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INTERVIEW

DEZERT

2024.11.23UPDATE

2024年11月号掲載

DEZERT

Member:千秋(Vo) Miyako(Gt) Sacchan(Ba) SORA(Dr)

Interviewer:山口 哲生

みんなラヴなんです。猫被ってるつもりもない、ただ、僕にはまだまだ倒さなきゃいけない敵がいっぱいいるんで


-そのときの"武道館"という言葉があったから、コロナの期間でも前を向けたところもあるんですか?

SORA:いや、千秋がQUATTROで言ったときは、まだ武道館が決まってたわけじゃないから、自分等でやると言ったからにはやらないといけないものに変わって、これからどうしていくかっていうタイミングでコロナ禍になってしまった感じですね。で、その間に各々がスキルアップしたり、向き合う時間があって、その後のLINE CUBE SHIBUYA([DEZERT SPECIAL LIVE 2020"The Today"])で「ミザリィレインボウ」(2021年リリースのアルバム『RAINBOW』収録)っていう曲を初めてやったんですけど、メンバー全員何か思うことがあってすごく感動したんですよ、いろんな意味で。そこから本格的に武道館を目指すモードになっていった感じでしたね。俺も自分なりにいろいろ考えて、自分に課題を与えて、口に出して目標を定めてやってみる。それができた。じゃあ次に何をやる? もっといろんな人にDEZERTを知ってもらわないといけない。"V系って知ってる?(powered by MAVERICK DC GROUP)"をやる。それがいつの間にかシーンのためにどうとか勝手に言っていただけて。

-大きなリアクションがありましたよね。

SORA:俺としては、シンプルに好きなものを好きと言って、好きなものをたくさんの人に聴いてほしい、観てほしい、自分もワクワクすることをしたいって思うことをしただけではあるんですけどね。で、そういうことをするっていうのはこういうことだよって先輩たちが教えてくれた。じゃあもっと楽しいことをやるには何を学べばいいんだろうって考えてたら、"PARTY ZOO(DEZERT Presents SUMMER PARTY ZOO 2024 ~帰って来たM.A.D~)"というイベントをやる機会を貰った。じゃあ次どうするの? っていうところから、武道館に向かっていく道が自然とできていってたって感じじゃないですかね。個人的にはそう思います。

-それこそMiyakoさんも話していたような、一歩一歩進んできてという。

SORA:DEZERTって"きっかけ"がすごく多いバンドだなと思うんですよ。千秋が武道館やるぞってステージで言ったのがきっかけになってエンジンが掛かった。コロナ禍になって一時停止したけど、コロナ禍にできた曲がまたいろいろなきっかけになってDEZERTの背中を押す曲たちになった。そこはもちろんコロナ禍の前の曲もそうなんですけど。いろんなイベントをやるきっかけも、自分等の数字のためにというよりは、とにかくワクワクすることをしたいってところからやり始めたりして。そうやっていろんなきっかけが階段みたいになって、今に至るという感覚がありますね。だから俺、"きっかけ"って言葉がすごい好きなんですよ。それもあって最近はまたいろいろ行動していて。

-たしかにそれがあるからこそ先に進めるし、何かが起こるっていうのはありますからね。

SORA:俺、めちゃくちゃ自信があるんですよ。本当にいい音楽やっている自負があるし、スタジオで合わせていてめちゃめちゃかっこいいなと思うし。あとはどうやって知ってもらえたら刺さるのかなって。普通にいいバンドだから聴いてほしいんで、俺はそのきっかけをめちゃくちゃ作りたいなって感じですね。曲いいですからね、普通に。

-そう思います。いろいろと苦しい時間はあったかもしれないけど、その期間もDEZERTはいい音源を作り続けている印象がすごくあるんですよ。『TODAY』(2018年リリースのアルバム)もそうだし、その次の『black hole』(2019年リリースのアルバム)も、「ミザリィレインボウ」が収録されている『RAINBOW』も。千秋さんとしては、苦しい状況であっても、自分たちは絶対にいいものを作っているという感覚が、心の支えになっていたりもしたんですか?

千秋:いや、そこは結果的にというか。曲に関しては、届かないかもしれないけどちゃんと思いを込めて、一言一句しっかりと意味があって、自分等ができる最大限のアレンジをしていて。もちろんノリで作った曲たちもあるんですよ。その曲も大好きなんですけど、曲自体に救われたというよりは、さっきのSORA君の言葉を使わせてもらうと、それこそきっかけですよね。しかも、そのきっかけが来たからいいわけじゃなくて。やっぱり準備してないときっかけが来たときに活かせないっていうのは、ここ5年ですごく感じていて。だから曲はバンド4人で作ってるんですけど、僕が作曲して、作詞をして、デモを作って、そこからメンバーが構築していくっていうやり方をしてるなかで、曲に救われたっていうのは、SORA君みたいに言ってくれる人がいるから結果的に救われているだけ。俺としては"俺はいい曲だと思って作ってるけど、2,000人しか集まらんのか。てことは俺のセンス悪いかもな"とか思っちゃうタイプなんですよ。だからこそ武道館を目指してるってのがあって。

-というと?

