INTERVIEW
HATE and TEARS
2024.12.04UPDATE
2024年11月号掲載
Member:KAYO UI MISA
Interviewer:長澤 智典
常に世界を舞台にする意識を持って楽曲を構築していて、今回はレゲエやドラムンベースを軸に据えました
-11月27日には、第3弾作品として「DirtyMuseum」が配信リリースされます。
KAYO:5ヶ月連続第1弾となった「俺はオレっ!」の反響がすごく大きかったから、メンバーやプロデューサー(sin hashizume)の中に"みんな笑顔やかわいい曲調が好きなのかも!?"という意識が芽生えて、第3弾をどんな曲調にするのか正直迷ったんです。でも、これまでライヴではやってきた鉄板曲だけど、リリースはせずに温めてきた「DirtyMuseum」を出そうと決めました。それに、『俺はオレっ!』からHATE and TEARSを知っていただけた方へアプローチしていく上で、第3弾でもガラッと雰囲気を変えて伝えるのも面白いなと思いました。
UI:HATE and TEARSをずっと応援してくださっている方々からしたら、待望の楽曲だと思います。むしろ、ファンの人たちからしたら「俺はオレっ!」や「Cherish」のほうが、意外性を持ったHATE and TEARSの姿だったのかも知れません。
-「DirtyMuseum」は、いつ頃からライヴで歌ってきたのでしょうか。
UI:今年の春頃からです。
KAYO:「DirtyMuseum」は、「ARRIVAL POINT」(2023年8月リリース)とセットでライヴでやることが多いです。「ONE STEP FORWARD」や「ARRIVAL POINT」は、HATE and TEARSが持つかっこ良さを全面に出した楽曲だったから、改めてHATE and TEARSのかっこ良さを「DirtyMuseum」でも出した形ですね。
-「DirtyMuseum」の魅力も、ぜひ語ってください。
UI:「DirtyMuseum」で特に感じるのが、ライヴで聴いたときと音源で聴いたとき、それぞれに異なる良さがあることです。「DirtyMuseum」では、Dolby Atmosという立体的に音響が聴こえるミックスをしています。Dolby Atmosは、いろんな場所から立体的に聴こえるようにしたサウンド・システムのことで、スピーカーの左右からだけ聴こえるのではない、映画館であるような臨場感で立体的に聴こえる、あの感覚を味わえるんです。イヤホンやヘッドホンでも感じてもらえますが、専用の再生機器もあって、それで聴くとさらに迫力を実感できます。
KAYO:「DirtyMuseum」の歌詞は、"ルーヴル美術館にモナ・リザを盗みにいく"ことがテーマになっています。直接モナ・リザという言葉は出てきませんが、それを示唆する言葉をうまく韻を踏んで表現していますし、ジャケットにもその雰囲気が出ているんです。私たちは、"ルーヴル美術館にあるモナ・リザを盗むこと"を、"名古屋城にある金のしゃちほこを盗む"と捉えて表現しています。
-名古屋城にある金のしゃちほこですか......。
KAYO:そうです。HATE and TEARSは、名古屋をベースに活動しています。名古屋城は名古屋の象徴。実際に、過去に何度も金のしゃちほこのうろこが盗まれる事件も起きています。名古屋城の天守閣の上にある金のしゃちほこを盗むって大罪だし、やるにはすごく覚悟のいること。それを私たちは名古屋のテッペンを取る思いとも掛けています。そしてもう1つが、"ルパン三世 カリオストロの城"でルパン三世がクラリスのハートを盗んだように、"HATE and TEARSがあなたのハートを盗みにいく"という思い。こちらも直接歌詞で伝えているわけではないところがこの曲の面白さであり、HATE and TEARSらしさです。ぜひ自分なりにいろいろ想像を膨らませて聴いてください。
MISA:2人に全部言われちゃった(笑)。ファンの人たちのハートは、すでにバッチリ盗んでいます。「DirtyMuseum」ではファンの方々と一緒に振りをする箇所がいろいろと出てきますが、そこを前のめりでやってくれるし、ライヴで「DirtyMuseum」をやるとみんな超盛り上がってます。
KAYO:振付は私が担当していて、歌詞が"盗みにいく"内容だから、盗みにいく様も表現しています。ファンの人たちと同じ振りで、踊りながら盛り上がれるように振りを付けたから、そこもライヴで一緒に楽しんでください。
-「俺はオレっ!」、「Cherish」、「DirtyMuseum」と毎回異なる曲調で攻めるから、次にどんな楽曲が登場するのか期待が膨らみます。
UI:HATE and TEARSは、ライヴでは披露しているけどまだ音源にはなっていない、ファンの人たちが音源化を望んでいる曲たちだってたくさんあります。次も、また違うHATE and TEARSの音を聴かせるか、ファンの皆さんなら知っている曲が出るのか......。
KAYO:5ヶ月連続リリース期間中、配信リリースした曲ごとに反応を見ながら、メンバーとプロデューサーで"次はどういう傾向がいいんだろう?"と話し合って模索もし続けています。だから第4弾をどうするのか今も模索していますね。ただ第5弾作品はアルバムになると先にお伝えしておきます。そこにはライヴではお馴染みだけど音源にはなっていない曲も入りますね。ほんと、いろんな顔を持った曲の詰まった、どんな方にも刺さる曲が必ず入っているアルバムになります。詳細をプロデューサーが語りたいそうなので、ちょっとだけバトンタッチします。
