MENU バンドTシャツ

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

INTERVIEW

SAISEIGA

2024.11.06UPDATE

2024年11月号掲載

SAISEIGA

Member:Regan(Vo) Wakkun(Gt) Katsuki(Ba) 桐子(Dr)

Interviewer:フジジュン

-「STRANGE RAIN」でドラマチックに始まって、自然とアルバムの世界に入り込める曲順で正解だったと思います。ラスト「零-instrumental-」で、ブラック・ホールのように無尽に広がった世界観を締めくくってくれるんだけど、ブラック・ホールって閉じることがないから、もしかしたら知らないうちに呑み込まれていたのかも知れない? なんて想像したり。

Regan:"世にも奇妙な物語"みたいな後味がありますよね(笑)。ライヴのセトリっぽいって話で、「轟爆(轟音爆散TORNADO)」はKatsukiの中でアンコール扱いらしくて。これでみんなでワーッとやって、「零-instrumental-」で余韻に浸るっていうのがめっちゃ伝わるのが嬉しいし、ダークなものにしたいけど最後はすっきり爽快にしたかったので、「轟爆」はすごく大事な曲です。

-では、それぞれ好きな曲、思い入れの強い曲を教えてください。

Regan:私は「W.O.L.F」をリード曲にしたくて、"絶対みんな好きだよ"って言ったんですけど、"予想を超えたい"と桐子が突っぱねてきて(笑)、「STRANGE RAIN」という新しい感じがリード曲になったので、「W.O.L.F」を超える説得力を付けなきゃと思ってます。

桐子:ごめんね(笑)。どうせなら誰もやってないものを出したいと思って、「STRANGE RAIN」を推したんですけど。最初Katsukiがデモを作ってきて、"アルバム曲って感じで"と軽く渡されて、聴いてみたら尖ってるけどキャッチーですごく新しいと思って、すごくワクワクして。"この曲をアルバムの顔としてやっていったら、すごくいい作品になる"ってデモの段階から確信してたし、実際にそういう曲になったと思うので、私は今回「STRANGE RAIN」が一番印象に残ってます。

Wakkun:僕はどれも思い入れがあるんですけど、「Catharsis」を最初に聴いたとき、新たなフェーズに行けた感はありましたね。ダークってコンセプトだからじゃないんですけど、この曲ではドロップ・チューニングで太い弦の音を1音下げてて、よりグルーヴを感じるフレーズも多くて。俺は最初、この曲がMVになるんじゃないか? と考えてたんです。衝撃を受けたと同時に、こういう曲をやる日を楽しみにしてたところもあって、"ついにこのときが来たか"と思った曲です。

Katsuki:僕は「Eclipse」という曲です。バラードの立ち位置にはなるんですが。桐子の作曲なんですけど、1stに入ってる「sink」という曲があって、自分の中ではその続編みたいな感覚があって。「sink」は、やっていくなかで重要度が上がっていったんですが、あるときにReganが、誰にもお願いされてないのにアニメーションでMVを作ってYouTubeに上げて、それを観たとき、その世界観にすごく感動したんです。実はその感覚が今回アルバム全体を通して反映されてるところがあって。

Regan:そうだったんだ。

Katsuki:そう。今作はダークと謳ってますけど、内なる物悲しさや叙情的な部分が僕等にとってのダークであって、残酷さや残虐性ではないんです。そこで、"バラード曲は絶対に入れたいね"と言って作った「Eclipse」は、最初アコースティックやピアノが主体となったアレンジだったんですけど、"ちょっと合わないね"となって。それでもこのメロディは使いたいと思って、アレンジにめっちゃ苦しんだ曲だったんですけど、今の形が自分の中で一番会心のアレンジだったんです。

-Reganさんのアカペラ・パートもゾクッとしました。

Katsuki:本当はライヴでみんなに歌ってもらいたいんですけど、音源ではあえて楽器隊の声は入れてなくて。ちょっと物悲しさがあるけど、ライヴになったらみんな歌いたいんじゃないか? という願望も込めて、あえて派手にせずやってます。

-「Eclipse」から、「Equinox」のイントロへの流れもすごくいいですよね。

Katsuki:そこはすごくこだわってて。遠鳴りのサイレンとか超弱音の繋ぎがあって、そこだけに何時間もかけました。今回、全曲通した組曲とも言えるコンセプチュアルなアルバムにしたくて。僕等DREAM THEATERが大好きで、プログレッシヴ・メタルが表現できるわけじゃないですけど、そういうDNAはあって、それを匂わせたらいいなと思ったんです。

Regan:全編通して聴いて、聴き終えた感覚があるというか。デモも全部繋がってたんで、聴き返すときにめっちゃ不便でしたけど(笑)。Katsukiのこだわりはすごく感じました。

-あはは(笑)。でも、CDのアルバムで出す意味のある作品になっていると思います! そして、そんなアルバムに"THE BLACK HOLE"と名付けた意味は?

Regan:宇宙が大好きで、アルバム・タイトルまで導かれるように整っていった感があるんですけど、1stアルバムの『THE SUN』の勢いに対抗したい、『THE SUN』を倒そうみたいな気持ちがあって。"ダーク"からイメージしてタイトルを考えてたとき、丸い穴のデザインを見て"ブラック・ホール"って言葉が浮かんで、"「ブラック・ホール」なら「太陽」を超えられるかも知れん。飲み込んでやろう"と思いつきました。あとはうちらってライヴが強いから、新曲をライヴでやって、『THE SUN』をようやく超えられると考えてます。今、お話を聞いてもらっても分かると思うんですけど、うちらって全部結果なんですよ。やってみて結果としてこうなったみたいなことが多くて、あまり構築が得意じゃないんです。話しながら、"え、俺が作った「sink」のアニメーションが物語の始まりだったんだ!"って驚くとか、全部が奇妙に繋がってて。そんな摩訶不思議体験も全部詰め込まれて、音になり形になったのが『THE BLACK HOLE』だと思います。

-そうやって思いもしなかった点と点が繋がって星座になっていくんですよ、きっと。星座だって後付けで、別々の星を無理矢理繋いで物語を作ったものですからね。そして、今作を掲げてのワンマン・ライヴ([SAISEIGA "THE BLACK HOLE" Release ONE MAN LIVE「黒道3150号線」])も控えています。

Katsuki:どんな内容にしようか、すでに悩んでます(笑)。

Regan:いつか、このままのセットリストで再現ライヴはやりたいね。どんだけ煮込んでからやるかは分からないけど、いつかはやりたい。

Katsuki:そうだね。今回のアルバムは全曲やるべきなのかな? とも考えてるんですが。ライヴはシンプルに盛り上がることが全てだと考えてるので、ダークをコンセプトにしたアルバムを出しますけど、既存曲と交ぜ合わせてもめちゃくちゃカッコイイと思うし、アルバムをしっかり聴き込んでいただいて、ライヴではしっかり暴れてもらいたいです!