千秋:武道館に立ってワーキャー言われたいっていうのは、人間なのでもしかしたらあるかもしれないけど、武道館なり横浜アリーナなり、もっとその先を見たときに、その結果は僕等4人がやってきた行動の結果なわけじゃないですか。もちろんスタッフもいるんで僕等だけじゃないけど。僕等は売れてるバンドじゃないと思うし、13年やってきて武道館っていうのは、ある種それこそコツコツやってきたなかでの武道館やから、これは絶対自信になって次に繋がるんですよ。例えば、もちろんO-EASTを埋めるのはめちゃくちゃ難しいことだけど、次のツアーの集大成がO-EASTだったら、僕は自分の曲が好きじゃないかもしれないです。そのためにも上を目指す。続けるために目指す。それがやる気になってる。やる気成分って頭の中にないらしいじゃないですか。

-そうなんですか?

千秋:やる気って、やった結果出るらしいんですよ。やらないやつにはきっかけもやる気も起きひんという考えを僕は持っているので。武道館を決めたときは、来年1,000人しか集まらんくても、100人しか集まらんくても、それがきっかけで1年間しっかり準備するんだから、それがきっかけになってきっとまた何かあるんじゃないか、努力できるんじゃないかという。だから僕にとって武道館は給油地点というか。昔は"初めの1歩"だと思ってたんですけど、そこがスタート地点というのもおこがましいので、僕のバンド人生の給油地点としてデカい看板が立ってる感じ。今はそこに向かっていってるし、武道館で終わるわけないとも思ってるし。未だにやっぱアンチテーゼってのを僕は持ってますから。たぶん山口さんと以前話した当時って、僕結構尖ってたんじゃないですか?

-バリッバリに尖ってました(笑)。

千秋:ははは! なんかね、これは言い訳かもしれないけど、今でも僕のことっていうかDEZERTを相手にしてくれない媒体っていくらでもあるんですよ。でも、今日はこうやって激ロックさんが相手してくれてるじゃないですか。こんなに長くインタビューしてくれても載らんと思うけど、聞いてくれてるじゃないですか。

-WEBにはフル・バージョンで載りますよ。

千秋:そうか(笑)。だとしたら僕はもうラヴしかないんですよ。当時は"どうせ全員俺等のこと好きちゃうねん"みたいな気持ちがあったし、未だに僕はそういうところがあるけど、今は相手してくれる人がいて。激ロックさんもそうやし、事務所もそうやし、ファンもそうやし、みんなラヴなんです。猫被ってるつもりもない。ただ、まだまだ僕には倒さなきゃいけない敵がいっぱいいるんで。そういうなかで今自分ができることといったら、曲を愛するというよりは、新しい曲を作ること。満足したら作る必要なんかもうないじゃないですか。バンドっていい曲が1曲あればいいと思うんで。でも僕は作りたいし、もっとできると思うし、そのためにはいろんな音楽を聴くし、ギター練習しなきゃいけないし、一番大事な歌も自分の良さを見極めていろいろ研究しなきゃいけないっていうのが、今のモチベーションになってます。曲がいいって思ってくれるだけでモチベーションにはなるけど、そういったまやかしのモチベーションよりも、僕はもっと進んでみたいので。

-バリバリ尖ってた頃って、今お話しされていたようなことを思ってはいたけど、絶対に口にはしなかったですよね。

千秋:だって"何言ってんだこいつ"って思われるの嫌じゃないですか(笑)。僕の本音を言ったところで届かなかったら意味がないし、届くなら僕はなんでもしますよ。嘘は言わないけど。別にいい人間だと思われたくはないけど、やっぱ愛されたいじゃないですか、人間なんで。わざわざ嫌われる必要もないし。それに僕以外のメンバーは人としていい人たちなので、自然とここ5年で周りに人が集まるようになってきてくれたのは、僕はすごく感謝してます。

-歌っている内容について、言葉のチョイスは変わっていたりもするけれども、根本の部分は変わっていないというか。自分がそのとき思っていることをしっかりと書いているし、それを歌っていますよね。

千秋:もちろん。まぁ、フィクションの歌もあるけど、基本的にはやっぱり経験したことで、それを共有したいっていうのが人間の性(さが)だと思うので。基本、アウトプットの仕方は変わってないと思いますけど、DEZERTはこのレベルやけど愛してくれる人がいっぱいいるから、泥を塗れないじゃないですか。音楽は一生残るんで。だから魂を込めるし、人生を懸けるし、真摯でいたいってずっと思ってて。それは昔からずっと変わらないですね。ただ、やっぱ出会いってあるじゃないですか。それこそきっかけというか。僕も教わっていた(ボイトレの)先生とか、人生観が変わるような心に残る言葉とか、いろいろな出会いが少なからずあったので、そこで変わったかなと思います。時間はかかったけど、これからもたぶん出会っていくと思うし、そういう人生でありたいですね。

-そういう出会いを繰り返しながら、自分が満足いくまで続けていくと。

千秋:できればその満足は死ぬまで来ないでほしいんですけどね。来ちゃうとやめたり、つまんない活動したりってことになっちゃうと思うので。できれば死ぬまでもっといい曲を作りたいな、もっといいライヴしたいなって思う人生送りたいですけどね、今のところは。そのためにもやるべきことは、4人とも似たようなことを考えていると思うので。だから僕は結構自信ありますけどね、14年目、15年目も。

LIVE INFORMATION
"DEZERT SPECIAL ONEMAN LIVE at NIPPON BUDOKAN「君の心臓を触る」"

12月27日(金)日本武道館
OPEN 17:30 / START 18:30
[チケット]
全席指定 ¥6,600(税込) ※未発表音源「オーディナリー」CD付き
■販売中
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