sin:HATE and TEARSは、すでにレコーディングをしたけど表立って形にしていない楽曲が30曲以上あります。今いるKAYO、UI、MISAは不動のメンバーですが、これまでに何度もHATE and TEARSはメンバーの加入と脱退を繰り返しては、そのたびに編成を変えてきました。それもあって出せてない曲もいろいろあるんですけど、この3人に関しては歌唱力、ダンス・パフォーマンス、ライヴでの表現力のどれも著しい成長を見せてきましたし、音楽への向き合い方もすごく深くなってきたんです。グループとしてのまとまりはもちろんKAYO、UI、MISA それぞれに自分の良さはどこかもしっかり掴んで魅力にしている。だからこそ今のHATE and TEARSをしっかりと伝えたくて、第5弾はアルバムにしようと決めました。最初に、「Cherish」のMVが「ONE STEP FORWARD」から繋がっているという話が出たように、HATE and TEARSの楽曲は1つの物語として繋がっている曲が多いです。例えば、「ONE STEP FORWARD」を通して示した一歩踏み出す思いが、「ARRIVAL POINT」に記したメジャー・デビューへ辿りつく思いへと繋がるとか。「DirtyMuseum」も、KAYOが語った"あなたのハートを盗みにいく"というメインのコンセプトがありつつ、そこには次に繋がるストーリーも隠されています。それが、ライヴでも披露している「so proud」に込めた思いなんです。この曲で怪盗は捕まり、留置されてしまいます。でも、"たとえ捕まり離れ離れになっても、あなたのことが大好きだしどこにいてもずっとあなたに付いていく"、そういう展開を描きました。「so proud」はアルバムへ収録するつもりですし、第1~4弾の楽曲たちもアルバムへ収録した曲たちといろんな物語を作り上げています。さらに言うなら、「DirtyMuseum」のMVも他のMVと繋がりを持って作っているから、公開したときにはそこも踏まえて観てください。HATE and TEARSは歌詞、曲調、MV全てをクロスメディアで表現しているので、入り口も多いし入り込んだらいろんな仕掛けがあり、それを発見するたびに深みにハマっていく面白さのあるグループです。
KAYO:「DirtyMuseum」は特にアルバムへ向かう上での大きな布石になっていくからこそ、ぜひ注目してください。
-「俺はオレっ!」も「Cherish」もそう。楽曲やMVが海外の人たちからも支持を得ていますよね。11月末にはタイへの遠征も決まりました。
KAYO:タイ遠征は2回目です。今回は、タイの中心都市であるバンコクの中心街で催される、日本のカルチャーを紹介するイベント"SIAM J-SHOW"に呼ばれて出演します。噂では30万人が訪れる大きなイベントらしく、私たちも楽しみにしています。今タイ公演へ向けてのクラウドファウンディングもやっているので、チェックしてください。
-今のHATE and TEARSは海外展開も意識した活動をしていますよね。
KAYO:HATE and TEARSが活動を始めた当初から英詞を多用した曲が多かったのも、その意識の表れでした。プロデューサーを筆頭に、HATE and TEARSのサウンド・チーム自体が、常に世界を舞台にする意識を持って楽曲を構築しています。「DirtyMuseum」ではレゲエやドラムンベースを軸に音を作っていて、他の曲もフューチャー・ベースやヒップホップ、レゲエ等を軸に据えているんです。プロデューサーの言葉を借りるなら、海外のファンの方は、アイドル・ソングだからではなく純粋にHATE and TEARSの音楽を評価し、楽しんでくれている。だから、各国の配信チャートでHATE and TEARSの曲が支持を得ることに繋がっているんです。そうやって世界へ広げていくためにも、ワーナーミュージック・ジャパングループのADA Japanとチームと組んだとも言ってます。実際に私たちも、昨年初めてタイに遠征したとき("NIPPON HAKU BANGKOK 2023")、タイのお客さんたちが歌に合わせてコールを入れたり、私たちと一緒に歌ってくれたりしました。もちろん、初めてHATE and TEARSの楽曲に触れる方々も多かったけど、みんな一緒になって踊ってたんです。その理由は、HATE and TEARSが純粋に楽しめる音楽を作っているからだとも感じました。今回も、タイの方々とライヴで一緒に楽しみたいし、今後はさらにいろんな国に足を運んで、より広がりを持った活動をしていきたい野望も持っています。
-これからの展開に期待しています。最後に締めで一言いただけますか?
MISA:「DirtyMuseum」、ついにリリースさせていただくことが決まりました。皆さん、乞うご期待です!
KAYO:補足しておくと、日本にはかわいいアイドルさんも歌やダンスの上手なアイドルさん、素敵なアイドルさんがたくさんいます。だからこそ今は、アイドルも多様性を求められる時期。もちろん私たちも、HATE and TEARSにしかできないアイドルとしてのスタイルを確立しようと、常日頃から模索しているんです。それを示すのが今回の5ヶ月連続リリースになるからこそ、ぜひ一連の流れを通してHATE and TEARSの魅力を探ってもらえたらなと思っています。
MISA:気になったらライヴに来てください。私たちはライヴハウスで待ってまーす!
HATE and TEARS INFORMATION
5ヶ月連続リリース第2弾
「Cherish」
NOW ON SALE!!
※品番なし※
[HILLTOP,inc]
5ヶ月連続リリース第3弾
「DirtyMuseum」
2024.11.27 ON SALE!!
※品番なし※
[HILLTOP,inc]