:ショーに来てくれてありがとう。できるだけ早く日本に戻ってきたいし、ニュー・アルバムを楽しんでもらえることを願ってるよ。
John:今回は東京だけだったけど、また戻ってきて日本全国を訪れ、日本の文化も発見したいね。日本での初めてのショーは素晴らしかったから、次回もそうなると思ってる。また戻ってくるのが待ちきれないよ。アルバムもきっと気に入るだろうから、ぜひチェックしてほしいね。
Hugo:ショーに来てくれたみんな、ありがとう。ニュー・アルバムを楽しんでもらえることを願ってるよ。また早く戻ってきたいし、次は大阪や京都等他の都市にも行って、そこでもショーをやりたいね。
